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箱の展開図の書き方|内寸・外寸の決め方と紙の厚みを足す寸法計算、A4で作れる最大サイズ

手作りの箱が「中身が入らない」「蓋が閉まらない」「角がずれて組み上がらない」となる原因のほとんどは、展開図の寸法の決め方にあります。中に入れる物の大きさをそのまま面の寸法にすると、紙の厚みのぶんだけ内側が狭くなり、のりしろや差し込みの長さもあいまいなままでは形が崩れます。この記事では、展開図を書く前に決める 3 つの数字、内寸・外寸・面の寸法の違い、紙の厚みを足す計算、キャラメル箱(両端差し込み)の展開図の各部の寸法と全体の大きさの出し方、紙の種類ごとの厚みの目安、A4 などの用紙 1 枚で作れる箱の最大サイズまでを、実際の数字つきでまとめます。

展開図を書く前に決める3つの数字

箱の展開図は、いきなり紙に線を引き始めるとたいてい失敗します。先に次の 3 つの数字を決めておくと、あとは計算どおりに線を引くだけになります。

  • 内寸(幅・奥行・高さ):箱の内側の大きさ。「中に入れる物が入る大きさ」で、すべての計算の出発点です。
  • 紙の厚み:コピー用紙なら約 0.1mm、ケント紙なら約 0.25mm、工作用紙なら約 0.45mm。0.1mm 単位の差でも、折る回数が多い箱では効いてきます。
  • のりしろの幅:貼り合わせる部分の幅。小さな箱で 7〜8mm、手のひらサイズで 10mm、大きな箱で 12〜15mm が作りやすい目安です。

初心者がよくやるのは、入れたい物の寸法を「箱の大きさ」としてそのまま面に使ってしまうことです。これだと内寸が物とぴったり同じになり、紙の厚みのぶんだけ入らなくなります。まず「物の大きさ+ゆとり=内寸」と決め、そこから面の寸法を出す、という順番を守るのがいちばんのコツです。

内寸・外寸・面の寸法の違いと「紙の厚みを足す」理由

紙は薄く見えても厚みがあります。紙を折ると、折り目は紙の厚みのほぼ真ん中にできるので、折り目から折り目までの長さ(展開図に書く面の寸法)は、内側の長さより厚みの半分×2、つまり厚み 1 枚ぶん長くなります。反対に、外側から測った外寸は、内寸に両側の壁の厚み(厚み×2)を足した大きさになります。

寸法意味計算名刺 100 枚の箱(ケント紙 0.25mm)
内寸箱の内側の大きさ物の大きさ+ゆとり57 × 22 × 93mm
面の寸法展開図に書く折り目から折り目まで内寸+紙の厚み57.25 × 22.25 × 93.25mm
外寸外側から測った大きさ内寸+紙の厚み×257.5 × 22.5 × 93.5mm

ケント紙なら差は 0.25mm と小さく見えますが、工作用紙(約 0.45mm)で作る箱や、身に蓋をかぶせる箱では、この差の積み重ねで「きつくて入らない」「蓋が閉まらない」が起こります。とくに蓋や外箱は、中の箱の外寸に合わせて作る必要があるので、内寸と外寸を区別しておくことが欠かせません。蓋を何ミリ大きくするかの計算はかぶせ蓋の箱の作り方|蓋は身より何ミリ大きく?で詳しく扱っています。

キャラメル箱(両端差し込み)の展開図の各部の寸法

いちばんよく作られる、上下を差し込みで閉じるキャラメル箱を例に、展開図の各部の寸法を見ていきます。横一列に「うしろ・よこ・まえ・よこ・のりしろ」と 4 つの面を並べ、上の蓋はうしろの面、底はまえの面につけます(上下で反対の面につけるので、蓋どうしがぶつからない形です)。W・D・H を内寸、t を紙の厚みとすると、各部は次のとおりです。

部分寸法名刺 100 枚の箱の例
まえ・うしろの面(W+t)×(H+t)57.25 × 93.25mm
よこの面(D+t)×(H+t)22.25 × 93.25mm
上の蓋・底(W+t)×(D+t)57.25 × 22.25mm
差し込み(蓋の先)奥行の約 6 割(6〜25mm)13mm
横の小さなフラップ幅の 45%・奥行の 75% のうち小さいほう約 16.7mm
のりしろ10mm 前後(奥行や高さが小さければ縮める)10mm

差し込みは短すぎると蓋がすぐ開き、長すぎると奥まで入らず蓋が浮きます。奥行の 6 割くらいが、差し込んだときに手前の壁にしっかり当たって止まる長さです。差し込みの両肩は斜めに少し落とし、根元の角を小さく切り込んでおくと、抜き差ししても破れにくくなります。

展開図全体の大きさは、横が「(W+t)×2+(D+t)×2+のりしろ」、縦が「(H+t)+(D+t)×2+差し込み×2」です。名刺 100 枚の箱なら横 57.25×2+22.25×2+10=169.0mm、縦 93.25+22.25×2+13×2=163.75mm で、A4(210×297mm)にも B5(182×257mm)にも収まります。紙にどう置くかを決める前に、この 2 つの数字を出しておくと失敗しません。

紙の種類ごとの厚みの目安と選び方

紙厚みの目安特徴
コピー用紙0.1mm65〜70kg。折りやすいが柔らかく、型紙の試作向き
画用紙0.2mm四つ切りの画用紙・上質紙 135kg 程度。小さな箱に
ケント紙0.25mm180kg 前後。角がきれいに出て、プリンターにも通しやすい
厚口の画用紙0.35mm220kg 前後・薄いボール紙。しっかりした箱に
工作用紙0.45mm方眼つき・板目紙。丈夫だが折り目に筋入れが必須

