ツライチの計算方法|インセットとリム幅ではみ出しを確かめる
ホイールをフェンダーぎりぎりまで外に出す「ツライチ」は、見た目が引き締まる人気のカスタムです。一方で、出しすぎるとはみ出しで車検に通らず、内側に入りすぎるとサスペンションに当たります。この記事では、インセット(オフセット)とリム幅からホイールの外側・内側の位置を計算する方法、リム幅を変えても同じ位置にするインセットの逆算、スペーサーの効き方、はみ出しの基準(タイヤは10mm未満まで)をまとめます。
リム幅(J)とインセットの意味
ホイールには「17×7J インセット48」のような表示があります。17はリム径(インチ)、7Jはリム幅(7インチ=177.8mm)、インセット48は、リムの幅のちょうど中心から、ハブ(車軸)に取り付ける面までの距離が48mmであることを表します。
- リム幅(J)…タイヤをはめるリムの内側の幅。1J=25.4mm。7Jなら177.8mm
- インセット…リムの中心線から取り付け面までの距離(mm)。取り付け面が外側寄りならプラス
- インセットが小さいほど、ホイールは車の外側へ出る
- インセットが大きいほど、ホイールは車の内側へ入る
- オフセット…インセットの古い呼び方で、意味は同じ。「+48」「ET48」と書かれることもある
外側・内側の位置を計算する式
ホイールの位置は、ハブの取り付け面を基準にして考えるとわかりやすくなります。取り付け面からリムの外側の端・内側の端までの距離は、次の式で求まります。
- 1
今のホイール(6.5J インセット45)
リム幅 6.5×25.4=165.1mm。外側=82.55−45=37.55mm、内側=82.55+45=127.55mm。
- 2
新しいホイール(7.5J インセット48)
リム幅 7.5×25.4=190.5mm。外側=95.25−48=47.25mm、内側=95.25+48=143.25mm。
- 3
差をとる
外側は 47.25−37.55=9.7mm 外へ、内側は 143.25−127.55=15.7mm 内(サスペンション側)へ動きます。
| 今のホイール | 新しいホイール | 外側の動き | 内側の動き |
|---|---|---|---|
| 6.5J インセット45 | 7J インセット48 | 3.35mm 外へ | 9.35mm 内へ |
| 6.5J インセット45 | 7.5J インセット48 | 9.7mm 外へ | 15.7mm 内へ |
| 6.5J インセット45 | 7J インセット38 | 13.35mm 外へ | 0.65mm 外へ |
| 7J インセット50 | 7.5J インセット48 | 8.35mm 外へ | 4.35mm 内へ |
| 7J インセット48 | 8J インセット45 | 15.7mm 外へ | 9.7mm 内へ |
インセットが大きくなっても、リム幅が広がれば外側は外へ出ます。「インセットの数字だけ」を比べると判断を誤りやすいので、必ずリム幅と組み合わせて計算しましょう。
リム幅を変えても同じ位置にするインセット
今のホイールの外側の位置を変えずにリム幅だけ広げたいときは、リム幅が0.5J(12.7mm)広がるごとに、インセットを約6.35mm大きくします。広がったぶんの半分が外側、半分が内側に振り分けられるためです。
| 今のホイール | 新しいリム幅 | 外側を同じ位置にするインセット |
|---|---|---|
| 6.5J インセット45 | 7J | 約51mm |
| 6.5J インセット45 | 7.5J | 約58mm |
| 6.5J インセット45 | 8J | 約64mm |
| 7J インセット48 | 7.5J | 約54mm |
| 7J インセット48 | 8J | 約61mm |
| 7J インセット48 | 8.5J | 約67mm |
