勾配の%と角度の換算|10%は何度?計算式と早見表
坂道の標識の「10%」、スロープの「1/12」、屋根の「4寸」、床の「6/1000」。勾配は場面によって書き方がばらばらで、比べようとすると戸惑います。この記事では、勾配の5つの表し方の関係、% と角度を換算する式、%・1/n・千分率・角度の早見表、道路や鉄道で使われる勾配の目安、Excel や関数電卓での計算方法をまとめます。
勾配の5つの表し方と、使われる場面
勾配の書き方は違っても、表しているのはどれも「水平に進んだ長さに対して、どれだけ高さが変わるか」という同じ割合です。分野ごとに使いやすい書き方が定着しているだけなので、1つの値(高さ÷水平)に直せば、すべて相互に換算できます。
| 表し方 | 意味 | 例 | よく使われる場面 |
|---|---|---|---|
| 角度(度) | 水平面となす角 | 5.71° | 測量・機械・スキー場の斜度 |
| %(パーセント) | 高さ÷水平×100 | 10% | 道路の坂・駐車場のスロープ |
| 寸勾配 | 水平10に対する高さ | 1寸 | 屋根 |
| 1/n(分の1) | n進んで1上がる | 1/10 | スロープ・排水管・水勾配 |
| 千分率(‰・mm/m) | 高さ÷水平×1000 | 100‰ | 鉄道・床の傾き・排水 |
上の表の例はすべて同じ傾きです。10%の坂は、1寸勾配の屋根と同じで、1/10のスロープとも、100‰の線路とも同じ傾きです。角度にすると約5.71°になります。
% と角度を換算する式
まず勾配を「高さ÷水平」の値(ここでは勾配値と呼びます)にそろえます。10%なら0.1、1/12なら0.0833…、4寸なら0.4、6/1000なら0.006です。そこから各表し方へは次の式で移れます。
| 求めたいもの | 勾配値から | 例(勾配値0.1) |
|---|---|---|
| 角度 | arctan(勾配値) | 5.71° |
| % | 勾配値×100 | 10% |
| 寸勾配 | 勾配値×10 | 1寸 |
| 1/n の n | 1÷勾配値 | 1/10 |
| 千分率(mm/m) | 勾配値×1000 | 100‰(1mで100mm) |
角度から勾配へ戻すときは tan を使い、勾配値=tan(角度) です。たとえば5°は tan(5°)≒0.0875 なので約8.75%、1/11.4 になります。
100%は90°ではなく45°になる理由
「100%の坂」と聞くと垂直の壁を想像しがちですが、100%は高さと水平が同じ傾きなので45°です。垂直(90°)は水平に進まずに上がるので、%で表すと無限大になります。% と角度は比例せず、急になるほど%だけが大きく増えていきます。
ただし、10%(約5.7°)くらいまでの緩い勾配なら、ほぼ比例とみなせます。1°はおよそ1.75%なので、「角度×1.75≒%」「%÷1.75≒角度」で暗算できます。3°なら約5.2%(正しくは5.24%)、8%なら約4.6°(正しくは4.57°)です。20%を超えるあたりから誤差が目立つので、正確に知りたいときは式か早見表を使ってください。
% から角度・1/n・千分率への早見表
| % | 角度 | 1/n | 1mあたり | 身近な例 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 0.29° | 1/200 | 5mm | 太い排水管の最小勾配 |
| 1% | 0.57° | 1/100 | 10mm | 排水管(管径75・100mm)・土間の水勾配 |
| 2% | 1.15° | 1/50 | 20mm | 細い排水管・ベランダの水勾配 |
| 5% | 2.86° | 1/20 | 50mm | ゆるやかで歩きやすいスロープ |
| 6.67% | 3.81° | 1/15 | 66.7mm | 屋外スロープの誘導基準 |
| 8.33% | 4.76° | 1/12 | 83.3mm | スロープの義務基準 |
| 10% | 5.71° | 1/10 | 100mm | 急勾配の標識でよく見る坂 |
| 12.5% | 7.13° | 1/8 | 125mm | 階段に代わる傾斜路の上限 |
| 17% | 9.65° | 1/5.9 | 170mm | 駐車場の車路の上限 |
| 20% | 11.31° | 1/5 | 200mm | 2寸勾配の屋根 |
| 30% | 16.70° | 1/3.3 | 300mm | 3寸勾配の屋根 |
