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ロゴのリニューアルはいつ必要?|判断基準と差し替え作業のリスト

「そろそろロゴを新しくしたい」と思ったとき、最初に決めるべきは新しいデザインではなく、本当に変える必要があるかどうかです。この記事では、ロゴを変える理由になるもの・ならないものを整理し、変えると決めたあとに発生する差し替え作業と、用意しておくファイルの一式をまとめます。

ロゴを変える理由になるもの

ロゴの刷新は、デザインの好みではなく「今のロゴでは説明できないことが増えた」ときに検討するものです。理由は大きく4つに分けられ、どれに当てはまるかで、変える範囲も変わります。

きっかけ内容変える範囲の目安
事業の中身が変わった扱う商品や対象の顧客が、ロゴを作った当時と別のものになっている図案・名称ごと見直す
表示される場所が変わった紙より画面での露出が増え、小さく表示すると読めない・つぶれる図案は残して細部を整理する
組織が変わった社名変更、合併、事業の分社化などで名称と実体がずれている名称の表記から作り直す
見た目が古びた色や書体が当時の流行に強く寄っていて、今の資料に置くと浮く色と書体だけ差し替える

このうち、費用に対して効果が読みやすいのは2番目です。近年、自動車メーカーやアプリで、立体的で影のついたロゴが平面的な線のロゴに置き換わる例が続きましたが、あれは流行というより、小さな画面とアプリアイコンで成立させるための現実的な調整という側面があります。

変えないほうがよい場合

ロゴは、見た人が「あの会社だ」と結びつけられるようになって初めて資産になります。変えるということは、それまで積み上げた結びつきを一度リセットすることでもあります。次のような理由だけで動くのは危険です。

  • 飽きた:作った側は毎日見ているので早く飽きますが、顧客が目にする回数はその何十分の一です。判断の基準を自分の飽きに置かないでください。
  • 売上が落ちている:ロゴが原因で選ばれなくなることは、ほとんどありません。商品・価格・見つけやすさを先に確認します。
  • 他社が変えた:他社の刷新には、その会社側の事情があります。同じ理由が自社にあるかは別の話です。
  • 新しい担当者が就任した:担当が代わるたびに変わるロゴは、外から見ると「落ち着かない会社」に見えます。

「古びて見えるが、認知は捨てたくない」という場合は、ロゴの形はそのままにして、使い方のルールだけ整えるという選択もあります。色の指定、余白の取り方、背景が暗いときの版、禁止事項(変形・影・回転)を1枚にまとめるだけでも、資料やSNSでの見え方はかなり揃います。

画面で使うために満たしたい条件

刷新するかどうかに関わらず、今のロゴが次の条件を満たしているかは確認しておく価値があります。満たしていない項目が多いほど、実務での作業が増えます。

  • 小さくしても判別できる:ブラウザのタブに出るファビコンは16〜32ピクセル相当です。文字が細い、要素が多いロゴはこの大きさで潰れます。
  • 正方形に収まる:SNSやアプリのアイコンは正方形か円形です。横長のロゴしかないと、マークだけを切り出した別バージョンが必要になります。
  • 白黒でも成立する:FAX、モノクロ印刷、刻印、透かしなど、色を使えない場面は今も残っています。色の差だけで意味を持たせている図案は、白黒にすると崩れます。
  • 明るい背景でも暗い背景でも見える:ダークモードの画面では、黒い文字のロゴがそのままでは消えます。白抜き版を用意しておきます。
  • 余白が確保できる:ロゴの周囲には、他の要素を置かない余白を決めておきます。文字の高さぶんなど、基準を決めておくと迷いません。

これらは新しいロゴを作るときの要件にもなります。デザイン案を見せてもらう段階で、大きく引き伸ばした状態だけでなく、ファビコンサイズと白黒版を並べて確認してください。きれいに見えるのは大きく表示したときで、実際に人が目にするのは小さいときのほうです。

差し替えが必要になる場所

刷新の費用として見落とされやすいのが、デザイン料ではなく差し替え作業です。どこにロゴが入っているかを先に洗い出すと、判断が現実的になります。

区分差し替える対象注意点
Webサイトのヘッダー、ファビコン、OGP画像、メールの署名OGP画像はSNS側にしばらく古い画像が残ることがある
アプリ・SNSアプリアイコン、各SNSのプロフィール画像、カバー画像アカウントごとに推奨サイズが違うため書き出しが増える
印刷物名刺、封筒、伝票、パンフレット、パッケージ在庫を使い切る時期と、切り替え日をどう合わせるか
書類見積書・請求書のテンプレート、提案資料の表紙テンプレートの所在が分散していると漏れやすい
物理看板、車両、ユニフォーム、備品費用と工期が最も大きい。段階的に進めることが多い
外部取引先サイトの掲載、地図サービス、求人媒体自社では直せないため、依頼の手間がかかる

