使い方ガイド公開日 読了目安 約8

タイムブロッキングのやり方|作業時間を先に予定に入れて守る

タスクリストは埋まっているのに、1日が終わると何も進んでいない。原因の多くは「やること」を決めて「いつやるか」を決めていないことにあります。この記事では、カレンダーに作業時間を先に確保するタイムブロッキングの手順と、崩れたときの戻し方をまとめます。

タイムブロッキングとは

タイムブロッキングは、カレンダーに作業そのものを予定として入れ、時間を先に確保する方法です。会議だけがカレンダーに入っている状態では、空いている時間はすべて「誰でも入れられる時間」になります。作業を予定として置くと、そこが埋まっている時間に変わります。

方法決めること崩れ方
タスクリスト何をやるか全部残る。優先順位を毎回ゼロから考える
締切管理いつまでにやるか締切の直前に集中して溢れる
タイムブロッキングいつ、どれだけやるか見積りを外すと当日ずれる
ポモドーロどう区切って進めるか枠の中の進め方には効くが、枠は作られない

この4つは競合しません。タスクリストで候補を出し、タイムブロッキングで枠を取り、その枠の中の進め方をポモドーロで区切る、という組み合わせが噛み合います。うまくいかないときは、どの層が欠けているのかを見てください。「何をやるかは決まっているのに進まない」なら、足りていないのは枠です。

組み方の手順

  1. 1

    動かせない予定を先に埋める

    会議、通勤、食事、睡眠。動かせないものを1週間ぶん置くと、実際に使える時間が見えます。ここを飛ばして作業枠から入れると、必ず現実と合いません。

  2. 2

    タスクを時間の単位に直す

    「資料を作る」ではなく「資料の構成を決める(60分)」にします。所要時間が言えないタスクは、分解が足りていないか、何をすれば終わりかが決まっていません。分解が先です。

  3. 3

    大きい枠を1日1つ確保する

    90〜120分の途切れない枠を1日1つ置きます。考える作業は立ち上がりに時間がかかるため、15分の隙間をいくつ集めても代わりになりません。午前にこの枠を置ける日は、そこを最優先にします。

  4. 4

    1日の3割を空けておく

    見積りは短く出るのが普通です。すべての時間を埋めると、1つ崩れた瞬間に全部がずれます。空白は無駄ではなく、当日の変化を吸収する装置として置いてください。

  5. 5

    前日の終わりに翌日を組む

    朝に組むと、組む作業そのものが朝の時間を食います。前日の終わりに15分取って翌日を置くと、始業と同時に動けます。

  6. 6

    終わったら実績に書き換える

    予定どおりにいかなかった枠は、実際に使った時間に上書きします。見積りの精度は記録からしか上がりません。この1手間があるかどうかで、2週目以降の精度が変わります。

見積りを外さないための材料

「だいたい1時間」で置いた枠はよく外れます。作業のうち、分量から逆算できるものは計算してしまうほうが安定します。

作業分量の目安見積り方
文章を書く1時間で1,000〜1,500字(調べながらなら半分)文字数 ÷ 時速
資料を読む黙読で1分400〜600字文字数 ÷ 500字 + 図表1点10〜20秒
スライドを作る1枚10〜20分枚数 × 単価。使い回しがあれば短縮
議事録をまとめる会議時間の0.3〜0.5倍60分の会議なら20〜30分
メール・チャットの返信1件2〜5分件数 × 単価でまとめて1枠に

原稿や資料の長さは文字数カウントで数えられます。書く枠を取るときは「3,000字だから2〜3時間」、読む枠を取るときは「5,000字だから10分強」と置けるようになると、当日のずれが小さくなります。分量から逆算できない作業は、過去に何回ぶんの区切りで終わったかを材料にします。集中タイマーで作業ごとの回数を記録しておくと、「この作業は4回=休憩込みで2時間」と枠の長さをそのまま出せます。

  • 初めてやる作業は、経験がある作業の1.5〜2倍で置きます。手順を調べる時間が入るためです。
  • 確認待ちが挟まる作業は、1つの枠で終わらせようとしません。投げるところまでで枠を切り、返ってきてからの作業は別の枠にします。
  • 「30分で終わるはず」の細かいタスクは、個別に枠を作らずまとめて1枠にします。切り替えのたびに立ち上げの時間がかかります。
  • 枠の名前に動詞を入れます。「企画書」ではなく「企画書の骨子を書く」。始めるときに何をするか考え直さずに済みます。

