シャトルランの回数を伸ばすコツ|ペース配分・ターン・呼吸と2週間の練習メニュー
体力テストのシャトルランで、毎年同じくらいのところで止まってしまう。そんな人は、体力そのものより「最初に飛ばしすぎる」「ターンで大きく回る」「苦しくなってから呼吸が乱れる」といった走り方で回数を落としていることがよくあります。この記事では、本番の回数を伸ばすペース配分・ターン・呼吸のコツと、レベルごとに何に気をつければよいか、本番までの2週間でできる練習メニュー、前日・当日の過ごし方までをまとめます。
シャトルランで止まってしまう3つの理由
20m シャトルランは、レベル 1 の時速 8.5km から約 1 分ごとに時速 0.5km ずつ速くなり、ついていけなくなったところで終わるテストです。最後は誰でも止まりますが、「まだ脚は動くのに止まった」「思ったより早く苦しくなった」と感じるなら、次の 3 つのどれかが原因であることが多いです。
- 序盤に飛ばしすぎる:レベル 1〜3 は 1 回 7.6〜8.5 秒あり、歩くより少し速い程度です。ここで音より 1〜2 秒早く着いて待つ走り方をすると、毎回ダッシュと停止をくり返すことになり、心拍が早く上がります。
- ターンで時間と脚を使う:20m を 1 回走るたびに 1 回折り返すので、50 回走れば 50 回ターンします。大きく回ったり、両足でブレーキをかけたりすると、1 回あたりは小さくても合計では大きな差になります。
- 呼吸が乱れてから立て直せない:苦しくなってから口を大きく開けて浅く速い呼吸になると、余計に苦しく感じます。苦しくなる前からリズムを決めておくのがコツです。
つまり回数を伸ばすには、全身持久力(心肺の力)を上げるのと同じくらい、「音に合わせてむだなく走る技術」を身につけることが大切です。技術のほうは数回の練習でも身につくので、テストの 1〜2 週間前からでも十分に効果があります。
コツ1:序盤は「音とほぼ同時に線に着く」ペースで走る
もっとも効くのがペース配分です。理想は、音が鳴るのとほぼ同時、またはほんの少し前に線に着くペースで走り続けることです。早く着いて待つと、待っている間に休めるように思えますが、実際には「急いで走る→止まる→また加速する」をくり返すので、一定のペースで走るよりエネルギーを使います。
| レベル | 時速 | 1 回の秒数 | 走り方の目安 |
|---|---|---|---|
| 1〜3 | 8.5〜9.5km | 8.47〜7.58 秒 | ジョギングよりゆっくり。音ぴったりに着くように抑える |
| 4〜6 | 10〜11km | 7.20〜6.55 秒 | 軽いジョギング。呼吸のリズムをここで固める |
| 7〜9 | 11.5〜12.5km | 6.26〜5.76 秒 | 多くの人がきつくなる帯。ターンを小さくして時間を稼ぐ |
| 10〜12 | 13〜14km | 5.54〜5.14 秒 | 速いランニング。腕振りを大きくしてリズムを保つ |
| 13 以上 | 14.5km〜 | 4.97 秒以下 | ほぼ全力に近い。1 回ずつ「次の音まで」と区切って考える |
最初の数レベルは「遅すぎて逆に難しい」と感じるくらいがちょうどよい速さです。体育館の床の目印(バスケットのラインなど)を使い、「半分の 10m で音の間隔の半分」を意識すると、ペースが一定になりやすくなります。各レベルの速さと 1 回の秒数はシャトルランのレベル表|各レベルの速度・1回の秒数・回数と経過時間に全レベル分まとめています。
コツ2:ターンは片足で線を踏み、小さく速く
シャトルランは「どちらかの足が線に触れるか、越えればよい」決まりです。両足で線を越える必要はありません。ターンは次の手順で、片足で線を踏んで素早く向きを変えます。
- 1
線の 2〜3 歩手前で歩幅を小さくする
スピードを少し落とし、細かい歩幅で線に近づきます。大股のまま突っ込むとブレーキが大きくなります。
- 2
利き足(踏ん張りやすい足)で線を踏む
つま先を線の上か少し先に置き、膝を軽く曲げて体重を受け止めます。毎回同じ足で踏むと決めておくとリズムが崩れません。
- 3
踏んだ足を軸に体を回す
上半身から先に反対方向へ向け、軸足で床を押して戻ります。大きく弧を描いて回らないことがポイントです。
- 4
最初の 3 歩で加速する
