使い方ガイド公開日 読了目安 約6分

享年と行年の違い|数え年の計算方法と位牌・墓誌の書き方

位牌や墓誌、会葬礼状に故人の年齢を書くとき、「享年」と「行年」のどちらを使うのか、数え年と満年齢のどちらで書くのかで迷う人は多いはずです。同じ人でも書き方によって年齢が1〜2歳違うため、親族の間で食い違うこともあります。この記事では、享年と行年の意味の違い、享年(数え年)の計算方法と満年齢との差、生年月日別の計算例、「歳」をつけるかどうかなど位牌・墓誌での書き方を解説します。

享年は数え年、行年は満年齢で書くのが一般的

享年(きょうねん)は「天から享(う)けた年数」、行年(ぎょうねん)は「この世で修行した年数」という意味で、どちらも亡くなったときの年齢を表す言葉です。言葉の意味だけなら大きな違いはありませんが、慣習として、享年は数え年、行年は満年齢で書くことが多くなっています。

項目享年行年
読み方きょうねんぎょうねん
意味天から授かった年数この世で過ごした(修行した)年数
使う年齢数え年が一般的(満年齢で書くことも増えている)満年齢が一般的(数え年で書く地域・宗派もある)
書き方の例享年八十七行年八十六歳
主に使う場所位牌・墓誌・会葬礼状位牌・墓誌(宗派や地域による)

最近は、わかりやすさを優先して享年も満年齢で書く家が増えています。どちらを使っても間違いではないので、大切なのは「位牌と墓誌と会葬礼状で年齢をそろえる」ことです。

享年(数え年)の計算方法

数え年は、生まれた年を1歳とし、元日を迎えるたびに1歳ずつ増える数え方です。誕生日は関係しないため、計算は年だけでできます。

一方、満年齢(行年)は、生まれたときを0歳とし、誕生日を迎えるたびに1歳増えます。そのため、享年と満年齢の差は、誕生日を迎えたあとに亡くなれば1歳、誕生日の前に亡くなれば2歳になります。

生年月日が和暦でしかわからないときは、いったん西暦に直してから引き算すると間違えにくくなります。数え年の考え方そのものは満年齢と数え年の違いでも詳しく解説しています。

生年月日別の計算例

生年月日亡くなった日享年(数え年)行年(満年齢)差
1940年3月15日2026年2月10日八十七八十五歳2歳(誕生日前)
1940年3月15日2026年4月10日八十七八十六歳1歳(誕生日後)
1938年6月1日2026年6月1日八十九八十八歳1歳(誕生日当日)
1945年12月20日2026年10月4日八十二八十歳2歳(誕生日前)
1950年1月5日2026年1月3日七十七七十五歳2歳(誕生日前)

1940年3月15日生まれの人は、2026年のうちに亡くなればいつでも享年は八十七ですが、満年齢は誕生日(3月15日)の前なら85歳、後なら86歳です。年末生まれ・年始に亡くなった人ほど差が2歳になる期間が長く、1950年1月5日生まれで2026年1月3日に亡くなった人は、満75歳でも享年は七十七になります。

位牌・墓誌・会葬礼状での書き方

  • 享年は「享年八十七」と書き、「歳」をつけないのが伝統的な書き方(「年」の字に年数の意味が含まれるため)。最近は「享年八十七歳」と書くことも増えている
  • 行年は「行年八十六歳」と「歳」をつけて書くことが多い
  • 位牌・墓誌は縦書きなので、年齢は漢数字で書く(八十七、九十二など)
  • 百歳以上は「享年百一」のように書く
  • 新聞の訃報は満年齢(「八十六歳」)で書くのが一般的。会葬礼状は位牌にそろえる家も、満年齢で書く家もある
  • 喪中はがきも満年齢で書くのが一般的。位牌と違っても問題はないが、そろえたいなら事前に決めておく

位牌には戒名(法名)と没年月日とともに享年・行年を入れ、墓誌にも同じ内容を彫ります。四十九日までに本位牌を用意し、納骨にあわせて墓誌に彫刻することが多いので、享年をどちらの数え方にするかは葬儀後すぐに決めておくと、仏具店や石材店への依頼がスムーズです(四十九日の日取り)。

どちらで書くか迷ったときの決め方

  1. 1

    先祖の位牌・墓誌を確認する

    同じお墓や仏壇にある先祖の位牌・墓誌が享年(数え年)か行年(満年齢)かを見て、それにそろえるのがもっとも自然です。

  2. 2

    菩提寺に聞く

    宗派やお寺によって慣習があります。戒名をお願いするときに、あわせて確認しておきましょう。

  3. 3

    家族で決めて統一する

    決まりがなければ、家族でどちらかに決め、位牌・墓誌・会葬礼状をそろえます。

法要・年忌の計算ツールでは、生年月日と命日を入れると、享年(数え年)と行年(満年齢)を並べて表示します。年齢計算ツールでも、日付を指定して満年齢と数え年を確認できます。年忌法要の回忌の数え方も、数え年と同じく「1を足す」考え方です(年忌法要の早見表)。

よくある質問

享年と行年の違いは何ですか?
どちらも亡くなったときの年齢ですが、慣習として享年は数え年、行年は満年齢で書くことが多いです。享年は「天から授かった年数」、行年は「この世で過ごした年数」という意味です。
享年はどうやって計算しますか?
数え年で書く場合は「亡くなった年−生まれた年+1」です。1940年生まれで2026年に亡くなった人なら、2026−1940+1=87で享年八十七になります。誕生日は関係ありません。
享年に「歳」はつけますか?
伝統的には「享年八十七」のように「歳」をつけません。「年」の字に年数の意味が含まれるためです。ただし最近は「享年八十七歳」と書くことも増えており、間違いとはされません。
享年は満年齢で書いてもいいですか?
問題ありません。最近は満年齢で書く家も増えています。先祖の位牌・墓誌の書き方やお寺の慣習にそろえ、位牌・墓誌・会葬礼状で統一するのがおすすめです。
享年と満年齢が2歳違うのはなぜですか?
数え年は生まれた年を1歳とし元日に1歳増えるのに対し、満年齢は誕生日に1歳増えるためです。その年の誕生日の前に亡くなると差は2歳、誕生日以降なら1歳になります。

この記事で紹介したツール

あわせて読みたい

使い方ガイド約6分

初盆(新盆)はいつ?今年か来年かの判定と四十九日との関係

家族が亡くなって初めて迎えるお盆を「初盆(新盆)」といい、普段のお盆より丁寧に供養します。ところが、春や夏に亡くなった場合、「今年のお盆が初盆なのか、来年なのか」で迷うことがあります。ポイントは四十九日です。この記事では、初盆が今年か来年かを決めるルール、8月盆・7月盆それぞれで「この日までに亡くなれば今年」という境目、判断に迷うケース、初盆の準備のスケジュールを解説します。

記事を読む →