仕組み解説公開日 読了目安 約7分

タイヤ交換でメーター誤差はどれだけ出る?車検の基準も解説

タイヤのサイズを変えたら、スピードメーターの表示と実際の速度がずれると聞いて心配になる人は多いはずです。ずれが大きいと、気づかないうちにスピードを出しすぎたり、車検の速度計の検査に通らなかったりします。この記事では、外径とメーター誤差の関係、計算式と早見表、車検の速度計の基準(メーター40km/hで実速度30.9〜42.5km/h)、純正のメーター誤差を考えた判定のしかたを解説します。

外径が変わるとメーターがずれる理由

車のスピードメーターは、速度を直接測っているわけではありません。タイヤ(または変速機の出力軸)の回転数を数え、「純正タイヤの外周 × 回転数」で速度を計算して表示しています。そのため、外径の違うタイヤを付けると、1回転で進む距離が変わり、表示と実際の速度がずれます。

  • 外径が大きいタイヤ:1回転で進む距離が長いので、実際の速度はメーターより速い
  • 外径が小さいタイヤ:1回転で進む距離が短いので、実際の速度はメーターより遅い
  • 距離計(オドメーター)とトリップメーターも同じ割合でずれる
  • 燃費計も走行距離をもとに計算するので、外径が大きいと燃費は実際より悪く表示される

外径の差とメーター誤差の早見表

純正のメーターが正確(純正タイヤでメーター40km/hのとき実際も40km/h)だとしたときの、外径の差と実際の速度の関係です。

外径の差メーター40km/hメーター60km/hメーター100km/h
−3%38.8km/h58.2km/h97.0km/h
−1%39.6km/h59.4km/h99.0km/h
±0%40.0km/h60.0km/h100.0km/h
+1%40.4km/h60.6km/h101.0km/h
+2%40.8km/h61.2km/h102.0km/h
+3%41.2km/h61.8km/h103.0km/h
+5%42.0km/h63.0km/h105.0km/h
+6%42.4km/h63.6km/h106.0km/h
+7%42.8km/h64.2km/h107.0km/h
純正 → 変更後外径の差メーター40km/hメーター100km/h
205/55R16 → 225/45R17+0.38%約40.2km/h約100.4km/h
205/55R16 → 215/55R16+1.74%約40.7km/h約101.7km/h
205/55R16 → 205/60R16+3.24%約41.3km/h約103.2km/h
205/55R16 → 225/50R17+3.94%約41.6km/h約103.9km/h
205/55R16 → 215/60R16+5.14%約42.1km/h約105.1km/h
205/55R16 → 235/55R17+9.24%約43.7km/h約109.2km/h

外径の差が+3%でも、メーター100km/hで実際は103km/h。高速道路で気づかないうちに速度が出ている状態になります。外径の差が小さいサイズの選び方はインチアップのサイズの選び方を参考にしてください。

車検の速度計の基準

車検では、速度計試験機(ローラーの上でタイヤを回す機械)を使い、メーターが40km/hを指したときの実際の速度を測ります。2007年(平成19年)1月1日以降に作られた車の基準は次のとおりです。

この基準は、メーターが実際より多めに出るのは大きく許し、少なめに出る(実際のほうが速い)のは厳しくしています。メーターが正確な車の場合、外径が約6.4%大きくなると実際の速度が42.5km/hを超えて不合格になります。反対に、外径を小さくする方向では20%以上小さくしないと下限に届かないので、実際に問題になるのは外径を大きくしたときです。

2006年12月31日以前に作られた車は基準が異なります。年式の古い車は、車検証の初度登録年月だけでなく、製作年月日の扱いも含めて検査場や整備工場に確かめてください。

純正のメーター誤差も足して考える

多くの車のメーターは、純正タイヤのままでも実際より少し多めに表示するように作られています。たとえば、メーター40km/hのとき実際は38km/hといった具合です。この場合、外径を大きくしても、純正の「余裕」のぶんだけ車検の上限に届きにくくなります。

純正でメーター40km/hのときの実速度外径+3%外径+5%外径+6%
40km/h(正確)41.2km/h42.0km/h42.4km/h
39km/h40.2km/h41.0km/h41.3km/h
38km/h39.1km/h39.9km/h40.3km/h
37km/h38.1km/h38.9km/h39.2km/h

