水槽のヒーターは何W?フィルターの流量は?60cm水槽で選ぶ目安と計算方法
ヒーターのワット数が足りないと、真冬に水温が設定まで上がりません。フィルターも、箱に書かれた流量だけで選ぶと実際には弱すぎることがあります。この記事では、ヒーターのワット数を「室温と水温の差」と「実際の水量」から出す方法と、サイズ・室温別の早見表、ろ過の流量を「1時間に何回水が回るか」で決める方法、電気代の目安までをまとめます。
ヒーターの目安は「温度差10℃で水1Lあたり約1W」
ヒーターのワット数は、温める水の量と、上げたい温度の幅で決まります。よく使われる目安は、室温と水温の差が10℃のときに水1Lあたり約1Wです。温度差が15℃なら1.5W、20℃なら2Wと、差に比例して増やします。
- 必要なW数=実際の水量(L)×温度差(℃)÷10
- フタがないと水面から熱が逃げやすいので、1.3倍くらいに見込む
- 計算値ちょうどではなく、それ以上で一番近い市販のW数を選ぶ
- 150Wを超えるような大きな水槽では、2本に分けると1本が壊れても水温が急に下がらない
ここで使う水量は外寸ではなく実際の水量です。60cm規格なら外寸の64.8Lではなく、大磯砂を4cm敷いたときの約51.5Lで計算します。水量の出し方は水槽の実際の水量で説明しています。
サイズ・室温別のヒーター早見表
水温を25℃にしたいとき、冬の室温ごとに必要なワット数と選ぶヒーターを計算しました(大磯砂4cm・フタありの水量で計算)。
| サイズ(実際の水量) | 室温15℃ | 室温10℃ | 室温5℃ | 15℃・フタなし |
|---|---|---|---|---|
| 30cm規格(9.6L) | 10W | 20W | 20W | 20W |
| 30cmキューブ(20.3L) | 30W | 50W | 50W | 30W |
| 36cm(14.8L) | 20W | 30W | 30W | 20W |
| 45cm規格(24.4L) | 30W | 50W | 50W | 50W |
| 60cm規格(51.5L) | 80W | 80W | 120W | 80W |
| 60cmワイド(100.4L) | 120W | 160W | 300W(120W×2) | 150W |
| 90cm規格(148.9L) | 150W | 300W(120W×2) | 300W(150W×2) | 200W(100W×2) |
| 120cm規格(195.9L) | 200W(100W×2) | 300W(150W×2) | 500W(200W×2) | 300W(150W×2) |
60cm規格の場合、室温15℃なら必要なのは約52W、10℃でも約77Wなので、80Wが1本あれば足ります。暖房を切る部屋で室温が5℃近くまで下がるなら約103Wになり、120Wが目安です。迷ったら1段上を選び、水温はサーモスタットで合わせます。ワット数が大きすぎても、サーモスタットがあれば水温が上がりすぎることはありません。
フィルターの流量は「1時間に水槽の水が5〜10回まわる」
ろ過フィルターの強さは、1時間に水槽の水を何回ろ過できるか(回転数)で考えます。一般的な目安は1時間に5〜10回です。60cm規格(約51.5L)なら1時間に約258〜515L、1分あたり約4.3〜8.6Lになります。
| サイズ | 実際の水量 | 1時間あたり(5〜10回) | 1分あたり |
|---|---|---|---|
| 30cm規格 | 9.6L | 48〜96L | 0.8〜1.6L |
| 30cmキューブ | 20.3L | 101〜203L | 1.7〜3.4L |
| 45cm規格 | 24.4L | 122〜244L | 2.0〜4.1L |
| 60cm規格 | 51.5L | 258〜515L | 4.3〜8.6L |
| 60cmワイド | 100.4L | 502〜1004L | 8.4〜16.7L |
| 90cm規格 | 148.9L | 744〜1489L | 12.4〜24.8L |
| 120cm規格 | 195.9L | 979〜1959L | 16.3〜32.6L |
- 箱に書いてある流量は、ホースやろ材がない状態の最大値。実際は2〜3割落ちるので、範囲の中〜上を選ぶ
- 東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で流量が変わるポンプがある。住んでいる地域の値を見る
- 金魚や水草水槽は多め、ベタや稚魚・メダカは流れを弱めにする
- 外部フィルターは流量に加えてろ材の量が多いぶん、同じ流量の外掛け式より水が安定しやすい
ヒーターの電気代の目安
ヒーターはずっと電気を使い続けるわけではなく、水温が設定より下がったときだけ通電します。電気代は「W÷1000×通電した時間×電気の単価」で出せます。単価を目安の31円/kWhとすると、80Wのヒーターが1日に通電する時間ごとの電気代は次のとおりです。
| 1日に通電する時間 | 1日 | 1か月(30日) |
|---|---|---|
| 6時間(春・秋の目安) | 約15円 | 約446円 |
| 12時間(冬の目安) | 約30円 | 約893円 |
| 24時間(ずっと通電) | 約60円 | 約1,786円 |
通電する時間は室温とフタの有無で大きく変わります。フタをして水面から逃げる熱を減らし、水槽を窓際から離すだけでも通電時間は短くなります。暖房器具の電気代との比べ方は暖房器具の電気代比較、計算式そのものは電気代の計算方法で詳しく扱っています。
ヒーターを安全に使うための注意
- 水換えで水位を下げる前に電源を抜く。ヒーターが水から出たまま通電すると、空焚きで割れたり、周りが焦げたりする
- ヒーターは水流の当たる場所に、底砂に埋めずに置く。水が動く場所だと水槽全体の温度がそろう
- 魚が触れてやけどしないよう、カバー付きのものを選ぶ。プレコなど張りつく魚がいる水槽では特に
- 水温計を別に入れて、設定温度どおりになっているかを毎日見る。ヒーターの故障に早く気づける
- ヒーターは消耗品。多くのメーカーが1〜2年ほどでの交換を勧めているので、秋に点検して冬に備える
夏は逆に水温が上がりすぎることがあり、30℃を超えると多くの魚に負担がかかります。ヒーターを抜くだけでなく、フタを開ける、冷却ファンを使う、部屋のエアコンを使うといった対策も合わせて考えておきましょう。
よくある質問
- 60cm水槽のヒーターは何ワットがいいですか?
- 60cm規格(実際の水量約51.5L)で水温を25℃にするなら、室温15℃で約52W、10℃で約77Wなので80Wが目安です。室温が5℃近くまで下がる部屋なら120Wを選びます。
- ヒーターのワット数が大きすぎるとだめですか?
- サーモスタットで水温を管理していれば、大きすぎて水温が上がりすぎることはありません。ただし故障してヒーターが切れなくなったときの影響は大きくなるので、極端に大きいものは避け、大きな水槽では2本に分けるのが安全です。
- フィルターの流量はどれくらい必要ですか?
- 1時間に水槽の水が5〜10回まわる流量が目安です。60cm規格なら1時間に約258〜515Lです。箱の表示は最大値で、実際は2〜3割落ちるため、範囲の中〜上を選びます。
- 水槽のヒーターの電気代は月いくらですか?
- 80Wのヒーターが1日12時間通電したとすると、単価31円/kWhで1日約30円、1か月約893円です。実際の通電時間は室温やフタの有無で変わります。
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