向きを変えたら、最初の数歩だけ少し強めに踏み出してスピードに乗せ、その後は一定のペースに戻します。
左右どちらで回るかを毎回変えると、片側の脚だけが疲れるのを防げます。ただし慣れないうちは、毎回同じ向きで回るほうがリズムを保ちやすいので、練習で両方を試して自分に合う方を決めておきましょう。滑りやすい体育館シューズでのターンは、靴底のほこりを拭いておくだけでもかなり安定します。
コツ3:呼吸と腕振りのリズムを最初に決める
- 呼吸は「2 歩で吸って 2 歩で吐く」を基本にする:レベル 1〜6 の楽なうちにリズムを決めておくと、苦しくなってからも崩れにくくなります。きつくなったら「1 歩吸って 1 歩吐く」に切り替えます。
- 吐くことを意識する:苦しいときほど吸おうとしがちですが、しっかり吐けば自然に吸えます。「ハッ、ハッ」と短く強く吐くのが目安です。
- 腕は肘を 90 度くらいに曲げて前後に振る:脚が重くなってきたら、腕振りを少し大きくすると脚のリズムがついてきます。肩に力を入れすぎないようにします。
- 目線は前の線に置く:下を向くと呼吸が浅くなります。次に踏む線を見ながら走ります。
「苦しい」と感じ始めるのは、ほとんどの人で 1 回 6 秒を切るレベル 8〜9 あたり、中学生・高校生男子の平均(約 80 回、レベル 9)の前後です。そこから先は、レベルが変わる 3 つの音を「区切り」にして、「あと 1 レベルだけ」と目標を小さく刻むと、気持ちが切れにくくなります。
前日・当日の過ごし方と注意
- 前日はしっかり寝る:睡眠不足は心拍を上げやすく、回数に直接ひびきます。
- 食事は走る 2 時間前までに:直前に満腹にすると、走っている途中で気持ち悪くなりやすくなります。空腹すぎるのもよくないので、朝食はとっておきます。
- ウォーミングアップは軽く:5 分ほどのジョギングと、ふくらはぎ・太もも前後・足首のストレッチで十分です。ここで疲れてしまっては意味がありません。
- 靴ひもを結び直す:ターンのたびに足が靴の中でずれると力が逃げます。
- 終わったらすぐ座らず歩く:急に止まると気分が悪くなることがあります。1〜2 分歩いて息を整えます。
走っている途中で胸が痛い、めまいがする、吐き気が強いといったときは、回数にこだわらずにすぐやめてください。体調が悪い日は先生に伝えて別の日に測ってもらうのが正解です。決まりの細かいところ(1 回遅れたらどうなるか、記録はどこまで数えるか)は20mシャトルランのルールとやり方で解説しています。
よくある質問
- シャトルランの回数を1週間で伸ばすことはできますか?
- 持久力そのものは 1 週間ではあまり変わりませんが、ペース配分とターンの改善だけで数回〜十数回伸びることはよくあります。序盤を音ぴったりのペースで走る、片足で線を踏んで小さくターンする、の 2 点を 2〜3 回練習するのがおすすめです。
- シャトルランで早く着いたら待っていてもいいですか?
- 決まりの上では、音より早く線に着いたら向きを変えて次の音を待ちます。ただ、毎回早く着いて待つ走り方はダッシュと停止のくり返しになって疲れやすいので、音とほぼ同時に着くペースで走るほうが回数は伸びやすくなります。
- シャトルランが苦しいのはどのレベルからですか?
- 人によりますが、1 回の時間が 6 秒を切るレベル 8〜9(60〜80 回くらい)から苦しく感じる人が多いです。そこまでに呼吸と腕振りのリズムを固めておき、レベルが変わる音を区切りに「あと 1 レベル」と考えると続けやすくなります。
- 家でシャトルランの練習はできますか?
- できます。20mシャトルラン 音源・練習タイマーで距離を 10m や 5m にすると、走る速さは本番と同じまま 1 回の時間が短くなるので、廊下や庭でも練習できます。滑りにくい床で、周りに物がないことを確かめてから行ってください。
- シャトルランの前に食べてはいけないものはありますか?
- 特別に禁止される食べ物はありませんが、直前の食べすぎと、脂っこいもの・消化に時間がかかるものは避けたほうが安心です。食事は 2 時間前までに済ませ、直前は水分を少しとる程度にしましょう。
この記事で紹介したツール
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