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髙(はしごだか)・﨑(たつさき)・𠮷(つちよし)の出し方と文字化けする理由

髙橋さんの「髙」、山﨑さんの「﨑」、𠮷田さんの「𠮷」。名前でよく見るこの 3 つの字は、Web フォームに入力すると「使えない文字です」と断られたり、届いたメールや CSV で「?」になったりしがちな、文字化けの常連です。この記事では、3 つの字の正体(機種依存文字と Shift_JIS にない字の違い)、Windows・Mac・iPhone・Android・Word・Excel での出し方、どんな場面でなぜ化けるのか、名前を正しく扱いたいときと、化けさせたくないときそれぞれの対処法をまとめます。

髙・﨑・𠮷の正体:機種依存文字と「Shift_JIS にない字」

3 つとも、ふだん使う「高」「崎」「吉」の異体字で、旧字体ではありません。手書きで広まった形が名字として戸籍に残ったもので、髙島屋や吉野家のロゴのように、会社名や看板でも見かけます。ただし、パソコンの中での扱いは 3 つで違います。

字呼び名ふだんの字UnicodeShift_JIS での扱い
髙はしごだか高(くちだか)U+9AD9IBM 拡張文字(機種依存):EEE0/FBFC
﨑たつさき(立つ崎)崎U+FA11IBM 拡張文字(機種依存):ED95/FAB1
𠮷つちよし(土の吉)吉(さむらいよし)U+20BB7Shift_JIS にない字

日本の漢字コードの基本は JIS X 0208 という規格で、第1水準・第2水準の約 6,300 字が入っています。髙と﨑はこの規格に入っていなかったため、NEC や IBM がパソコンのために独自に追加した字(機種依存文字)として使われてきました。Windows の文字コード(CP932)には IBM 拡張文字が入っているので、Windows どうしなら問題なく表示できますが、JIS X 0208 だけを前提にしたシステムでは扱えません。

𠮷はさらに扱いが難しく、Shift_JIS のどこにも入っていません。Unicode でも、よく使う字が入っている範囲(U+FFFF まで)の外側にある「CJK 統合漢字拡張 B」に入っている字で、コンピューターの中では 2 つの符号を組み合わせた「サロゲートペア」として表されます。これが、𠮷が髙や﨑よりもさらに化けやすい理由です。

パソコン・スマホでの出し方

いちばん手軽なのは、名字ごと変換する方法です。IME の辞書には、よくある名字の異体字が入っていることが多いので、まずは名字の読みで変換してみてください。

環境髙・﨑の出し方𠮷の出し方
Windows(Microsoft IME)「たか」「さき」で変換し、[環境依存]と書かれた候補を選ぶ。「たかはし」「やまさき」で名字ごと出ることも多い「よし」で候補に出ない場合は、IME パッドの手書きで「土」と「口」を書いて探す
Mac「たか」「さき」で変換。出ないときは文字ビューア(「編集」→「絵文字と記号」)で「高」「崎」を検索し、「関連文字」の欄から選ぶ文字ビューアで「吉」を検索し、「関連文字」の欄から選ぶ
iPhone・Android「たか」「さき」「たかはし」「やまさき」の変換候補に出ることが多い辞書によっては「よし」で出る。出ないときはコピーして貼り付ける
Word番号を入力して Alt+X:「9ad9」→髙、「fa11」→﨑「20bb7」と入力して Alt+X
Excel=UNICHAR(39641) で髙、=UNICHAR(64017) で﨑=UNICHAR(134071) で𠮷

どうしても変換で出てこないときは、旧字体・異体字 変換ツールの「名前の異体字」タブに「高橋」「山崎」「吉田」と入れてください。髙・﨑・𠮷を含む書き方が並ぶので、そのままコピーできます。よく使う相手なら、コピーした名前をユーザー辞書に登録しておくと次から楽です。

どんな場面で化ける?「?」になる 6 つのケース

いまのパソコンやスマホは Unicode で文字を扱うので、画面に表示するだけならほとんど問題ありません。化けるのは、文字が「別の文字コードに変換される」「古い前提のシステムを通る」ときです。

  • ① Shift_JIS の CSV に書き出す:𠮷は Shift_JIS にないので、保存した時点で「?」に置き換わり、元には戻せません。髙・﨑は Windows の Shift_JIS(CP932)なら保存できますが、取り込む側が JIS X 0208 しか扱えないと化けます。
  • ② メールを ISO-2022-JP で送る:日本語メールの昔ながらの文字コード ISO-2022-JP は JIS X 0208 の範囲しか正式には扱えません。いまは UTF-8 で送るメールソフトが多くなりましたが、古い設定やソフトでは髙・﨑・𠮷が欠けることがあります。
  • ③ Web フォームで断られる:申し込みフォームの中には「機種依存文字は使えません」と、JIS 第1・第2水準以外の字をはじくものがあります。この場合は「高」「崎」「吉」で入力するしかありません。
  • ④ データベースに保存できない:MySQL の古い文字コード設定(utf8/utf8mb3)は 3 バイトまでの字しか保存できないため、4 バイトになる𠮷は保存に失敗したり、そこで文字列が切れたりします。utf8mb4 にすれば保存できます。
  • ⑤ 文字数を数えると 2 文字になる:𠮷はサロゲートペアなので、JavaScript の length などで数えると 2 文字として数えられ、「10 文字まで」のような入力制限で 1 文字多く数えられることがあります。
  • ⑥ 宛名印刷・プリンター・古い携帯:フォントにその字が入っていないと、空白や「・」「□」で印刷されます。年賀状ソフトや会社の宛名ラベル印刷で起こりやすいトラブルです。

