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画面の残像と目の残像の違い|焼き付きの見分け方と対処

「前に表示していた画面がうっすら残る」という現象には、ディスプレイ側で起きているものと、自分の目で起きているものがあります。原因が違えば対処もまったく変わり、直らないものを直そうとして時間を使うことになります。この記事では、どちら側で起きているかを切り分ける手順と、それぞれの対処をまとめます。

「残像」は画面側と目側で原因が違う

同じ「残像が見える」でも、光っているのが画面なのか、脳が作り出している像なのかで、まったく別の現象です。前者はディスプレイの性質や劣化の問題で、後者は目の仕組みによる一時的な反応です。まずはこの2つを分けて考えてください。

どちら側か起きていること目立つ場面
画面側前の表示が消えきらない、または画素が劣化して跡になる同じ画面を長時間出したあと、暗い背景に切り替えたとき
目側見続けた色や明るさに目が順応し、切り替えた直後だけ像が残る明るい光や強い色を見つめたあと、白い壁や暗い画面を見たとき

見分けの決め手は「視線を動かしたときに一緒に動くか」です。目側の残像は視線について回り、目を閉じても見えます。画面側の残像は画面上の同じ場所から動きません。この1点だけでも、ほとんどの場合は判別できます。

目で起きる残像には2種類ある

目の残像は、網膜の細胞が「直前まで見ていたもの」に順応した結果として出ます。順応の方向によって、見え方が2つに分かれます。

  • 正の残像:明るい光を短時間見たあと、同じ明るさ・同じ色の像がそのまま残るタイプです。カメラのフラッシュや、暗い部屋でスマートフォンを見たときに起きます。数秒で消えます。
  • 負の残像:一定時間見続けたあとに、明暗や色が反転した像が見えるタイプです。赤を見続けると青緑っぽい残像が、白を見続けると黒い残像が出ます。数秒から数十秒残ることがあります。

負の残像で反転した色として見えるのは、色に反応する錐体細胞のうち、見続けた色に反応する側の感度が一時的に下がるためです。その状態で白い面を見ると、感度が落ちていない側の反応が相対的に強くなり、もとの色の反対側の色が浮かびます。これは故障でも異常でもなく、順応という正常な働きの副作用です。

画面で起きる残像は3種類に分けられる

画面側の残像は、原因によって「直せるもの」「時間で消えるもの」「元に戻らないもの」に分かれます。ここを取り違えると、消えないものをいつまでも待つことになります。

種類何が起きているか元に戻るか
応答速度による尾引き液晶の画素が切り替わりきる前に次の映像が来て、動くものが尾を引く設定と表示内容しだい。静止画では起きない
イメージリテンション(一時的な保持)同じ画面を長時間表示した直後、薄く跡が残る別の映像を流したり電源を切って時間を置くと消えることが多い
焼き付き(バーンイン)有機ELなどで、光り続けた画素の劣化に差が出て跡が固定する基本的に戻らない。予防が中心になる
  • 尾引きは、ゲームや動画など動きの速い映像でだけ気になります。静止画で残るなら別の原因です。
  • イメージリテンションは、同じウィンドウ配置で何時間も作業したあと、暗い背景に切り替えた瞬間に気づくことが多い症状です。
  • 焼き付きは、いつも同じ位置に出るもの(タスクバー、テレビ局のロゴ、ゲームの体力ゲージ、地図アプリのボタン)の形で残ります。輪郭が「ものの形」になっているのが特徴です。

スマートフォンやテレビの有機ELパネルは、画素そのものが発光する構造のため、表示時間の偏りがそのまま明るさの差になります。一方で一般的な液晶は、バックライトの光を通す量を変える方式なので、恒久的な焼き付きは起きにくく、多くは一時的なイメージリテンションで済みます。

どちら側かを切り分ける手順

上から順に試すと、数分で判別できます。買い替えを検討する前に必ず通してください。

  1. 1

    視線を動かす

    残像を見ながら、視線を画面の別の場所へゆっくり動かします。残像が視線について回るなら目側です。画面上の元の位置にとどまるなら画面側です。

  2. 2

    目を閉じる、または別の場所を見る

    目を閉じても像が見えるなら目側で確定です。壁や天井など、画面以外の明るい面を見たときに同じ像が出る場合も目側です。

  3. 3

    30秒ほど目を休めてから見直す

    目側の残像は時間で消えます。窓の外など遠くを見て休憩し、戻ってきたときに消えていれば目側でした。

  4. 4

    単色を全画面で表示する

    白一色、次に薄いグレー、最後に赤・緑・青の順で全画面表示します。画面側の残像は、この単色の中に模様や文字の跡として浮かびます。グレー表示がいちばん見つけやすい組み合わせです。

