時こくと時間の求め方|何分後・何分前・何分間の教え方(小2・小3)
「3時40分の30分後は何時何分?」「2時45分から3時20分までは何分間?」。小学校の算数で習う「時こくと時間」は、ふだんの計算と違って 60 でくり上がるため、多くの子がつまずく単元です。「3時70分」と答えてしまったり、何分間を引き算で求めて答えがずれたりするのはよくあることです。この記事では、時刻と時間の違い、何分後・何分前・何分間の求め方を「ちょうどの時刻で区切る」方法で解説し、○時間○分の問題、正午をまたぐ問題、筆算での解き方、よくあるまちがいと教え方のコツまでをまとめます。
「時刻」と「時間」の違い
「時こくと時間」の問題を解く前に、まず「時刻」と「時間」の違いをはっきりさせておきます。ここがあいまいなままだと、問題が何を聞いているのかが分からなくなります。
| 時刻(じこく) | 時間(じかん) | |
|---|---|---|
| 意味 | ある一瞬の「とき」 | ある時刻から別の時刻までの「長さ」 |
| 例 | 3時40分、午前8時 | 30分間、1時間20分 |
| 問題での聞き方 | 「何時何分ですか」 | 「何分間ですか」「何時間何分ですか」 |
| たとえると | ものさしの目盛り | 目盛りと目盛りのあいだの長さ |
「家を出た時刻」は 8時、「学校まで歩いた時間」は 15 分、「学校に着いた時刻」は 8時15分、というように、時刻と時間を組み合わせた例を生活の中から出すと、子どもにも違いが伝わりやすくなります。あわせて、1 時間 = 60 分、1 日 = 24 時間、1 分 = 60 秒という単位の関係も確認しておきましょう。
何分後の求め方|ちょうどの時刻で区切る
何分後の時刻を求めるときは、「ちょうどの時刻(○時0分)」で区切って 2 回に分けて進めるのがいちばん確実です。時計の長い針が 12 をこえると時が 1 つ進む、という動きをそのまま言葉にした方法です。
- 1
次のちょうどの時刻まで何分あるか数える
3時40分なら、4時まではあと 20 分です(60 − 40 = 20)。
- 2
進む時間を 2 つに分ける
30 分後なら、30 分 = 20 分 + 10 分 に分けます。
- 3
ちょうどの時刻まで進める
3時40分の 20 分後は 4時ちょうどです。
- 4
残りを進める
4時の 10 分後で 4時10分。答えは 4時10分です。
考え方を矢印でまとめると「3時40分 → 20分 → 4時 → 10分 → 4時10分」になります。何分後の時刻が同じ時の中に収まるとき(3時10分の 20 分後 = 3時30分など)は、分をそのまま足すだけで求められます。○時をまたぐかどうかで解き方が変わる、と覚えておくと迷いません。
何分前の求め方|逆向きにちょうどで区切る
何分前は、何分後と同じ考え方を逆向きに使います。いまの時刻から、前のちょうどの時刻まで何分さかのぼれるかを先に数えます。
- 1
前のちょうどの時刻まで何分あるか数える
4時10分なら、4時ちょうどまでは 10 分さかのぼれます。
- 2
もどる時間を 2 つに分ける
30 分前なら、30 分 = 10 分 + 20 分 に分けます。
- 3
ちょうどの時刻までもどる
4時10分の 10 分前は 4時です。
- 4
残りをもどる
4時の 20 分前は、3時の 60 分から 20 分もどって 3時40分です。
矢印でまとめると「4時10分 → 10分もどる → 4時 → 20分もどる → 3時40分」です。何分前でまちがえやすいのは、ちょうどの時刻(4時)から 20 分もどるところです。時を 1 つもどすのを忘れて「4時40分」と答えたり、0 分から 20 分を引けずに止まってしまったりします。「4時は 3時60分と同じ」と言いかえると、60 − 20 = 40 で 3時40分と求められます。
何分間の求め方|はじめと終わりのあいだを数える
何分間(かかった時間)を求めるときも、ちょうどの時刻で区切ると簡単です。はじめの時刻からちょうどの時刻まで、ちょうどの時刻から終わりの時刻まで、の 2 つの時間を足します。
| 問題 | 区切り方 | 答え |
|---|---|---|
| 2時45分から3時20分まで | 2時45分 → 15分 → 3時 → 20分 → 3時20分 | 15分 + 20分 = 35分間 |
| 9時50分から11時20分まで | 9時50分 → 10分 → 10時 → 1時間 → 11時 → 20分 → 11時20分 | 10分 + 1時間 + 20分 = 1時間30分 |
| 5時10分から5時55分まで | 同じ時の中なので区切らない | 55分 − 10分 = 45分間 |
何分間の問題でよくあるまちがいは、分どうしをそのまま引いてしまうことです。2時45分から3時20分までを「45 − 20 = 25 分」としてしまうのが典型です。時計の図をかいて、長い針が 9 から 12 を通って 4 まで進むことを確かめると、どこを数えればいいかが見えてきます。
○時間○分の問題と、正午をまたぐ問題
3 年生になると、1 時間より長い時間や、午前から午後にまたがる問題が出てきます。どちらも、ちょうどの時刻で区切る考え方がそのまま使えます。
- ○時間○分:「9時50分から11時20分まで」は、10 分 + 1 時間 + 20 分 = 1 時間 30 分。60 分になったら 1 時間にまとめます。90 分は 1 時間 30 分、と言いかえられるようにしておきましょう。