| 50% | 26.57° | 1/2 | 500mm | 5寸勾配の屋根 |
| 100% | 45.00° | 1/1 | 1000mm | 矩勾配の屋根 |
床の傾きのようなごく小さい勾配は、千分率で読むのが便利です。3/1000は約0.17°、6/1000は約0.34°、10/1000(1/100)は約0.57°です。
道路・鉄道・駐車場で使われる勾配の目安
道路の上り下りの傾き(縦断勾配)は、道路構造令で設計速度ごとに上限が決められています。速く走る道路ほど緩やかにする決まりで、地形の都合でやむを得ないときは特例値まで認められます。
| 設計速度 | 縦断勾配の上限 | 特例値 | 角度(上限) |
|---|---|---|---|
| 120km/h | 2% | 5% | 約1.15° |
| 100km/h | 3% | 6% | 約1.72° |
| 80km/h | 4% | 7% | 約2.29° |
| 60km/h | 5% | 8% | 約2.86° |
| 40km/h | 7% | 10% | 約4.00° |
| 20km/h | 9% | 12% | 約5.14° |
- 道路標識:「上り急勾配あり」「下り急勾配あり」の標識には10%のように%で勾配が書かれます。自転車で10%の坂を上るのはかなりきつく感じます。
- 駐車場:駐車場法施行令では、一定規模以上の路外駐車場の車路の傾斜は17%(約9.65°)以下とされています。
- 鉄道:鉄道は‰(パーミル)で表し、一般的な路線では数‰〜30‰ほどです。箱根登山鉄道の80‰(約4.6°)は、レールと車輪の摩擦で走る普通の鉄道として国内で最も急な勾配として知られます。
Excel・関数電卓・スマホで計算する方法
| やりたいこと | Excel・スプレッドシートの式 | 関数電卓 |
|---|---|---|
| %→角度(A1に%) | =DEGREES(ATAN(A1/100)) | tan⁻¹(%÷100)、DEGモードで |
| 角度→%(A1に角度) | =TAN(RADIANS(A1))*100 | tan(角度)×100 |
| 1/n→角度(A1にn) | =DEGREES(ATAN(1/A1)) | tan⁻¹(1÷n) |
| 高さと水平→角度 | =DEGREES(ATAN2(水平,高さ)) | tan⁻¹(高さ÷水平) |
Excel の ATAN や TAN はラジアンで計算するので、DEGREES・RADIANS で度に直すのを忘れないようにします。関数電卓では、角度の単位が DEG(度)になっているか確かめてから計算してください。RAD のままだと、まったく違う値になります。
勾配の換算を一度に済ませる
勾配・角度計(スマホ水平器)の「勾配を換算する」タブでは、度・%・寸・1/n・千分率のどれか1つを入れると、残りの表し方と伸び率をまとめて表示し、床・排水・スロープ・駐車場の基準と比べた結果も示します。「勾配の早見表」タブには寸勾配・%・1/n・角度から引ける一覧があり、スマホで開けば、目の前の坂や台の傾きをその場で測って%や角度で読めます。
屋根の寸勾配は寸勾配は何度?角度と伸び率の早見表、スロープの 1/12 に必要な長さはスロープ1/12の長さは?段差別の早見表、排水管の 1/100 は排水勾配1/100は何ミリ?で詳しく扱っています。
よくある質問
- 10%の勾配は何度ですか?
- 約5.71°です。角度=arctan(10÷100) で求めます。1/10、1寸勾配、100‰(1mで100mm)と同じ傾きです。
- 100%の勾配は垂直ですか?
- いいえ、45°です。100%は水平に進んだ長さと同じだけ上がる傾きです。垂直の90°は、%で表すと無限大になります。
- 角度から%に直すにはどうしますか?
- %=tan(角度)×100 で求めます。1°は約1.75%、5°は約8.75%、30°は約57.7%です。緩い勾配なら「角度×1.75」でおおよその値を暗算できます。
- 1/12 は何%ですか?
- 約8.33%で、角度は約4.76°です。1÷12×100 で求めます。1/15は約6.67%、1/20は5%、1/100は1%です。
- ‰(パーミル)とは何ですか?
- 千分率のことで、高さ÷水平×1000 で表します。1mあたり何mm上がるかと同じ数字になるので、10‰は1mで10mm、つまり1%・1/100です。鉄道の勾配や床の傾きでよく使われます。
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