20mシャトルランのルールとやり方|遅れたときの判定・記録の数え方・準備と測定のコツ
20m シャトルラン(往復持久走)は、小学生から大人まで新体力テストで測る全身持久力の種目です。「1 回遅れたらもう終わり?」「記録は遅れた回も数える?」「早く着いたら走り出していい?」など、細かいルールは意外とあいまいなまま走っている人が少なくありません。この記事では、新体力テストの実施要項にもとづく準備・走り方・終わりになる条件・記録の数え方を整理し、測る側(先生・係)が気をつけたいことや、持久走との違いまでまとめます。
20m シャトルランとは:音に合わせて 20m を往復する持久力テスト
20m シャトルランは、20m 離れた 2 本の線の間を、電子音の合図に合わせて往復するテストです。音の間隔はだんだん短くなり(走る速さが上がり)、ついていけなくなるまでに何回折り返せたかで、全身持久力(長く運動を続ける力)を測ります。日本では 1999 年度から新体力テストの種目になり、小学生(6〜11 歳)は全員が、中学生・高校生(12〜19 歳)は持久走と選んで、大人(20〜64 歳)は急歩と選んで測ります。
持久走のように一人ひとりのタイムを計る必要がなく、体育館の中で天候に関係なく多人数を同時に測れるのが特長です。もともとはカナダのレジェ(Léger)らが考えた「20m マルチステージ・シャトルラン」で、海外では「ビープテスト」とも呼ばれ、世界中の学校やスポーツの現場で使われています。
準備するもの
- 20m 離れた 2 本の平行な線:体育館のコートのラインや、テープで引いた線を使います。線の両端に目印のコーンなどを置くと分かりやすくなります。
- 1 人あたり 1〜1.5m ほどの幅:横に並んで走るので、隣の人とぶつからないように幅をとります。
- テスト用の音源:新体力テスト用の CD などの音源と、再生する機器(スピーカー)。全員にはっきり聞こえる音量にします。
- 記録用紙と係:走る人 1 人に 1 人ずつ、回数を数える係がつくと確実です。
走り方のルール
- 1
片方の線の上に立つ
スタートの線に立って待ちます。音源の 5 秒間のカウントダウンのあと、最初の電子音でスタートします。
- 2
次の音が鳴るまでに反対の線に達する
20m 先の線に、どちらかの足が触れるか線を越えればその回は成功です。両足で越える必要はありません。
- 3
その場で向きを変える
線に達したら向きを変え、次の電子音が鳴ったら反対の線に向かって走ります。
- 4
早く着いたら音を待つ
音より早く線に着いたときは、向きを変えて次の音を待ち、音が鳴ってから走り出します。音の前に走り出してはいけません。
- 5
レベルが上がると速くなる
約 1 分ごとに音の間隔が短くなり、時速 8.5km から 0.5km ずつ速くなります。音源ではレベルが変わるところで合図が変わります。
実施要項では、電子音が鳴るときには必ずどちらかの線の上にいるよう、自分で速さを調整することが求められています。つまり、音に先回りして早く着きすぎるのも、遅れるのも望ましくなく、「音とほぼ同時に線に着く」のが正しい走り方です。各レベルの速さはシャトルランのレベル表で確認できます。
終わりになる条件:2 回続けて線に届かなかったとき
テストが終わるのは、次のどちらかのときです。
- 決められた速さを保てなくなって、自分から走るのをやめたとき
- 2 回続けて、電子音が鳴るまでにどちらの足も線に触れられなかったとき
大事なのは「1 回遅れただけでは終わらない」ことです。音が鳴った時点で線に届かなくても、そのまま線まで行って向きを変え、次の音までに反対の線に届けば遅れは取り戻せたことになり、テストを続けられます。遅れたあとの 1 回でも届かず、2 回続けて遅れた時点で終了です。
| 状況 | 判定 |
|---|---|
| 音より早く線に着いた | 成功。向きを変えて次の音を待つ |
| 音とほぼ同時に線に触れた | 成功 |
| 音が鳴った時点で線に届いていない(1 回目) | 遅れ 1 回。続けてよい |
| 遅れたあと、次の音までに反対の線に届いた | 取り戻せた。遅れの数は 0 に戻る |
| 2 回続けて音までに線に届かなかった | 終了 |
