ケイデンスと速度の早見表|90rpmで時速何km?ギア別の目安と計算式
「ケイデンス 90 で回すと時速何 km 出るの?」「時速 30km で巡航するにはどのギア?」——ロードバイクに乗りはじめると、ケイデンス(1 分間にペダルを回す回数)と速度の関係が気になってきます。答えはギア比とタイヤの大きさで決まり、計算式も簡単です。この記事では、速度を求める式、ギアごとのケイデンス別速度の早見表、時速 20〜40km で巡航できるギア、ケイデンスの目安とセンサーなしの測り方、回転数を上げる練習、展開・ギアインチ・ゲインレシオといった関連指標までをまとめます。
速度 = ギア比 × タイヤ周長 × ケイデンス
ペダルを 1 回転させると、前のギア(チェーンリング)の歯数ぶんチェーンが送られ、後ろのギア(スプロケット)がその歯数で割った回数だけ回ります。後輪は後ろのギアと一緒に回るので、ペダル 1 回転でタイヤが回る回数がギア比、そのとき進む距離が「展開」です。展開にケイデンスを掛ければ 1 分間に進む距離、60 を掛ければ 1 時間に進む距離になります。
- ギア比 = 前の歯数 ÷ 後ろの歯数
- 展開(m)= ギア比 × タイヤ周長(m)
- 速度(km/h)= 展開(m)× ケイデンス(rpm)× 60 ÷ 1000
- 必要なケイデンス(rpm)= 速度(km/h)× 1000 ÷ 60 ÷ 展開(m)
- 1
ギア比を出す
前 50T・後ろ 17T なら 50 ÷ 17 ≒ 2.94。ペダル 1 回転で後輪が 2.94 回転します。
- 2
展開を出す
700×28C のタイヤ周長は約 2.130m なので、2.94 × 2.130 ≒ 6.26m。ペダル 1 回転で 6.26m 進みます。
- 3
速度を出す
ケイデンス 90rpm なら 6.26 × 90 × 60 ÷ 1000 ≒ 33.8km/h です。
ギア別・ケイデンス別の速度早見表
700×28C(周長 2130mm)で計算した速度です。前 50-34 のコンパクトクランクと、後ろ 11〜34T のスプロケットでよく使う組み合わせを並べました。25C なら表の値の約 0.9% 減、32C なら約 1.2% 増と考えてください。
| ギア | ギア比 | 展開 | 60rpm | 70rpm | 80rpm | 90rpm | 100rpm | 110rpm |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 34×34 | 1.00 | 2.13m | 7.7 | 8.9 | 10.2 | 11.5 | 12.8 | 14.1 |
| 34×28 | 1.21 | 2.59m | 9.3 | 10.9 | 12.4 | 14.0 | 15.5 | 17.1 |
| 34×21 | 1.62 | 3.45m | 12.4 | 14.5 | 16.6 | 18.6 | 20.7 | 22.8 |
| 50×21 | 2.38 | 5.07m | 18.3 | 21.3 | 24.3 | 27.4 | 30.4 | 33.5 |
| 50×17 | 2.94 | 6.26m | 22.6 | 26.3 | 30.1 | 33.8 | 37.6 | 41.3 |
| 50×15 | 3.33 | 7.10m | 25.6 | 29.8 | 34.1 | 38.3 | 42.6 | 46.9 |
| 50×13 | 3.85 | 8.19m | 29.5 | 34.4 | 39.3 | 44.2 | 49.2 | 54.1 |
| 50×11 | 4.55 | 9.68m | 34.9 | 40.7 | 46.5 | 52.3 | 58.1 | 63.9 |
| 53×11 | 4.82 | 10.26m | 36.9 | 43.1 | 49.3 | 55.4 | 61.6 | 67.7 |
表を見ると、ケイデンスを 10rpm 上げるだけで速度が 1 割以上上がることがわかります。たとえば 50×17 なら 80rpm で 30.1km/h、90rpm で 33.8km/h です。同じ速度を出すなら、重いギアをゆっくり踏むより、軽いギアを速く回したほうが一回の踏み込みの力は小さくて済みます。
時速 20〜40km で巡航できるギアはどれ?
長く走るときに楽なのは、80〜95rpm くらいで回せるギアです。前 50-34・後ろ 12 速 11-34(700×28C)で、狙った速度を 80〜95rpm で出せる組み合わせを計算しました。カッコ内がその速度に要るケイデンスです。
| 巡航速度 | アウター(50T) | インナー(34T) |
|---|---|---|
| 20km/h | 50×27(85rpm)・50×30(94rpm) | 34×19(87rpm) |
| 25km/h | 50×21(82rpm)・50×24(94rpm) | 34×14(81rpm)・34×15(86rpm) |
| 30km/h | 50×19(89rpm) | 34×12(83rpm)・34×13(90rpm) |
| 35km/h | 50×15(82rpm)・50×17(93rpm) | 34×11(89rpm) |
| 40km/h | 50×13(81rpm)・50×14(88rpm)・50×15(94rpm) | なし |
30km/h ならアウターの 50×19 を 89rpm で回すのがちょうどよく、インナーの 34×12・34×13 でも出せます。ただ、インナー×トップ側はチェーンが斜めにかかる「たすき掛け」に近く、音や摩耗が増えるので、平地の巡航はアウターを使うのが基本です。たすき掛けの範囲はクランクの選び方の記事コンパクトクランクとセミコンパクトの違いでも解説しています。
ケイデンスの目安は何 rpm?