崩れたときの戻し方

割り込みは必ず入ります。タイムブロッキングが続かなくなるのは、崩れたときの扱いを決めていないからです。

  • 割り込みが入ったら、枠を消さずに移します。消すと「やらない」に変わってしまいます。
  • 同じ枠が3回流れたら、そのタスクを疑います。分解が足りないか、そもそも優先度が低いかのどちらかです。
  • 会議で埋まった日は、無理に作業枠を作りません。入れても消えるだけなので、翌日に寄せます。
  • 予備枠を週の後半に1つ置きます。溢れたものの行き先を先に用意しておくと、当日の判断が減ります。
  • 共有カレンダーでは、作業枠にも具体的な件名を入れます。「作業」だけの枠は動かされます。

週に1回の振り返り

組むだけでは精度が上がりません。週に15分だけ、予定と実績を見比べる時間を取ります。

  1. 1

    予定と実績を並べて見る

    どの枠が守れて、どの枠が流れたかを見ます。守れなかった枠に共通点があれば、置く時間帯が合っていない可能性があります。

  2. 2

    カテゴリごとに合計する

    会議、作業、移動、雑務。分類は5〜8個に収めます。細かく分けると集計が続きません。

  3. 3

    グラフにして偏りを見る

    24時間の使い方ツールに項目と時間を入れると、円グラフや積み上げ帯、1マス15分の24マス表示で配分を確認できます。最大8項目まで入れられ、PNG画像として保存できるので、週ごとに並べて比べられます。

  4. 4

    来週の枠を1つだけ変える

    全部を組み替えると、何が効いたのか分かりません。大きい枠の時間帯を動かす、会議を1つ断る、といった変更を1つに絞ります。

続かない原因は、たいてい予定の作り方が細かすぎることにあります。15分単位で1日を埋めた表は、作った日は達成感がありますが、翌日には崩れています。動かせない予定と、1日1つの大きい枠と、まとめ枠が1つ。この3つだけで始めても、タスクリストしかない状態からは大きく変わります。

よくある質問

タイムブロッキングとは何ですか?
カレンダーに作業そのものを予定として入れ、時間を先に確保する時間管理の方法です。タスクリストが「何をやるか」を決めるのに対し、タイムブロッキングは「いつ、どれだけやるか」を決めます。会議だけがカレンダーに入っている状態では空き時間が誰でも入れられる時間になりますが、作業を予定として置けば、その時間を守る根拠ができます。枠の中の進め方はポモドーロなどと組み合わせられます。
予定どおりに進まないときはどうすればいいですか?
枠を消さずに別の日へ移し、実績を実際に使った時間へ書き換えます。見積りの精度は記録からしか上がらないため、外れた記録こそ残す価値があります。最初の1週間は8割が崩れる前提で構いません。そこで分かるのは、自分の見積りが何倍外れるかという係数です。1日の3割ほどを空けておき、週の後半に予備枠を1つ置いておくと、溢れたものの行き先に困りません。
タイムブロッキングとポモドーロはどちらがいいですか?
役割が違うので併用できます。タイムブロッキングは作業時間をカレンダー上に確保する方法で、ポモドーロは確保した時間の中をどう区切って進めるかの方法です。「やることは決まっているのに時間が取れない」なら足りないのは枠なのでタイムブロッキング、「時間はあるのに集中が続かない」なら区切り方の問題なのでポモドーロが効きます。
1日にどれくらい作業枠を入れればいいですか?
動かせない予定を除いた時間のうち、7割程度までにとどめるのが目安です。残りは割り込みと見積りのずれを吸収する余白として空けておきます。まずは90〜120分の途切れない枠を1日1つと、細かい作業をまとめた枠を1つ置く形で十分です。すべての時間を埋めると、1つ長引いただけで後続が全部ずれ、組み直す手間で運用自体をやめてしまいがちです。

この記事で紹介したツール

あわせて読みたい