  5. 5

    別の端末や別の入力で同じ画面を出す

    同じ画像を別のモニターやスマートフォンで表示し、跡が出るかを見ます。片方だけに出るなら、そのディスプレイの問題です。両方に出るなら、画像そのものか目側を疑います。

画面側だったときの対処と予防

症状まず試すこと
動く映像だけ尾を引くモニターの応答速度(オーバードライブ)設定を1段階上げる。上げすぎると輪郭が二重に見えるので中間を選ぶ
静止画の跡が薄く残る電源を切って数時間置く。動きのある映像を全画面で数十分流すのも有効
跡が固定して消えないパネルリフレッシュ機能があれば実行する。改善しない場合は焼き付きとして扱い、表示位置を変えて運用する
特定の色だけおかしいケーブルと入力端子を替えて試す。ケーブル不良や接触不良のことがある

予防のほうが確実です。焼き付きは「同じ画素を、明るく、長時間」光らせ続けたときに進みます。この3条件のどれかを崩す設定を入れておきます。

  • 画面の自動オフを短めにします。席を外すたびに消えるだけで、累積の表示時間が大きく変わります。
  • 輝度を必要以上に上げません。明るい部屋でだけ上げ、夜は下げる運用にします。
  • ダークモードを使うと、有機ELでは光る画素そのものが減ります。
  • ピクセルシフト(画面をわずかにずらす機能)があれば有効にします。テレビや一部のモニターに搭載されています。
  • タスクバーやドックの自動的に隠す設定を使い、固定表示の要素を減らします。
  • 同じ静止画を何時間も出したままにしないでください。資料を映しっぱなしにする用途では、スクリーンセーバーを必ず設定します。

目側だったときの休ませ方

目の残像そのものは自然に消えます。頻繁に出る場合は、消し方より「出にくくする」ほうに手を打ちます。

  • 一定時間ごとに遠くを見ます。20分ごとに6メートルほど先を20秒見る、という目安がよく紹介されます。時間を測るより、区切りごとに窓の外を見る習慣にするほうが続きます。
  • 画面と部屋の明るさの差を減らします。暗い部屋で明るい画面を見る状態がいちばん残像が出やすくなります。
  • コントラストの強い配色を長時間見続けないようにします。白背景に真っ黒な文字より、少し落とした濃さのほうが負担が減ります。
  • まばたきの回数を意識します。画面を注視していると回数が減り、乾きが見えづらさにつながります。

作業を区切る仕組みを入れると、休憩そのものを忘れなくなります。25分の作業と5分の休憩を繰り返すポモドーロ・テクニックのような区切り方は、目を休める用途とも相性がよい方法です。区切り方の具体的な手順はポモドーロ・テクニックのやり方、目の疲れが引かない場合の見分け方は画面で目が疲れるときの対処で扱っています。

よくある質問

画面の残像と目の残像を、いちばん簡単に見分ける方法は?
視線を動かしてみてください。残像が視線について回る、または目を閉じても見えるなら目側です。画面上の同じ位置から動かないなら画面側です。さらに確かめるなら、薄いグレーを全画面表示します。画面側の残像はグレーの中に跡として浮かび、目側の残像は数十秒で消えます。
液晶モニターでも焼き付きは起きますか?
一般的な液晶はバックライトの光を通す量を変える方式のため、有機ELのような恒久的な焼き付きは起きにくい構造です。ただし同じ画面を長時間表示したあとに薄い跡が残る「イメージリテンション」は起こり得ます。これは電源を切って時間を置いたり、動きのある映像を流したりすると消えることがほとんどです。
有機ELの焼き付きは直せますか?
画素の劣化そのものは元に戻らないため、完全に直すことは基本的にできません。機器にパネルリフレッシュのような補正機能があれば軽減できる場合があります。現実的な対策は予防で、輝度を下げる、画面の自動オフを短くする、ダークモードやピクセルシフトを使う、固定表示の要素を減らす、といった設定が効きます。
残像が見えるのは目が悪くなっているからですか?
明るいものや強い色を見たあとに一時的な残像が出るのは、目の順応による正常な反応です。色の残像錯視として遊びに使えるほど、誰にでも起きます。ただし、片目だけに見える、視野が欠ける、光が走って見える、といった症状を伴う場合や、残像が長く残る状態が続く場合は別の話なので、眼科で相談してください。

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