ケイデンスに「正解」はありませんが、一般的には平地の巡航で 80〜95rpm くらいが、脚の筋肉への負担と心肺への負担のバランスがよい範囲と言われます。乗りはじめの人は 60〜70rpm くらいで重いギアを踏みがちで、太ももが先に疲れてしまうパターンが多く見られます。
| 場面 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ママチャリ・街乗り | 50〜70rpm | ギア比が重めで回転は低くなりがち |
| ロードの乗りはじめ | 70〜80rpm | まず 1 段軽いギアで回す練習から |
| 平地の巡航 | 80〜95rpm | 長い距離を一定ペースで走りやすい |
| 登り坂 | 70〜85rpm | 60rpm を下回るなら、さらに軽いギアが欲しい |
| スプリント・加速 | 100〜120rpm | 短時間だけ使う回転域 |
大事なのは「その速度を、自分が楽に回せるケイデンスで出せるギアがあるか」です。登りで 60rpm を切ってしまうなら、スプロケットのロー側を大きくするか、前のギアを小さくする余地があります。登りに必要な歯数の目安はスプロケットの選び方|ヒルクライムに要る歯数で、勾配と出力ごとに計算しています。
センサーなしでケイデンスを測る方法
ケイデンスセンサーがなくても、時計があれば自分の回転数はすぐに測れます。片方の足(たとえば右足)が一番下に来た回数を数えるだけです。
- 1
平坦で信号のない区間を選ぶ
一定のペースで 30 秒以上走れる場所で、いつもの速度まで上げておきます。
- 2
15 秒間、右足が下に来た回数を数える
サイコンや腕時計の秒表示を見ながら数えます。声に出さず、頭の中で 1, 2, 3…と数えれば十分です。
- 3
4 倍する
15 秒で 22 回なら 22 × 4 = 88rpm です。10 秒なら 6 倍、20 秒なら 3 倍します。
もう 1 つの方法は、ギアと速度から逆算することです。50×17・700×28C で 30km/h なら、30 × 1000 ÷ 60 ÷ 6.26 ≒ 80rpm と計算できます。スピードセンサーの値が正確であることが前提なので、タイヤ周長の設定はサイコンのタイヤ周長の設定値を見て合わせておきましょう。
ケイデンスを上げる練習のコツ
- ギアを 1〜2 段軽くする:同じ速度を保つには自然と回転が上がる。まずはいつもより 5〜10rpm 高い回転に慣れる
- 5rpm ずつ段階的に上げる:いきなり 90rpm を目指すとお尻が跳ねる。75→80→85 と数週間かけて上げる
- 短いインターバル:平地で 1 分だけ 100〜110rpm で回し、2 分休む、を数回繰り返す
- 引き足より「足首を固める」意識:踏み込みで足首が伸び縮みすると力が逃げる。円を描くより、下死点を素早く抜ける意識のほうがうまくいきやすい
- サドル高さを確認:高すぎると下死点で骨盤が揺れ、低すぎると膝が詰まって回転が上がらない
ケイデンスを上げるときは、出力を上げるのではなく、同じ出力のまま回転を上げてギアを軽くするのが目的です。心拍が急に上がりすぎるなら、ギアを軽くしすぎている合図です。
展開・ギアインチ・ゲインレシオの違い
ギアの重さを比べる指標はいくつかあります。どれもギア比を元にしていて、タイヤやクランクの違いをどこまで含めるかが違います。
| 指標 | 求め方 | 50×17・700×28C の値 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| ギア比 | 前 ÷ 後ろ | 2.94 | 同じタイヤどうしの比較 |
| 展開 | ギア比 × タイヤ周長 | 6.26m | 速度の計算・ピスト |
| ギアインチ | ギア比 × タイヤ直径(インチ) | 78.5in | 海外の資料・タイヤ違いの比較 |
| ゲインレシオ | タイヤ半径 ÷ クランク長 × ギア比 | 5.87(170mm) | クランク長の違いも含めた比較 |
ゲインレシオは、ペダルが描く円の動きに対してタイヤの外周がどれだけ動くかの比で、クランクが長いほど小さく(=軽く)なります。同じ 50×17 でも、クランク 165mm なら 6.04、175mm なら 5.70 です。クランク長を替えるときや、タイヤの大きさがまったく違う自転車どうしを比べるときに便利です。
よくある質問
- ケイデンス 90 で時速何 km 出ますか?
- ギアとタイヤで変わります。700×28C で 50×17 なら約 33.8km/h、50×21 なら約 27.4km/h、50×13 なら約 44.2km/h、34×28 なら約 14.0km/h です。速度 = ギア比 × タイヤ周長(m)× ケイデンス × 60 ÷ 1000 で計算できます。
- 時速 30km で走るにはケイデンスはいくつ必要ですか?
- 700×28C で 50×19 なら約 89rpm、50×17 なら約 80rpm、50×15 なら約 70rpm です。必要なケイデンスは、速度 × 1000 ÷ 60 ÷ 展開(m)で求められます。
- ロードバイクのケイデンスの目安はどれくらいですか?
- 平地の巡航では 80〜95rpm が一般的な目安です。乗りはじめは 70〜80rpm から慣らし、登り坂では 70〜85rpm を保てるギアを選ぶと脚が売り切れにくくなります。
- ケイデンスセンサーがなくても測れますか?
- 測れます。15 秒間に右足が一番下に来た回数を数えて 4 倍すれば、その時点のケイデンスです。ギアと速度がわかっていれば、速度 × 1000 ÷ 60 ÷ 展開で逆算することもできます。
- ケイデンスが高いほうが速く走れますか?
- 同じギアなら回転が高いほど速くなりますが、速さを決めるのは出力です。ケイデンスを上げる目的は、一回の踏み込みの力を小さくして脚の筋肉の疲れをためにくくすることです。自分が楽に回せる回転数で、狙った速度が出るギアを選ぶのが基本です。
この記事で紹介したツール
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