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日本酒度とは?+は辛口・−は甘口の目安と、比重からの求め方

日本酒のラベルや居酒屋のメニューに書かれた「日本酒度 +5」「日本酒度 −3」。プラスが辛口、マイナスが甘口とよく言われますが、その数字が何を測っているのか、どこからが辛口なのかを説明できる人は意外と多くありません。この記事では、日本酒度が 15℃ の比重から決まる仕組みと計算式、+1 や −1 がどのくらいの違いなのか、甘口・辛口の目安の表、日本酒度だけで甘辛を決めると外れる理由(酸度とアルコール度数の影響)、ラベルに書かれた数字の読み方までを、具体的な数字でまとめます。

日本酒度とは「水より重いか軽いか」を表す数字

日本酒度は、日本酒の比重(同じ体積の水と比べた重さ)を、使いやすい目盛りに直した数字です。15℃ の日本酒が 4℃ の水と同じ重さなら 日本酒度 0、水より軽ければプラス、重ければマイナスになります。日本酒に溶けている糖分は水より重く、アルコールは水より軽いので、糖分が多い酒ほど重くなってマイナスに、糖分が少なくアルコールが多い酒ほど軽くなってプラスに傾きます。

  • プラス(+3、+8 など):水より軽い = 糖分が少なめ → 辛口寄り
  • 0:4℃ の水と同じ重さ → 甘口とも辛口とも言いにくい中間
  • マイナス(−2、−10 など):水より重い = 糖分が多め → 甘口寄り

測るときは「日本酒度計」という浮きばかりを使います。メスシリンダーに 15℃ にそろえた酒を入れて日本酒度計を浮かべ、液面のところの目盛りを読む仕組みです。重い液体ほど浮きが高く浮くので、目盛りはマイナス側を指します。酒蔵では発酵中のもろみの日本酒度を毎日のように測り、糖がどれだけアルコールに変わったかを見ています。

比重から日本酒度を出す計算式と換算表

日本酒度と 15℃ の比重のあいだには、次の関係があります。比重がわかれば日本酒度が、日本酒度がわかれば比重が計算できます。

  1. 1

    比重 → 日本酒度

    日本酒度 =(1 ÷ 比重 − 1)× 1443。比重 0.998 なら(1 ÷ 0.998 − 1)× 1443 = 約 +2.9 です。

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    日本酒度 → 比重

    比重 = 1443 ÷(1443 + 日本酒度)。日本酒度 +5 なら 1443 ÷ 1448 = 約 0.9965 です。

  3. 3

    1 目盛りの大きさを知る

    日本酒度 1 の違いは、比重でいうと約 0.0007。1 リットルあたり約 0.7g の重さの差にあたります。

日本酒度15℃ の比重1L あたりの重さの差(水と比べて)
−101.0070約 7.0g 重い
−51.0035約 3.5g 重い
−31.0021約 2.1g 重い
01.0000同じ
+30.9979約 2.1g 軽い
+50.9965約 3.5g 軽い
+100.9931約 6.9g 軽い
+150.9897約 10.3g 軽い

表のとおり、日本酒度が 10 違っても、1 リットルで 7g ほどの差しかありません。それでも舌は、この小さな差の裏にある糖分の違いをはっきり感じ取ります。日本酒度は小数第 1 位まで表示されることもありますが、0.5 程度の違いで味がはっきり変わることは少ないので、ラベルの数字は整数の感覚で読めば十分です。

甘口・辛口の目安:何から辛口と言える?

日本酒度の区切りに法律や公式の基準はなく、酒蔵や酒販店によって少しずつ言い方が違います。よく使われる目安をまとめると、次のようになります。

日本酒度よく使われる呼び方飲んだときの印象の目安
−6 以下大甘口はっきり甘い。デザート酒・貴醸酒・低アルコールの酒に多い
−5.9〜−3.5甘口甘さを感じる。ふくよかで飲み口がやわらかい
−3.4〜−1.5やや甘口ほんのり甘い。食事にも合わせやすい
−1.4〜+1.4普通(中口)甘くも辛くもない。いちばん多いゾーンのひとつ
+1.5〜+3.4やや辛口後味が軽く、すっきりする
+3.5〜+5.9辛口キレがあり、甘さをあまり感じない
+6 以上大辛口「超辛口」と書かれることも。シャープで切れ味が強い

市販の日本酒の多くは、だいたい −3〜+6 の範囲に入ります。ラベルに「辛口」と書かれた酒は +3〜+5 前後、「超辛口」をうたう酒は +10 を超えることもあります。反対に、甘口を売りにした酒や、仕込み水の代わりに酒を使う貴醸酒などでは、−10 から −40 を下回るような数字になることもあります。

日本酒度だけで甘辛を決めると外れる 3 つの理由

「日本酒度 +8 と書いてあったのに、飲んでみたら甘く感じた」「マイナスなのに辛い」ということは珍しくありません。日本酒度は重さだけを見ているため、次のような要素が入ると、舌で感じる甘辛とずれていきます。

  • ① 酸度:酸が多いと、同じ糖分でも甘さが打ち消されて辛く感じます。酸が少ないと甘さが目立ちます。日本酒度より酸度のほうが甘辛の印象を大きく動かすこともあります。
  • ② アルコール度数:アルコールは軽いので、度数の高い原酒(17〜20 度)は糖分が多くても日本酒度がプラスに出やすくなります。アルコール自体にも、甘みとピリッとした刺激の両方があります。
  • ③ 香りと温度:吟醸香(リンゴやバナナのような香り)が強い酒は甘い印象になりやすく、冷やすと甘さを感じにくく、ぬる燗くらいに温めると甘さとふくらみが出ます。

