無水エタノールを70%に薄める方法|水の量・混ぜると減る理由
消毒用エタノールが手に入らないとき、無水エタノールを水で薄めて使う方法があります。ただ「70%にするには水を3割」と単純に考えると少しずれますし、混ぜると量が減るというアルコールならではの性質もあります。この記事では、無水エタノールを70%・75%・80%にするときの量の表、1本使い切るときの計算、混ぜたときに体積が減る理由、使う水の選び方と、作るときの注意点をまとめます。
無水エタノールと消毒用エタノールの違い
ドラッグストアで売られているエタノールには、主に「無水エタノール」と「消毒用エタノール」があります。無水エタノールは水をほとんど含まない約99.5vol%以上のもので、精密機器の掃除などに使われます。消毒用エタノールは約80vol%前後(日本薬局方では76.9〜81.4vol%)に水で薄めたものです。
エタノールは、ある程度の水を含んだほうが消毒に向くとされ、70〜80%前後の濃度がよく使われます。無水エタノールをそのまま使うと、すぐに蒸発してしまい、消毒には向きません。そこで、無水エタノールを水で薄めて70〜80%にする方法があります。
70%・75%・80%にする量の表
無水エタノールを99.5%として、出来上がりの量ごとに必要なエタノールと水の量をまとめました。エタノールの量は「出来上がりの量 × 作りたい濃度 ÷ 99.5」、水は残りです。
| 作りたい濃度 | 100ml | 300ml | 500ml |
|---|---|---|---|
| 70% | エタノール約70.4ml+水約29.6ml | 約211.1ml+約88.9ml | 約351.8ml+約148.2ml |
| 75% | 約75.4ml+約24.6ml | 約226.1ml+約73.9ml | 約376.9ml+約123.1ml |
| 80% | 約80.4ml+約19.6ml | 約241.2ml+約58.8ml | 約402.0ml+約98.0ml |
70%を作るのに「エタノール70ml+水30ml」と量っても、計算上は約69.7%で、差はわずかです。家庭で作る量なら、エタノール7:水3、エタノール8:水2と覚えておけば十分な精度になります。
無水エタノール1本(500ml)を使い切るときの計算
無水エタノールを1本まるごと薄めたいときは、エタノールの量を先に決めて、足す水の量を計算します。
| 500mlを使い切る | 出来上がり | 足す水 |
|---|---|---|
| 70%にする | 約710.7ml | 約210.7ml |
| 80%にする | 約621.9ml | 約121.9ml |
スプレーボトルに入る量が決まっているなら出来上がりの量から、1本使い切りたいならエタノールの量から計算します。ツールの「濃度で薄める」で無水エタノールを選ぶと、どちらの決め方でも量を出せます。考え方は希釈倍率の計算方法と共通です。
エタノールと水を混ぜると体積が減る理由
エタノールと水を混ぜると、出来上がりの量は2つを足した量より数%ほど少なくなります。たとえば50mlずつ混ぜても、100mlにはならず96〜97ml程度です。水とエタノールの分子が引き合い、すき間を埋め合うように詰まるためです。
- 体積が減るぶん、計算どおりに量って混ぜると、実際の濃度は計算よりわずかに高めになる
- 70%をねらって作った場合でも、消毒に使われる70〜80%前後の範囲からは外れないので、家庭用では気にしなくてよい
- 「出来上がりを500mlにしたい」ときに、水を足して線に合わせると濃度が下がる。量を正確にしたいときは、エタノールと水をそれぞれ量ってから混ぜる
混ぜた直後は温度が少し上がることもあります。しばらく置いて室温に戻してから使います。エタノールの体積は温度でも変わるため、量るときは液を室温にそろえておくと、計算と実際の量のずれが小さくなります。
| 量って混ぜる量 | 足し算した量 | 実際の出来上がり(めやす) |
|---|---|---|
| エタノール50ml+水50ml | 100ml | 約96〜97ml |
| エタノール約70.4ml+水約29.6ml | 100ml | 100mlより数ml少ない |
スプレーボトルの容量ぎりぎりに作りたいときは、この目減りを見込んで、計算した量よりほんの少し多めに作ると満たせます。比率(エタノール:水)を変えずに全体を増やせば、濃度は変わりません。
使う水と、作るときの注意
- 水は精製水が理想。すぐ使い切るなら水道水でもよいが、長く置くと水道水の成分で雑菌が増えることがある
- エタノールは引火しやすい。コンロやたばこ、ストーブなど火の気のない場所で、換気しながら作る
- 容器はアルコールに使えるもの(PET・PP・ガラスなど、容器の表示を確認)を選び、ふたをしっかり閉める
- 燃料用アルコール(メタノールを含むもの)は、手指などの消毒には使わない
- 作った液のボトルには、中身と濃度、作った日を書く
アルコールが効きにくい汚れやウイルスに対しては、塩素系の消毒液を使い分けます。作り方は次亜塩素酸ナトリウムの薄め方を参照してください。また、80%と40%のように濃度の違う2つの液を混ぜて目標の濃度にする方法は2つの濃度を混ぜる計算で解説しています。
よくある質問
- 無水エタノールを70%にするには、水をどれくらい入れますか?
- 99.5%の無水エタノールなら、100mlあたりエタノール約70.4mlに水約29.6mlです。500mlを作るならエタノール約351.8mlと水約148.2ml。「エタノール7:水3」でもほぼ70%になります。
- 無水エタノール500mlを全部使うと、70%は何mlできますか?
- 500×99.5÷70=約710.7mlです。足す水は約210.7ml。80%にするなら出来上がり約621.9mlで、水は約121.9mlです。
- エタノールと水を混ぜると量が減るのはなぜですか?
- 水とエタノールの分子が引き合って、すき間を埋めるように詰まるためです。50mlずつ混ぜても96〜97ml程度になります。そのぶん濃度はわずかに高めになりますが、家庭で使う範囲では問題ありません。
- 薄めるのは水道水でもよいですか?
- すぐに使い切るなら水道水でもかまいませんが、保存するなら精製水がおすすめです。水道水は長く置くと雑菌が増えることがあります。
- 消毒用エタノールは何%ですか?
- 日本薬局方の消毒用エタノールは76.9〜81.4vol%です。一般には70〜80%前後の濃度が消毒に使われます。
この記事で紹介したツール
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