「?」や「・」に置き換わって保存されたデータは、あとから元の字に戻すことができません。化けた文字が戻せるかどうかの見分け方は「�」「?」の文字化けは戻せる?を、CSV の文字コードの選び方はCSVがExcelで文字化けするときの直し方を参考にしてください。

髙・﨑・𠮷のほかにも化けやすい名前の字

名前に使われる字の中には、髙・﨑と同じ機種依存文字や、𠮷と同じ Shift_JIS にない字がほかにもあります。旧字体・異体字 変換ツールで判定した結果をまとめると次のとおりです。

分類字(ふだんの字)古いシステムでの扱い
IBM 拡張文字(機種依存)德(徳)・濵(浜)・栁(柳)・桒(桑)・曻(昇)・淸(清)・靑(青)・黑(黒)・瀨(瀬)・增(増)・敎(教)Windows では表示できるが、JIS X 0208 だけのシステムでは化ける
Shift_JIS にない字𠮷(吉)・驒(騨)・鷗(鴎)・剝(剥)・𠮟(叱)・黃(黄)・硏(研)Shift_JIS の CSV・メールでは必ず欠ける
JIS 第2水準(ほぼ安全)邊・邉(辺)・澤(沢)・濱(浜)・齋(斎)・齊(斉)・嵜(崎)・國(国)古いシステムでもほとんど化けない

飛驒の「驒」、森鷗外の「鷗」は、2000 年の表外漢字字体表で印刷の標準とされた形ですが、Shift_JIS には略した形の「騨」「鴎」しか入っていません。旧字体・異体字の名前を扱う場面は多いので、データを受け渡す前に一度チェックしておくと安心です。

名前を正しく扱いたいとき・化けさせたくないときの対処法

  1. 1

    相手のシステムの文字コードを確かめる

    提出先が UTF-8 に対応しているなら、髙・﨑・𠮷もそのまま使えます。Shift_JIS 指定の CSV や「機種依存文字不可」のフォームなら、ふだんの字に置き換える必要があります。

  2. 2

    使えない字を見つける

    旧字体・異体字 変換ツールの「使える字かチェック」タブに名簿やメールの文章を貼ると、JIS 第1・第2水準、機種依存(NEC 特殊文字・IBM 拡張文字)、Shift_JIS にない字を 1 文字ずつ判定し、危ない字に色を付けて置き換え案を出します。

  3. 3

    置き換えるときは元の表記も残す

    システムの都合で「高橋」と登録するときも、備考欄などに「正式表記は髙橋」と残しておくと、郵便物や証明書で本人の字を使えます。名簿なら、表示用と照合用の 2 つの列を持つのがおすすめです。

  4. 4

    自分で作るシステムは UTF-8 にそろえる

    CSV は UTF-8(BOM 付き)、データベースは utf8mb4、メールは UTF-8 にしておけば、髙・﨑・𠮷を含むほとんどの名前をそのまま扱えます。文字数を数えるときは、サロゲートペアを 1 文字として数える処理にします。

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よくある質問

「はしごだか」はどうやって出しますか?
Windows や Mac、スマホでは「たか」や「たかはし」で変換すると、多くの場合候補に髙が出ます(Windows では[環境依存]と表示されます)。Word なら「9ad9」と入力して Alt+X、Excel なら =UNICHAR(39641) でも出せます。
「たつさき」の﨑はどうやって出しますか?
「さき」や「やまさき」で変換すると候補に﨑が出ることが多いです。Word なら「fa11」と入力して Alt+X、Excel なら =UNICHAR(64017) です。出ないときは旧字体・異体字 変換ツールで「山崎」と入れて、山﨑をコピーすると確実です。
𠮷(つちよし)が文字化けするのはなぜですか?
𠮷は Shift_JIS にない字で、Unicode でも U+20BB7 というサロゲートペアが必要な範囲にあるからです。Shift_JIS の CSV やメールでは必ず欠け、古いデータベースには保存できず、文字数を 2 文字と数えるソフトもあります。
髙や﨑は機種依存文字ですか?
はい。どちらも JIS 第1・第2水準にない IBM 拡張文字で、機種依存文字に分類されます。Windows や最近のスマホでは表示できますが、JIS X 0208 だけを前提にしたシステムや、機種依存文字を受け付けない Web フォームでは使えません。
Webフォームで「髙」が使えないときはどうすればいいですか?
フォームが機種依存文字を受け付けない場合は「高」で入力するしかありません。郵便物の宛名などで正しい字を使ってほしいときは、備考欄に「正式表記は髙」と書くか、問い合わせ窓口で登録方法を確かめてください。

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