小さな事業でも、この表を埋めていくと20か所前後になるのが普通です。全部を同日に切り替えるのは現実的ではないので、優先順位を決めます。目につく順に並べると、サイト・SNS・名刺が先で、看板や備品は在庫や更新のタイミングに合わせる、という形になります。

用意しておくファイル一式

納品時に受け取るファイルが足りないと、あとから毎回デザイナーに依頼することになります。最低限、次の形で手元に置いておくと運用が楽になります。

  • 拡大しても劣化しない原本データ:看板や大判印刷はここから作ります。編集できる形式のまま保管してください。
  • 背景が透明なPNG:資料やサイトに置くときの標準形です。横長版と正方形版の両方を用意します。
  • 白抜き版と黒一色版:暗い背景用と、色を使えない場面用です。
  • 小さいサイズの書き出し:ファビコン用と、SNSのプロフィール画像用。縮小してから輪郭が潰れていないか確認します。
  • 使用ルールを書いた1枚:色の指定、最小サイズ、余白、禁止事項。社内と外注先に同じものを渡します。

透過PNGをそのまま使えない提出先もあります。フォーマット変換ツールでJPEGに変換すると、透明だった部分は白で塗りつぶされます。背景が白い資料ならそのまま使えますが、色のついた背景に置く予定なら透過PNGのまま渡してください。WebPはファイルサイズを小さくできますが、古い環境では開けないことがあるため、送付用にはPNGかJPEGを選ぶのが無難です。

切り替えの進め方

  1. 1

    使用箇所を洗い出す

    前の表を使って、実際にロゴが入っている場所を一覧にします。この時点で作業量と費用の見積もりが出るので、刷新するかどうかの最終判断はここで行います。

  2. 2

    切り替え日を決める

    サイトとSNSは同日に、印刷物は在庫を使い切ってから、という形で区切ります。日をまたいで新旧が混ざる期間は必ず生じるので、どこまでを許容するか先に決めておきます。

  3. 3

    ファイル一式を受け取り、置き場所を1か所に決める

    共有フォルダに最新版だけを置き、旧ロゴは別フォルダに移します。手元のデスクトップに残った古いファイルが使われるのが、いちばん多い事故です。

  4. 4

    先に社内で使い始める

    資料のテンプレートやメール署名を切り替え、社内で数日使ってみます。書き出しが足りないサイズや、背景色との相性の問題はここで見つかります。

  5. 5

    公開して、理由を短く伝える

    サイトとSNSを切り替え、なぜ変えたのかを一言添えます。凝った説明は不要で、「事業の範囲が広がったため」程度で十分です。何も言わずに変えると、別の会社と間違われることがあります。

  6. 6

    旧ロゴの掲載を回収する

    取引先のサイトや地図サービス、求人媒体など、自社で直せない場所に依頼を出します。ここが最後まで残るので、リストにして消し込みます。

刷新の効果は、公開直後ではなく、新しい形を何年も出し続けたあとに出ます。切り替えたあとに図案を細かく直し続けると、そのぶん認知の積み上げが止まります。公開したら、しばらく触らないと決めておくのが現実的です。

よくある質問

ロゴは何年くらいで変えるものですか?
年数で決めるものではありません。長く同じロゴを使い続けている企業のほうが、覚えられているという意味では有利です。事業内容や社名が変わった、画面表示で成立しなくなった、といった具体的な不都合が出たときに検討してください。見た目が古いだけであれば、色と書体の使い方を整えるだけで済むこともあります。
ロゴを変えると顧客に気づかれなくなりませんか?
大きく形を変えれば、その可能性はあります。だからこそ、色や形の特徴のうち何を残すかを先に決めます。配色を保つ、マークの輪郭を保つ、といった手がかりを1つ残すだけでも結びつきは維持されます。あわせて、切り替え時に短い告知を出し、旧ロゴの掲載を回収しておくと混乱が減ります。
リブランディングとロゴの変更は同じ意味ですか?
同じではありません。リブランディングは、誰に何を届ける会社なのかという位置づけを見直す作業で、ロゴの変更はその結果として起きる表現の一部です。位置づけを変えないままロゴだけを新しくしても、外から見える変化は見た目だけになります。逆に、位置づけを見直した結果、ロゴはそのままでよいと判断することもあります。
ロゴのデータはどの形式でもらっておけばよいですか?
拡大しても劣化しない原本データに加えて、背景が透明なPNG、白抜き版、黒一色版、小さいサイズの書き出しを受け取っておくと、社内でほぼ完結します。提出先が透過に対応していない場合は、フォーマット変換ツールでJPEGに変換できますが、透明部分は白で塗られる点に注意してください。

この記事で紹介したツール

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