とくに影響が大きいのが酸度です。たとえば日本酒度 +12 は日本酒度だけで見れば大辛口ですが、酸度が 1.6 なら、日本酒度と酸度から計算する甘辛度は −1.37 で「やや辛口」にとどまります。逆に日本酒度 −2 はやや甘口の数字ですが、酸度が 2.0 と高ければ甘辛度は −0.54 となり、辛口の側に入ります。酸度と甘辛度の関係は甘辛度・濃淡度とは?酸度で変わる淡麗辛口・濃醇甘口で詳しく解説しています。

ラベル・メニューの数字の読み方

日本酒度は法律で表示が義務づけられている項目ではなく、蔵が任意で書いている数字です。表ラベルではなく裏ラベルに小さく書かれていることも多く、書かれていない酒もたくさんあります。見つけたら、次の順番で読むと味の見当がつけやすくなります。

  1. 1

    日本酒度で大まかな甘辛を見る

    +3 を超えれば辛口寄り、−2 を下回れば甘口寄り、その間は中口と見当をつけます。

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    酸度を見て補正する

    酸度は 1.4〜1.6 くらいがふつう。1.7 を超えていれば辛く・濃く、1.1 を下回っていれば甘く・軽く感じやすいと考えます。

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    アルコール度数と特定名称を見る

    17 度以上の原酒は日本酒度がプラスに出やすい点に注意します。吟醸・大吟醸は香りで甘く感じることがあります。

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    数字をまとめて計算する

    日本酒度・酸度から甘辛度 計算ツールに 2 つの数字を入れると、甘辛度・濃淡度と「淡麗辛口」「濃醇甘口」などのタイプが出ます。好きな酒と比べたい酒を最大 8 本並べて、マップの上で位置を比べることもできます。

「日本酒度 +4〜+6」のように幅で書かれているのは、仕込みのタンクやロットによって数字が少しずつ違うためです。計算するときは真ん中の値(この場合は +5)を使えば問題ありません。また、同じ銘柄でも年ごとの米の出来や、火入れ・熟成の具合で味は変わります。数字は「この酒がどちら側にいるか」をつかむための道しるべとして使い、最後は自分の舌で確かめてください。

日本酒度は造りの途中でどう変わる?

日本酒は、米のでんぷんを麹が糖に変え、その糖を酵母がアルコールに変える「並行複発酵」で造られます。仕込んだばかりのもろみは糖分が多く、日本酒度は大きなマイナスです。発酵が進むにつれて糖が減り、アルコールが増えるので、日本酒度は少しずつプラスに上がっていきます。

  • 発酵を長く続けて糖を食べきらせる → 日本酒度が高い(辛口の)酒になる
  • 途中で搾って発酵を止める → 糖が残り、日本酒度が低い(甘口の)酒になる
  • 搾ったあとに水を加える(加水) → アルコールが薄まって重くなり、日本酒度は少し下がる

蔵人はもろみの日本酒度(発酵の初めは「ボーメ」という目盛りで測ることも多い)とアルコール度数を毎日記録し、狙った味になったところで搾ります。ラベルの日本酒度は、こうした造りの判断の結果を表した数字でもあるのです。精米歩合や醸造アルコールの有無など、ラベルのほかの項目の意味は特定名称酒 8 種類の違いと精米歩合にまとめています。

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よくある質問

日本酒度のプラスとマイナスはどちらが甘口ですか?
マイナスが甘口寄り、プラスが辛口寄りです。日本酒度は 15℃ の比重を表す数字で、糖分が多いほど重くなってマイナスに、糖分が少ないほど軽くなってプラスになります。ただし酸度やアルコール度数でも感じ方が変わるため、あくまで目安です。
日本酒度はいくつから辛口ですか?
公式の基準はありませんが、+1.5〜+3.4 をやや辛口、+3.5〜+5.9 を辛口、+6 以上を大辛口と呼ぶのが一般的な目安です。−1.4〜+1.4 は普通(中口)とされます。蔵によって区切り方は少しずつ違います。
日本酒度の計算式を教えてください。
日本酒度 =(1 ÷ 比重 − 1)× 1443 です。比重は 15℃ で測った値を使います。比重 0.998 なら約 +2.9、比重 1.002 なら約 −2.9 になります。逆に比重は 1443 ÷(1443 + 日本酒度)で求められます。
日本酒度がプラスなのに甘く感じるのはなぜですか?
酸度が低い、香りが華やか、アルコール度数が高いなどの理由が考えられます。酸が少ないと甘さが目立ち、度数の高い原酒は糖分が多くても軽くなって日本酒度がプラスに出ます。日本酒度と酸度から甘辛度を計算すると、感じ方に近い判定になります。
日本酒度 0 はどんな味ですか?
15℃ の酒が 4℃ の水と同じ重さという意味で、日本酒度だけで見れば甘口とも辛口とも言えない中口です。酸度が 1.4 前後なら甘辛度もほぼ 0 の中口ですが、酸度 1.8 なら甘辛度 −0.50 で辛口寄り、酸度 1.0 なら +0.43 でやや甘口寄りになります。

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