航空券の時刻は現地時間?|所要時間の計算と到着日がずれる理由
「17時に出発して、同じ日の朝10時に着く」。海外便の予約画面でこう表示されると、一瞬混乱します。航空券に書かれた時刻はすべて現地時間なので、そのまま引き算しても飛行時間にはなりません。この記事では、所要時間の出し方と、日付が前後する理由、予約で間違えやすい場面をまとめます。
券面の時刻はすべて現地時間
航空券や予約確認メールに並ぶ出発時刻・到着時刻は、例外なくその空港がある場所の時刻です。出発時刻は出発地の時計、到着時刻は到着地の時計を指します。日本時間に統一されているわけではないため、2つの時刻を引き算しても飛行時間にはなりません。
同じことは空港の発着案内、乗り継ぎの表示、遅延の連絡にも当てはまります。海外の航空会社から届く「出発が2時間遅れます」という通知も、現地時間で書かれた時刻が基準です。
所要時間の計算式
現地時刻の差に、時差の分を足し戻せば飛行時間が出ます。式にすると次のとおりです。
- 所要時間 =(到着の現地時刻 − 出発の現地時刻)+(出発地のUTCオフセット − 到着地のUTCオフセット)
- 到着が翌日以降になる場合は、到着の現地時刻に24時間(2日後なら48時間)を足してから計算します。
例1:東京(羽田)を17:00に出て、ロサンゼルスに同じ日の10:30に着く便。東京はUTC+9、ロサンゼルスは夏時間の期間でUTC−7です。(10:30 − 17:00)= −6時間30分、(+9 −(−7))= +16時間。合計して9時間30分が飛行時間になります。時計の上では朝に戻っていても、実際には10時間近く飛んでいます。
例2:その逆方向で、ロサンゼルスを12:00に出て、羽田に翌日の16:00に着く便。(16:00+24時間 − 12:00)= 28時間、(−7 − (+9))= −16時間。差し引き12時間です。同じ路線でも往復で所要時間が違うのは、偏西風の影響で東向きのほうが速くなるためです。
時差がない相手なら計算は不要です。日本と韓国はどちらもUTC+9なので、10:00発・12:30着ならそのまま2時間30分です。まず「時差があるかどうか」を確認するところから始めてください。
日付が戻る便と、進む便
日本から見て東に向かうか西に向かうかで、到着日の動き方が変わります。方角で覚えておくと、予約画面の表示に驚かなくなります。
| 方面 | 到着日の動き | 見え方 |
|---|---|---|
| 日本 → 北米(東行き) | 同じ日付のまま、時刻が戻ることが多い | 夕方発なのに同じ日の午前着になる |
| 北米 → 日本(西行き) | 1日進む | 昼発で翌日の夕方着になる |
| 日本 → 欧州(西行き) | 同じ日付のうちに着くことが多い | 午前発でその日の夕方着。12時間ほど飛んでも時計は数時間しか進まない |
| 欧州 → 日本(東行き) | 1日進む | 夜発で翌日の午後着になる |
| 日本 → 東南アジア・豪州 | 同じ日付。時差が小さい | 計算どおりの感覚で読める |
北米行きで日付が戻ったように見えるのは、太平洋の日付変更線を東向きに越えると日付が1日戻るためです。飛行中に時間が縮むわけではなく、単に時刻の基準が切り替わっているだけです。逆に日本へ帰る便は日付変更線を西向きに越えるので1日進みます。
予約で間違えやすい5つの場面
- 1
深夜0時台の便の日付
「1月5日 00:20発」は、1月4日の夜に空港へ行く便です。日付だけを見て5日の日中に向かうと、丸一日遅れることになります。深夜便を取ったら、空港に着くべき日をカレンダーに別途書き込んでください。
- 2
12時間表記のAMとPM
海外のサイトでは12:00 AMが深夜0時、12:00 PMが正午です。ここは日本語の感覚と食い違うため、迷ったら24時間表記に切り替えて確認します。
- 3
乗り継ぎ時間の計算
乗り継ぎ時間も現地時間どうしの差なので、そのまま引き算して構いません。ただし国際線から国内線へ乗り継ぐ場合は、入国審査と手荷物の受け取り、再度の保安検査が入ります。表示上1時間半あっても、実際に動ける時間はそれよりずっと短くなります。
- 4
別々に買った航空券のつなぎ
1つの予約として発券されていない便どうしは、前の便が遅れても後の便は待ってくれません。日をまたぐ余裕を持つか、同一予約にまとめてください。
- 5
ホテル・送迎・レンタカーの日付
宿泊の初日は到着日の現地日付です。深夜に着く便では、前日からの予約にしないと部屋に入れません。空港送迎やレンタカーの受け取り時刻も、すべて現地時間で指定します。
旅行保険やeSIMの開始日も同じ考え方です。出発日ではなく現地に着く日から始まる設定にしてしまうと、移動中が対象外になります。日付をまたぐ移動では、開始を1日前倒しにしておくほうが安全です。
出発前に時刻を確かめる手順
- 1
到着地の現在時刻と時差を確認する
世界の時差ツールで、到着地の現在時刻と日本との差を見ます。主要国の現在時刻と時差が一覧で並ぶので、いま何時なのかをそのまま確認できます。夏時間が実施されている期間は、それを反映した時刻が表示されます。
- 2
到着時刻が現地の朝か夜かを把握する
到着が深夜なら、その日の予定は入れられません。空港からの交通機関が動いている時間かどうかも、この時点で調べておきます。
- 3
所要時間を計算して機内での過ごし方を決める
上の式で飛行時間を出し、機内で寝る区間を決めます。到着地の夜にあたる時間帯に寝ておくと、着いてからのずれが小さくなります。
- 4
日本の家族や職場に伝える時刻を書き分ける
「現地16:00着(日本時間 翌9:00)」のように、両方を併記して共有します。片方だけ伝えると、連絡がつかない時間帯に電話をかけられることになります。
よくある質問
- 航空券の到着時刻は日本時間ですか、現地時間ですか?
- 到着地の現地時間です。出発時刻は出発地の現地時間で、両者の基準は別々です。そのため2つの時刻を引き算しても飛行時間にはなりません。日本時間で知りたい場合は、到着地の現地時刻に日本との時差を足し引きして換算してください。
- 飛行時間はどう計算すればよいですか?
- (到着の現地時刻 − 出発の現地時刻)に、(出発地のUTCオフセット − 到着地のUTCオフセット)を足します。到着が翌日なら到着時刻に24時間を足してから計算してください。たとえば東京17:00発・ロサンゼルス同日10:30着なら、−6時間30分に+16時間を足して9時間30分になります。
- アメリカ行きで到着が出発より前の時刻になるのはなぜですか?
- 太平洋の日付変更線を東向きに越えると日付が1日戻り、さらに現地の時刻が日本より遅れているためです。時計の上では出発より前の時刻に着きますが、実際には10時間前後飛んでいます。帰りの便は逆に日付が1日進むため、機内で1日消費する形になります。
- 深夜0時台の便は、いつ空港に行けばよいですか?
- 券面に書かれた日付の前日の夜です。「5日00:20発」なら4日の夜に空港へ向かいます。深夜便を予約したら、空港に到着すべき日時をカレンダーに別で登録しておくと取り違えを防げます。あわせて、宿泊の初日を前日からにする必要がないかも確認してください。
この記事で紹介したツール
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