名前を点字で書く方法|読みの直し方・長音・姓と名のマスあけ
自分や家族の名前を点字で書いてみたいとき、漢字をそのまま置き換えることはできません。点字はかなで、しかも発音に近い形で書くため、「ゆうこ」は「ゆーこ」、「たろう」は「たろー」のように書き方が変わる部分があります。この記事では、名前を点字にするときの読みの直し方、長音の扱い、姓と名のあいだのマスあけ、名刺やキーホルダーに入れるときのマス数の数え方を、実際の例でまとめます。
名前は漢字ではなく「読み」をかなで書く
日本の点字はかなの文字で、漢字はありません(専門的な漢点字・六点漢字という体系もありますが、一般にはかなで書きます)。そのため名前を点字にするときは、まず漢字を読みのかなに直します。ひらがなとカタカナの区別もないので、「ハナコ」と「はなこ」は同じ点字になります。
名前の読みは本人に確かめるのがいちばん確実です。変換ツールは辞書で読みを付けるため、「翔」を「しょう」と読むか「かける」と読むか、「陽菜」を「ひな」と読むか「はるな」と読むかまでは分かりません。このサイトの点字変換ツールでも、自動で付いた「点字用のかな」を見て、違っていればひらがなで直してから点字にしてください。
長音のきまり|「う」を伸ばす音は長音符にする
名前でいちばん間違えやすいのが長音です。点字では、ウ段・オ段の音を「う」で伸ばしているところ(ゆう・こう・ろう・しょう など)を、「う」ではなく長音符(2・5の点)で書きます。一方で、ア段・イ段・エ段の長音や、ふだん「お」で書く「おお」「とお」などは、かなで書いたとおりに書きます。
| 名前の読み | 点字で書くかな | 理由 |
|---|---|---|
| ゆうこ | ゆーこ | ウ段+う → 長音符 |
| たろう | たろー | オ段+う → 長音符 |
| しょうた | しょーた | オ段の拗音+う → 長音符 |
| こうじ | こーじ | オ段+う → 長音符 |
| おおた(太田) | おおた | 「お」で書く長音はそのまま |
| とおる(徹) | とおる | 「お」で書く長音はそのまま |
| けいこ | けいこ | エ段+い はそのまま |
| えいじ | えいじ | エ段+い はそのまま |
「けいこ」は発音すると「けーこ」に近く聞こえますが、点字では「けいこ」と書きます。長音符にするのは「ウ段・オ段のあとの う」だけ、と覚えておくと迷いません。このきまりは名前以外の文章でも同じで、くわしくは点字の書き方のきまりで説明しています。
姓と名のあいだは1マスあける
点字では語と語のあいだをマスあけ(空白のマス)で区切る「分かち書き」をします。名前も同じで、姓と名は別の語として、あいだを1マスあけるのが一般的です。続けて書くと、どこまでが姓なのかが指で読んだときに分かりにくくなります。
| 名前 | 点字で書くかな | マス数(マスあけ含む) |
|---|---|---|
| 山田太郎 | やまだ たろー | 8マス |
| 佐藤花子 | さとー はなこ | 7マス |
| 鈴木一郎 | すずき いちろー | 9マス |
| 田中優希 | たなか ゆーき | 7マス |
「やまだ たろー」は、や・ま・濁音符・た・マスあけ・た・ろ・長音符の8マスです。「佐藤」の「さとう」も、オ段+うなので「さとー」になる点に注意してください。
文字数とマス数は同じではない
名刺やキーホルダー、プレートに点字を入れるときは、入るマス数が決まっています。点字は濁音・半濁音・拗音が2マスになるため、かなの文字数よりマス数が多くなることがあります。
| 読み | 点字のマスの内訳 | マス数 |
|---|---|---|
| きょうこ | 拗音符+こ/長音符/こ | 4マス |
| じゅんぺい | 拗濁音符+す/ん/半濁音符+へ/い | 6マス |
| だいすけ | 濁音符+た/い/す/け | 5マス |
| ゆうき | ゆ/長音符/き | 3マス |
- 濁音(が・じ・だ・ぶ など):1文字で2マス
- 半濁音(ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ):1文字で2マス
- 拗音(きゃ・しゅ・ちょ など):小さい文字を含めた2文字で2マス
- 長音・促音・「ん」:それぞれ1マス
- 姓と名のあいだのマスあけ:1マス
点字変換ツールでは、変換結果の上に「何マス・何行」が出るので、入れたい場所のマス数に収まるかをすぐ確かめられます。1行のマス数を12マスや18マスなどに設定すると、語の途中で切れないように折り返した形も見られます。
外国の名前やローマ字の名前
外国の名前は、ふだん使っているカタカナの読みで書くのが一般的です。「ソフィア」の「フィ」のような外来語の音は、合拗音符(2・6の点)を前に置く特殊音の書き方で表します。
ローマ字のつづりのまま書きたい場合は、外字符(5・6の点)を前に置いてアルファベットで書き、大文字には大文字符(6の点)を付けます。アルファベットの書き方は点字の数字とアルファベットの書き方にまとめています。
名前を点字にする手順
- 1
名前を漢字のまま入力する
点字変換ツールの「文章→点字」に、姓と名のあいだに空白を入れて入力します(例:山田 太郎)。
- 2
点字用のかなを確かめる
自動で付いた読みが合っているか、姓と名のあいだにマスあけがあるかを見ます。違っていれば、ひらがなで「やまだ たろー」のように直します。
- 3
長音を確かめる
「う」で伸ばすところが長音符「ー」になっているかを確認します。「おおた」「けいこ」のように、そのまま書く長音が「ー」になっていないかも見ます。
- 4
マス数を確かめて保存する
入れたい場所のマス数に収まるかを見て、点字の文字をコピーするか、PNG画像で保存します。
- 5
点字器で打つなら打つ向きにする
点字器で紙の裏から打つときは「打つ向き(左右反転)」に切り替えます。打ち方は点字器(点字盤)の使い方を参考にしてください。
よくある質問
- 「ゆうこ」は点字で「ゆうこ」と書きますか、「ゆーこ」と書きますか?
- 「ゆーこ」と書きます。点字では、ウ段・オ段の音を「う」で伸ばしているところを長音符(2・5の点)で書くきまりがあります。「たろう」も「たろー」、「さとう」も「さとー」になります。
- 「おおた」や「けいこ」も長音符になりますか?
- なりません。「おおた」「とおる」のようにふだん「お」で書く長音や、「けいこ」「えいじ」のようなエ段+いの長音は、かなで書いたとおりに書きます。長音符にするのはウ段・オ段のあとの「う」だけです。
- 姓と名のあいだはあけますか?
- 1マスあけるのが一般的です。点字は語と語のあいだをマスあけで区切って書くので、姓と名も別の語として区切ります。
- 名前の点字は何マスになりますか?
- かなの文字数とは同じになりません。濁音・半濁音は1文字で2マス、拗音は「きょ」などの2文字で2マス、長音・促音・「ん」は1マスです。たとえば「やまだ たろー」はマスあけを含めて8マスです。
- 漢字の読みが違って変換されたときはどうすればいいですか?
- 点字変換ツールの「点字用のかな」の欄を、ひらがなで直してください。直したかなから点字が作り直されます。名前の読みは辞書だけでは決まらないので、必ず確認してから使うのがおすすめです。
この記事で紹介したツール
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