点字の書き方のきまり|「は→わ」・長音・分かち書き・句読点
点字は、ふだんのかなの文章をそのまま点に置き換えたものではありません。助詞の「は」を「わ」と書く、「こう」を「こー」と書く、語と語のあいだをあける、句点のあとは2マスあける、といった独自のきまりがあります。この記事では、点字で文章を書くときにまず押さえたい表記のきまりを、例文と表で整理します。
点字は「発音どおり」に書くのが基本
点字は指で1マスずつ読んでいく文字なので、漢字のように見た目で意味を区別することができません。そのため、読み手が音を思い浮かべやすいよう、かなづかいよりも発音に近い形で書くのが基本になっています。ふだんのかなの書き方と違う主な点は、助詞の「は・へ」と、ウ段・オ段の長音の2つです。
| ふだんのかな | 点字で書くかな | きまり |
|---|---|---|
| わたしは | わたしわ | 助詞の「は」は「わ」 |
| こんにちは | こんにちわ | 語に固まった「は」も「わ」 |
| がっこうへ | がっこーえ | 助詞の「へ」は「え」、オ段+うは長音符 |
| ほんを | ほんを | 助詞の「を」は「を」のまま |
| ありがとう | ありがとー | オ段+う → 長音符 |
| ぎゅうにゅう | ぎゅーにゅー | ウ段+う → 長音符 |
長音符を使うのはウ段・オ段の「う」だけ
長音符(2・5の点)は、ウ段・オ段の音を「う」で伸ばしているところに使います。ア段・イ段・エ段の長音は、発音が伸びていても、かなで書いたとおりに書きます。また「おおきい」「とおい」のように、現代かなづかいで「お」と書く長音も、そのまま「お」と書きます。
| 語 | 点字で書くかな | 長音符になるか |
|---|---|---|
| こうこう(高校) | こーこー | なる(オ段+う) |
| ふうせん(風船) | ふーせん | なる(ウ段+う) |
| おかあさん | おかあさん | ならない(ア段の長音) |
| おにいさん | おにいさん | ならない(イ段の長音) |
| とけい(時計) | とけい | ならない(エ段+い) |
| おおきい | おおきい | ならない(「お」で書く長音) |
| チョコレート | ちょこれーと | もともとの「ー」はそのまま |
「みよう」「いこう」のような、オ段に続く「う」(意志や勧誘の言い方)も長音符で「みよー」「いこー」と書きます。カタカナ語の「ー」は、そのまま長音符で書きます。
分かち書き|自立語の前でマスをあける
点字には漢字がないため、すべてをかなで続けて書くと、どこで語が切れるのかが分かりにくくなります。そこで、語と語のあいだを1マスあけて書きます。これを分かち書きといいます。基本は「自立語(名詞・動詞・形容詞・副詞など)の前であけ、助詞・助動詞は前の語に続けて書く」です。
| ふだんの文 | 分かち書きした点字用のかな |
|---|---|
| 本を読む。 | ほんを よむ。 |
| 学校へ行きます。 | がっこーえ いきます。 |
| ありがとうございます。 | ありがとー ございます。 |
| お誕生日おめでとう! | おたんじょーび おめでとー! |
| 2026年9月30日 | 2026ねん 9がつ 30にち |
- 助詞(は・が・を・に・で など)と助動詞(ます・た・ない など)は前の語に続ける
- 「お」「ご」などの接頭語は、うしろの語に続ける(おたんじょーび)
- 「さん」「たち」などの接尾語は、前の語に続ける
- 数字+助数詞(2026ねん・9がつ)はひとまとまりにして、まとまりごとに区切る
句読点のあとのマスあけ
点字の句読点や記号には、それぞれ決まった形と、あとに続けるマスあけの数があります。とくに句点(。)のあとは2マスあけるのが、ふだんの文章との大きな違いです。
| 記号 | 点 | あとのマスあけ |
|---|---|---|
| 句点(。) | 2・5・6 | 2マス |
| 読点(、) | 5・6 | 1マス |
| 疑問符(?) | 2・6 | 1マス |
| 感嘆符(!) | 2・3・5 | 1マス |
| 中点(・) | 5 | 1マス |
| カギ(「」) | 3・6 | 開きも閉じも同じ形 |
| カッコ(()) | 2・3・5・6 | 開きも閉じも同じ形 |
行の終わりに句読点が来た場合、次の行の頭にマスあけを持ち越す必要はありません。また、行を折り返すときは語の途中で切らず、マスあけの位置で次の行に移ります。
例文で全体を確かめる
「ありがとうございます。」を点字にすると、長音のきまりで「ありがとー」、分かち書きで「ありがとー ございます。」となり、マス数は15マスです。「ご」「ざ」が濁音符つきの2マスになるため、かなの文字数(句点を含めて11)より多くなります。
- 1
かなに直す
漢字を読みに直します。名前や地名は読みを確認します。
- 2
発音どおりに直す
助詞の「は・へ」を「わ・え」に、ウ段・オ段の「う」を長音符にします。「を」はそのままです。
- 3
分かち書きする
自立語の前で1マスあけます。助詞・助動詞は前に続けます。
- 4
句読点のあとをあける
句点のあとは2マス、読点・疑問符・感嘆符のあとは1マスあけます。
- 5
点字に置き換える
かなを点字の形にします。数字やアルファベットがあれば、数符・外字符を前に付けます(数字とアルファベットの書き方)。
点字変換ツールでは、漢字まじりの文章を入れると、ここまでの手順のうち「かなに直す」「発音どおりに直す」「分かち書き」を自動で行った「点字用のかな」が表示されます。かなの1文字ごとの点の形は点字の五十音表と覚え方で確認できます。
よくある質問
- 点字で「は」を「わ」と書くのはなぜですか?
- 点字は指で読む文字なので、読み手が音を思い浮かべやすいよう、発音どおりに書くきまりになっているからです。助詞の「は」は「わ」、「へ」は「え」と書きます。「こんにちは」も「こんにちわ」と書きます。
- 助詞の「を」は「お」と書きますか?
- 書きません。助詞の「を」は、「を」の点字(3・5の点)で書きます。
- 「とけい」は点字で「とけー」と書きますか?
- 書きません。長音符を使うのはウ段・オ段の音を「う」で伸ばすところだけで、「とけい」のようなエ段+いは書いたとおり「とけい」と書きます。「おかあさん」「おにいさん」もそのままです。
- 分かち書きはどこで区切ればいいですか?
- 基本は、名詞・動詞・形容詞・副詞などの自立語の前で1マスあけ、助詞・助動詞は前の語に続けます。「ほんを よむ」「がっこーえ いきます」のようになります。複合語の切れ続きなど細かいきまりは、日本点字表記法で確認してください。
- 句点のあとは何マスあけますか?
- 句点(。)のあとは2マス、読点(、)・疑問符・感嘆符・中点のあとは1マスあけます。
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