点字器(点字盤)の使い方|裏から右→左に打つ左右反転のしくみ
点字器(点字盤)で点字を書くと、表から読む形とは左右が逆になり、打ち進める方向も右から左になります。慣れないうちは「どの点を打てばいいのか」で手が止まりがちです。この記事では、点字器で裏から打つ理由と左右反転のしくみ、打つときの点の番号、打ち始めから読み返すまでの手順、はがきや名刺に打つときの注意をまとめます。
点字を書く道具の種類
点字を手で書く道具には、主に次のようなものがあります。このうち、紙の裏から打つ(左右反転して書く)必要があるのは、点字盤・携帯用点字器のように点筆で押して点を出すタイプです。
| 道具 | 書き方 | 左右反転 |
|---|---|---|
| 点字盤(標準点字器) | 板に紙をはさみ、定規のマスに点筆で打つ | 必要(裏から打つ) |
| 携帯用点字器 | 小さな定規に紙をはさみ、点筆で打つ | 必要(裏から打つ) |
| 表から書けるタイプの点字器 | 凸型の道具で表側に点を出す | 不要 |
| 点字タイプライター | 6つのキーを同時に押して表に打ち出す | 不要 |
| 点字プリンター | パソコンのデータを印刷する | 不要 |
学校の福祉の学習や点訳ボランティアの講習でよく使われるのは、点字盤や携帯用点字器です。紙は、点がつぶれにくい厚手の点字用紙を使います。
なぜ裏から打つと左右が逆になるのか
点筆で紙を押すと、押した側はへこみ、反対側が盛り上がります。読む人がさわるのは盛り上がった側なので、点字盤では紙の裏側から打つことになります。紙を裏返すと左右が入れ替わるため、表から読む形を作るには、打つときに左右を反転させた形で打つ必要があります。
- マスの中の形が左右反転する:表の1・2・3の点(左の列)は、裏から見ると右の列になる
- 打ち進める方向が逆になる:表では左から右へ読むので、裏からは右から左へ打つ
- 上下は変わらない:上の段は上の段、下の段は下の段のまま
- 打つ順番は読む順と同じ:濁音符→文字、数符→数字のように、前置きの符号から先に打つ
打つときは右の列が1・2・3の点
裏から打つときの考え方としては、「打つときは右の列を上から1・2・3、左の列を上から4・5・6と数える」と覚えるのが簡単です。点の番号で文字を覚えていれば、打つときは番号の位置だけを入れ替えればよく、形を頭の中で反転させる必要がありません。
| 位置 | 読むとき(表) | 打つとき(裏) |
|---|---|---|
| 上の段 | 左=1・右=4 | 右=1・左=4 |
| 中の段 | 左=2・右=5 | 右=2・左=5 |
| 下の段 | 左=3・右=6 | 右=3・左=6 |
| 文字 | 点の番号 | 裏から打つ位置 |
|---|---|---|
| あ | 1 | 右上 |
| か | 1・6 | 右上と左下 |
| さ | 1・5・6 | 右上と左の中・左下 |
| わ | 3 | 右下 |
| 濁音符 | 5 | 左の中 |
| 長音符(ー) | 2・5 | 中の段の左右両方 |
打ち始めから読み返すまでの手順
- 1
打つ内容を点字用のかなにしておく
「は→わ」や長音、分かち書きを直した形で用意します。きまりは点字の書き方のきまりを参考にしてください。
- 2
1行に入るマス数を数え、行の切れ目を決める
語の途中で行を変えないように、マスあけの位置で折り返します。行の長さを先に決めておくと、打っている途中で足りなくなりません。
- 3
紙をはさみ、右上のマスから打ち始める
裏から打つので、1行目の右端のマスが文の最初の1マスになります。点筆はまっすぐ立て、マスの枠に沿って押します。
- 4
右から左へ打ち進める
1マス打つごとに左のマスへ進みます。マスあけは何も打たずに1マス左へ進みます。行の終わりまで来たら、次の行の右端に戻ります。
- 5
紙を外して表から読み返す
裏返して指でさわり、左から右へ読みます。読めない点やつぶれた点がないか、抜けた文字がないかを確かめます。
このサイトの点字変換ツールで「打つ向き(点字器で裏から・左右反転)」に切り替えると、各マスの左右を入れ替え、行を右から左の順に並べた形で表示します。紙を裏から見たときと同じ並びなので、右端から順に見ながらそのまま打てます。1行のマス数を手元の点字器に合わせて入力すると、語の途中で切れない折り返しも確認できます。
はがき・名刺・カードに打つときの注意
はがきや名刺、メッセージカードに点字を入れる場合は、まず使う点字器の1行のマス数と、紙の大きさに入る行数を確かめます。点字器のマス数は製品によって違うので、手元の定規のマスを実際に数えるのが確実です。点字変換ツールのマス数のプリセット(32マス・18マス・12マス)は目安なので、合わないときは数字を入力してください。
- 紙の厚さ:薄い紙は点がつぶれやすく、厚すぎる紙は点が出にくい。はがき程度の厚さなら打てることが多いが、試し打ちをしておく
- 打つ位置:あとで印刷や手書きをするなら、文字と点字が重ならない位置を先に決めておく
- 内容:名刺なら名前、カードなら短いメッセージなど、1〜2行に収まる内容にする
- 点の高さ:読んでもらうものは、点筆をしっかり押して点がはっきり出るようにする
名前を入れる場合の読みの直し方やマス数の数え方は、名前を点字で書く方法にまとめています。
よくある失敗と防ぎ方
| 失敗 | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 表から読むと左右が逆の形になっている | 読む形のまま裏から打った | 打つときは右の列を1・2・3として数える |
| 文が逆順に並んでいる | 裏から左→右に打った | 裏からは右端のマスから左へ進む |
| 濁音が別の文字に読める | 濁音符を文字のあとに打った | 前置きの符号は読む順どおり先に打つ |
| 点がつぶれて読めない | 点筆を斜めに押した・紙が薄い | 点筆をまっすぐ立てる、厚手の紙を使う |
| 語の途中で行が変わっている | 行のマス数を考えずに打ち始めた | 先に行の切れ目を決めてから打つ |
よくある質問
- 点字器で打つと左右が逆になるのはなぜですか?
- 点筆で紙の裏から押して、表側に点を盛り上げるためです。紙を裏返すと左右が入れ替わるので、表から読む形にするには、打つときに左右を反転させた形で、右から左へ打ち進めます。
- 点字器では右から打ちますか、左から打ちますか?
- 裏から打つ点字盤・携帯用点字器では、行の右端のマスから左へ打ち進めます。紙を裏返すと、表では左から右へ読む順になります。
- 裏から打つときの点の番号はどう覚えればいいですか?
- 打つときは右の列を上から1・2・3、左の列を上から4・5・6と数えると覚えやすくなります。文字の点の番号はそのままで、番号の位置だけが左右入れ替わると考えます。
- 濁音符は文字の前に打ちますか、あとに打ちますか?
- 前に打ちます。裏から打つ場合も、打つ順番は読む順と同じです。右から左へ進むので、濁音符のマスが文字のマスの右側に来ます。
- 点字タイプライターでも左右反転は必要ですか?
- 必要ありません。点字タイプライターや点字プリンター、表から書けるタイプの点字器は、紙の表側に点を打ち出すので、読む形のまま書けます。
この記事で紹介したツール
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