純正でのメーター誤差は、スマートフォンのGPS速度計アプリや、高速道路の速度表示板などで、一定の速度で走りながら確かめられます。ツールの「純正でメーター40km/hのときの実速度」に入れると、実速度の表と車検の目安がその誤差を含めて計算し直されます。

メーター以外で車検に関わるポイント

  • ロードインデックス(LI)が純正と同じかそれ以上であること(タイヤサイズの見方)
  • タイヤやホイールがフェンダーから基準以上はみ出していないこと(ツライチとはみ出しの計算)
  • ハンドルを切ったときや段差で、タイヤがボディやサスペンションに当たらないこと
  • 外径を大きくして車高が変わる場合、最低地上高や全高の変化が登録の範囲に収まっていること
  • 溝の深さが1.6mm以上(スリップサインが出ていない)こと

外径の差・車高の変化・メーター40km/hの実速度は、タイヤサイズ外径計算ツールに純正と変更後のサイズを入れるだけで一度に確かめられます。外径そのものの計算方法はタイヤ外径の計算方法と早見表で解説しています。

よくある質問

タイヤの外径が大きくなるとメーターはどうなりますか?
メーターの表示より実際の速度が速くなります。外径が3%大きければ、メーター100km/hのとき実際は約103km/hです。距離計も実際より短く記録されます。
車検の速度計の基準は何km/hですか?
2007年1月1日以降に作られた車は、メーターが40km/hを指したとき、実際の速度が30.9km/h以上42.5km/h以下なら合格です。
外径が何%大きくなると車検に通りませんか?
メーターが正確な車なら、外径が約6.4%大きくなると実際の速度が42.5km/hを超えます。ただし純正のメーターは多めに表示することが多いので、実際の限界は車ごとに違います。安全のため外径の差は±3%以内に収めるのがおすすめです。
外径を小さくすると車検で問題になりますか?
速度計の検査では、外径を20%以上小さくしないと下限(30.9km/h)に届かないため、通常のサイズ変更では問題になりにくいです。ただし、車高が下がることによる最低地上高や、LIが純正を下回らないかは確かめてください。
自分の車のメーター誤差はどうやって調べますか?
スマートフォンのGPS速度計アプリを使い、一定の速度で走っているときのメーターの表示とGPSの速度を比べます。メーター40km/hのときのGPSの速度がわかれば、ツールに入れて実速度の表を補正できます。

この記事で紹介したツール

あわせて読みたい

仕組み解説約7分

タイヤサイズの見方|205/55R16 91Vの意味と製造年の読み方

タイヤ交換やスタッドレスの購入で「今のタイヤのサイズを教えてください」と言われても、側面に並ぶ「205/55R16 91V」のような数字と記号の意味がわからないと、何を伝えればよいか迷います。この記事では、タイヤサイズの表示を左から順に読み解き、ロードインデックス(LI)と速度記号の早見表、XL規格の意味、楕円の中の4桁から製造年週を読む方法、サイズを確かめる場所までをまとめます。

記事を読む →
使い方ガイド約7分

タイヤ外径の計算方法|主要サイズの外径早見表つき

タイヤのサイズを変えるときにまず確かめたいのが「外径(タイヤ全体の直径)」です。外径が変わると、スピードメーターの表示や車高、フェンダーとのすき間まで変わります。この記事では、タイヤの表示から外径を計算する式と計算例、軽自動車からミニバン・SUVまでの主要サイズの外径早見表、外径が変わると何が起きるかをまとめます。

記事を読む →
使い方ガイド約8分

ツライチの計算方法|インセットとリム幅ではみ出しを確かめる

ホイールをフェンダーぎりぎりまで外に出す「ツライチ」は、見た目が引き締まる人気のカスタムです。一方で、出しすぎるとはみ出しで車検に通らず、内側に入りすぎるとサスペンションに当たります。この記事では、インセット(オフセット)とリム幅からホイールの外側・内側の位置を計算する方法、リム幅を変えても同じ位置にするインセットの逆算、スペーサーの効き方、はみ出しの基準(タイヤは10mm未満まで)をまとめます。

記事を読む →