外側を同じ位置にすると、広がったリム幅はすべて内側に向かいます。8Jインセット61のように内側へ大きく入る組み合わせは、ストラットやロアアームに当たらないか注意が必要です。ツールでは、今のホイールと新しいリム幅を入れると、同じ位置にするインセットを自動で逆算します。
スペーサーとタイヤ幅の影響
スペーサー(ワイドトレッドスペーサー)を入れると、ホイール全体がその厚みのぶんだけ外へ移動します。インセットがスペーサーの厚みだけ小さくなったのと同じで、外側も内側も同じmm数だけ外へ動きます。たとえば7Jインセット48に10mmのスペーサーを入れると、7Jインセット38と同じ位置です。
- スペーサーは内側に余裕を作るのにも使える(内側が10mm外へ動くので、サスペンションとのすき間が10mm広がる)
- 厚いスペーサーではハブボルトの長さが足りなくなることがあるので、ハブ付きのワイドトレッドスペーサーを使う
- タイヤの幅が変わると、増えた幅の半分ずつが外側と内側に広がる。225から245へ20mm広げれば、片側10mmずつ
- タイヤの側面は、リムの端より少し外まで膨らんでいる。どれだけ膨らむかはリム幅と銘柄で変わる
タイヤ幅の変化も合わせて考えると、6.5Jインセット45から7.5Jインセット48に替え、同時にタイヤを20mm広げた場合、外側は 9.7+10=19.7mm 外へ、内側は 15.7+10=25.7mm 内へ動きます。ツールでは、タイヤサイズの比較で入れた幅の差もこの計算に含めます。
はみ出しの基準と、ツライチを測る手順
2017年6月の保安基準の改正で、乗用車は、タイヤ(ゴムの部分)なら10mm未満のはみ出しが認められるようになりました。対象は、車軸の中心を通る真上の線から前に30°、後ろに50°の範囲のフェンダーです。ホイール・ホイールナット・スペーサーなどのはみ出しは、これまでどおり認められません。
- 1
今のすき間を測る
車を平らな場所に止め、ハンドルをまっすぐにして、フェンダーの端から下ろした糸(おもり付き)とホイールのリムの外側との距離を測ります。
- 2
ツールに入れる
今と新しいホイールのリム幅・インセット・スペーサー、測ったすき間を入れると、新しいホイールがフェンダーより内側に収まるかがわかります。
- 3
余裕を残す
サスペンションが縮むとタイヤは内側へ傾きながら上がるので、ぴったりのツライチより数mmの余裕を残すのが無難です。車高を下げている車は特に注意します。
ホイールを替えるのと同時にタイヤのサイズも変えるなら、外径の差やメーター誤差もあわせて確かめておきましょう(インチアップのサイズの選び方・メーター誤差と車検の基準)。
よくある質問
- インセットとオフセットは違いますか?
- 同じものです。リム幅の中心からハブへの取り付け面までの距離(mm)で、以前はオフセット、今はインセットと呼ぶのが一般的です。数字が小さいほどホイールは外へ出ます。
- インセットが5mm小さくなるとどうなりますか?
- リム幅が同じなら、ホイールの外側も内側も5mm外へ動きます。リム幅も変わる場合は、リム幅の差の半分も加えて計算します。
- リム幅を1J広げたら、インセットはいくつにすればいいですか?
- 外側の位置を変えたくないなら、インセットを約12.7mm大きくします(1J=25.4mmの半分)。たとえば7Jインセット48から8Jにするなら、インセット約61mmで外側が同じ位置になり、内側は25.4mm内へ入ります。
- スペーサーを入れるとホイールはどれだけ外に出ますか?
- スペーサーの厚みのぶんだけ、外側も内側も外へ動きます。7Jインセット48に10mmのスペーサーを入れると、7Jインセット38と同じ位置になります。
- タイヤは何mmまではみ出してよいですか?
- 2017年6月の保安基準の改正で、乗用車はタイヤ(ゴムの部分)に限り10mm未満のはみ出しが認められています。ホイールやナット、スペーサーのはみ出しは認められず、貨物車は対象外です。
この記事で紹介したツール
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