記録の数え方:最後に線に届いた折り返しまで
記録は、テストが終わったとき(電子音についていけなくなる直前)までの折り返しの総回数です。2 回続けて線に届かずに終わった場合は、最後に線に触れられた折り返しまでの回数が記録になり、遅れた 2 回は数えません。
- 1
例:75 回目までは間に合い、76・77 回目が続けて遅れた
記録は 75 回です。
- 2
例:60 回目で 1 回遅れ、61 回目は間に合い、その後 80・81 回目で続けて遅れた
60 回目の遅れは取り戻しているので、記録は 79 回です。
- 3
例:50 回目を走り終えたところで自分からやめた
記録は 50 回です。
記録した回数は、年齢・性別ごとの項目別得点表で 1〜10 点の得点に直します。何回で何点になるかはシャトルランの得点表と平均回数にまとめています。
測る側(先生・係)が気をつけたいこと
- 回数の数え間違いを防ぐ:係は走る人の正面か、線の近くで見て、折り返すたびに記録用紙に印をつけます。10 回ごとに丸で囲むなど、区切りを作ると数え直しやすくなります。
- 遅れの判定は線の近くで:遠くからだと届いたかどうかが分かりにくいので、両側の線に判定する係を置くと公平です。
- 途中でやめた人はすぐに走路の外へ:疲れて止まった人が走路に残っていると、続けて走っている人とぶつかる危険があります。
- 体調の確認:走る前に体調の悪い人がいないかを確かめ、終わった人はすぐ座らせずに歩いて息を整えさせます。
- 音量と聞こえ方を確かめる:体育館の後ろ側でも電子音が聞こえるか、始める前にテストしておきます。
実施要項では、テスト前のウォーミングアップと、テスト後のクーリングダウンを行うこととされています。また、走る人に「最初から全力で走らない」「音に合わせてペースを保つ」と事前に伝えておくだけで、記録が安定します。走る側の具体的なコツはシャトルランの回数を伸ばすコツで紹介しています。
持久走との違いとどちらを選ぶか
| 項目 | 20m シャトルラン | 持久走 |
|---|---|---|
| 対象 | 6〜19 歳・20〜64 歳(大人は急歩と選択) | 12〜19 歳(男子 1500m・女子 1000m) |
| 場所 | 体育館など 20m の直線 | 校庭のトラックなど |
| 測るもの | 折り返しの回数 | 完走のタイム |
| ペース | 音で決まる(自分で上げ下げできない) | 自分で配分を決められる |
| 向いている人 | ターンが得意、ペース配分が苦手な人 | 一定のペースで長く走るのが得意な人 |
中学・高校では、学校がどちらで測るかを決めることが多く、得点表もそれぞれ別です。どちらも全身持久力を測る種目なので、ふだんから 20〜30 分のジョギングをしていれば、どちらの記録も伸びやすくなります。
よくある質問
- シャトルランは1回遅れたら終わりですか?
- いいえ。1 回遅れても、そのまま線まで行って向きを変え、次の電子音までに反対の線に届けば続けられます。2 回続けて音までに線に届かなかったときに終了です。
- シャトルランの記録に遅れた回は入りますか?
- 入りません。2 回続けて遅れて終わった場合は、最後に線に届いた折り返しまでの回数が記録です。たとえば 75 回目まで間に合い、76・77 回目が続けて遅れたら記録は 75 回です。
- シャトルランで音より早く着いたら走り出していいですか?
- 走り出してはいけません。早く着いたら向きを変えて次の電子音を待ち、音が鳴ってから走り出します。電子音が鳴るときにはどちらかの線の上にいるよう、速さを調整するのが決まりです。
- シャトルランは両足で線を越えないといけませんか?
- 片足で大丈夫です。どちらかの足が線に触れるか、線を越えれば、その回は成功になります。
- シャトルランと持久走はどちらが楽ですか?
- 向き不向きがあります。シャトルランは音がペースを決めてくれるのでペース配分が苦手な人に向き、持久走は自分のペースで走れるので一定の速さで長く走るのが得意な人に向いています。中学・高校では学校がどちらで測るかを決めることが多いです。
この記事で紹介したツール
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