- 正午をまたぐ:「午前11時40分から午後1時10分まで」は、午前11時40分 → 20分 → 午後0時(正午) → 1時間 → 午後1時 → 10分 → 午後1時10分 で、合計 1 時間 30 分です。
- 午前・午後が入れかわる何分後:「午前11時50分の20分後」は、10 分で正午(午後0時)、残り 10 分で午後0時10分です。「午前12時10分」とは書かないので注意します。
正午をまたぐ問題では、12 時の前後で午前・午後の書き方が変わることが一番のつまずきポイントです。正午の書き方は教科書や場面によって違いがあるので、くわしくは正午は午前12時?午後0時?午前・午後と24時間表記の対応表を参考にしてください。
筆算で解く方法(60でくり上がる・くり下がる)
時間の足し算・引き算は、筆算でも解けます。ふだんの筆算と違うのは、分が 60 になったら時に 1 くり上げ、分が足りないときは時から 1 くり下げて 60 分にすることです。
| 問題 | 筆算の考え方 | 答え |
|---|---|---|
| 3時40分 + 30分 | 40 + 30 = 70 分 → 60 分を 1 時間にくり上げて 4時10分 | 4時10分 |
| 4時10分 − 30分 | 10 − 30 はできない → 4時10分を 3時70分にして 70 − 30 = 40 | 3時40分 |
| 11時20分 − 9時50分 | 20 − 50 はできない → 10時80分にして 80 − 50 = 30、10 − 9 = 1 | 1時間30分 |
よくあるまちがいと教え方のコツ
- くり上がりを忘れる(3時70分):時計を実際に動かし、60 分で時が 1 つ進むのを見せる。
- 何分前で時を 1 つもどし忘れる(4時10分の30分前を 4時40分と答える):「ちょうどの時刻を通りこしたら、時が 1 つもどる」を確認する。
- 何分間を分の引き算だけで出す(2時45分〜3時20分を 25 分):時計の図や数直線で、どこからどこまでを数えるのかを見える形にする。
- 午前・午後をまちがえる:1 日の数直線(0時〜24時)をかき、正午で午前と午後が切りかわることを確認する。
- 問題文を読みまちがえる:「何時何分ですか」なら時刻、「何分間ですか」なら時間を答える、と答えの形を先に確かめる。
いきなり文章題を解かせるより、時計を動かしながら「3時40分から長い針を 30 分進めると?」と、目で見て答えを確かめる練習を先にすると理解が早まります。そもそも時計の読み方があやふやな場合は、時計の読み方の教え方にもどって確認しましょう。
時こくと時間の問題をツールで練習する
「時計の読み方 練習」ツールの「れんしゅう問題」には、「時こくと時間」の問題が入っています。何分後・何分前・何分間の 3 種類を、レベル別に 10 問ずつ出題します。
| レベル | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| ○時をまたがない | 10 分きざみ。3時10分の20分後 など | 小2〜小3 のはじめ |
| ○時をまたぐ | 5 分きざみ。3時40分の30分後 → 4時10分 など | 小3 |
| 正午をまたぐ(午前・午後) | 1 分きざみ。午前11時50分の20分後 → 午後0時10分 など | 小3 |
| ○時間○分 | 1 時間より長い時間 | 小3 |
答えたあとは「3時40分 → 20分 → 4時 → 10分 → 4時10分」のように、この記事で紹介した「ちょうどの時刻で区切る」考え方が表示されます。「時計を動かす」でスタートの時刻を決めてから針を進めると、長い針が進んだところが黄色くなり、何分たったかが目で見えます。紙で練習したいときは、時こくと時間のプリントを答えつきで印刷することもできます。
よくある質問
- 何分後の時刻はどうやって求めますか?
- 次のちょうどの時刻(○時0分)までの分を先に数え、進む時間を 2 つに分けて進めます。3時40分の 30 分後なら、20 分で 4時、残り 10 分で 4時10分です。○時をまたがないときは、分をそのまま足すだけで求められます。
- 何分間の求め方がわかりません
- はじめの時刻からちょうどの時刻まで、ちょうどの時刻から終わりの時刻まで、の 2 つに分けて足します。2時45分から3時20分までなら、15 分 + 20 分 = 35 分間です。分どうしをそのまま引くと(45 − 20 = 25)まちがいになります。
- 時刻と時間の違いは何ですか?
- 時刻は「3時40分」のような、ある一瞬のときのことです。時間は「30分間」のような、ある時刻から別の時刻までの長さのことです。問題が「何時何分ですか」と聞いていれば時刻、「何分間ですか」と聞いていれば時間を答えます。
- 時間の計算を筆算でするときの注意点は?
- 分は 60 でくり上がり、60 でくり下がります。40 分 + 30 分 = 70 分なら、60 分を 1 時間にして 1 時間 10 分です。引き算で分が足りないときは、時から 1 くり下げて分に 60 を足します。
- 正午をまたぐ問題はどう解けばいいですか?
- 正午(昼の 12 時)をちょうどの時刻として区切ります。午前11時40分から午後1時10分までなら、20 分で正午、1 時間で午後1時、10 分で午後1時10分なので、合計 1 時間 30 分です。正午のあとは午後の時刻として書きます。
この記事で紹介したツール
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