紙の厚さは「kg(連量)」や「g/㎡(坪量)」で書かれていることが多く、同じ数字でも紙の種類で厚みは少し変わります。手元に紙があるなら、10 枚重ねて定規やノギスで測り、10 で割ると 1 枚の厚みがかなり正確に分かります。家庭用プリンターは 0.3mm 前後までの紙なら通ることが多いですが、機種によって上限が違うので、厚い紙は手差しトレイから 1 枚ずつ入れるのが安心です。

A4などの用紙1枚で作れる箱の最大サイズ

展開図は箱の外寸よりずっと大きく広がるので、「A4 1 枚でどこまで大きな箱が作れるか」は意外と小さくなります。下の表は、紙の厚み 0.25mm・のりしろ 10mm、用紙の端から 5mm を余白として空けた条件で、立方体(幅・奥行・高さが同じ)の箱を 1 枚に収めたときの最大の一辺(内寸)です。かぶせ蓋は高さの 3 分の 1 の浅い蓋で、身と蓋を 1 枚に並べた場合です。

用紙キャラメル箱かぶせ蓋の箱引き出し箱ピローボックス
はがき(100×148)21mm27mm20mm56mm
B5(182×257)40mm50mm41mm107mm
A4(210×297)49mm59mm48mm125mm
レター(216×279)51mm55mm49mm128mm
B4(257×364)65mm73mm59mm154mm
A3(297×420)78mm85mm69mm179mm

立方体はいちばん展開図が広がる形なので、細長い箱ならもっと大きく作れます。たとえば名刺 100 枚の箱と同じ形のまま大きくすると、A4 1 枚で内寸 69×26×113mm まで作れます。ピローボックスの数字は幅・長さ・厚みを同じ数にしたときのもので、曲線の深さは幅の 30% までに抑えています(曲線の計算はピローボックスの展開図と作り方で解説しています)。これより大きな箱は、A3 に印刷するか、面ごとに分けて印刷して貼り合わせます。

展開図を書いて組み立てるまでの手順

  1. 1

    入れる物を測って内寸を決める

    幅・奥行・高さをそれぞれ測り、ゆとり 1〜2mm を足します。カードや紙の束は、枚数ぶんの厚みを実際に重ねて測るのが確実です。

  2. 2

    紙の厚みを決めて面の寸法を出す

    使う紙の厚みを内寸に足して、面の寸法にします。外寸も一緒にメモしておくと、蓋や外箱を作るときに使えます。

  3. 3

    展開図全体の大きさを計算し、用紙を決める

    キャラメル箱なら横=(W+t)×2+(D+t)×2+のりしろ、縦=(H+t)+(D+t)×2+差し込み×2。余白 5mm を除いた用紙に収まるかを確かめます。

  4. 4

    切り取り線は実線、折り線は点線で書く

    面と面がつながる辺が折り線、外周が切り取り線です。手書きなら方眼の工作用紙を使うと直角が簡単に取れます。

  5. 5

    折り線に筋を入れてから折る

    定規を当て、インクの出ないボールペンや鉄筆で折り線をなぞってから折ると、厚い紙でも角がまっすぐ出ます。

  6. 6

    のりしろを内側に貼って組み立てる

    両面テープかボンドを薄くつけ、乾くまでクリップで押さえます。差し込みの蓋は、横のフラップを先に折ってから閉じます。

パソコンやスマホで作るなら、箱の展開図メーカーに内寸と紙の種類を入れるだけで、ここまでの計算をすべてした展開図がその場で描けます。印刷するときは倍率を「100%」「実際のサイズ」にしてください。「用紙に合わせる」が入っていると数%縮んで、計算した寸法がずれてしまいます。くわしくは実寸で印刷する方法を見てください。

よくある質問

箱の展開図はどうやって寸法を決めればいいですか?
まず中に入れる物の大きさにゆとり 1〜2mm を足して内寸を決め、そこに紙の厚みを足した長さを各面の寸法にします。キャラメル箱なら、まえ・うしろは(幅+厚み)×(高さ+厚み)、よこは(奥行+厚み)×(高さ+厚み)、蓋と底は(幅+厚み)×(奥行+厚み)です。
内寸と外寸はどう違いますか?
内寸は箱の内側の大きさ、外寸は外側から測った大きさで、外寸=内寸+紙の厚み×2 です。中身が入るかは内寸、蓋や外箱に入るかは外寸で決まるので、両方を区別して計算します。
展開図に紙の厚みは足さないといけませんか?
コピー用紙(約 0.1mm)の小さな箱なら足さなくてもほぼ問題ありませんが、ケント紙や工作用紙では足したほうが確実です。とくに蓋をかぶせる箱や引き出し箱は、厚みを入れずに作ると、きつくて入らないことがよくあります。
A4の紙1枚でどのくらいの大きさの箱が作れますか?
紙の厚み 0.25mm・のりしろ 10mm で立方体にした場合、キャラメル箱で一辺約 49mm、浅いかぶせ蓋の箱で約 59mm、引き出し箱で約 48mm が最大です。細長い形なら大きくでき、名刺入れの形なら内寸 69×26×113mm まで A4 1 枚に収まります。
キャラメル箱の差し込みは何ミリにすればいいですか?
奥行の 6 割くらいが目安です。奥行 20mm の箱なら 12mm 前後、奥行 30mm の箱なら 18mm 前後にすると、差し込んだ蓋が手前の壁に当たって止まり、開きにくくなります。差し込みの両肩は斜めに落としておくと入れやすくなります。

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