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友札・大山札の見分け方|あさぼらけ・きみがため・わたのはらの取り札

百人一首には、最初の数文字が同じで、決まり字の最後の1字を聞くまで区別できない札の組があります。これを友札と呼び、6字目まで決まらない「あさぼらけ」「きみがため」「わたのはら」の6枚は大山札(おおやまふだ)と呼ばれます。この記事では、4〜6字決まりの友札と取り札の対応、3字決まりの友札の一覧、取り札(下の句)どうしで紛らわしい組、片方が読まれたあとに決まり字がどう縮むかをまとめます。

友札は「最後の1字だけが違う」札の組

友札(ともふだ)は、決まり字の最後の1字の手前まで同じ音で始まる札どうしのことです。「はるす(春過ぎて)」と「はるの(春の夜の)」は2字目まで同じで、3字目の「す」「の」を聞くまで区別できません。このような札は、読み手の声を最後の1字まで聞いて取る必要があり、早く手を出すと取り違え(お手つき)になりやすい札です。

決まり字が長い札ほど、友札との区別が遅くなります。4字以上の札は次の7組14枚で、どれも2枚1組です。

4〜6字決まりの友札と取り札の対応

決まり字上の句取り札の頭(下の句)
あさぼらけあ(6字)朝ぼらけ 有明の月と 見るまでによしののさとに
あさぼらけう(6字)朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえにあらはれわたる
きみがためは(6字)君がため 春の野に出でて 若菜摘むわがころもでに
きみがためを(6字)君がため 惜しからざりし 命さへながくもがなと
わたのはらや(6字)わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬとひとにはつげよ
わたのはらこ(6字)わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方のくもゐにまがふ
よのなかよ(5字)世の中よ 道こそなけれ 思ひ入るやまのおくにも
よのなかは(5字)世の中は 常にもがもな 渚漕ぐあまのをぶねの
なにはが(4字)難波潟 短き蘆の ふしの間もあはでこのよを
なにはえ(4字)難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑみをつくしてや
こころあ(4字)心あてに 折らばや折らむ 初霜のおきまどはせる
こころに(4字)心にも あらでうき世に ながらへばこひしかるべき
ちぎりき(4字)契りきな かたみに袖を しぼりつつすゑのまつやま
ちぎりお(4字)契りおきし させもが露を 命にてあはれことしの

大山札の6枚は、上の句の最初の5字(初句)がまったく同じで、2句目の1字目で決まります。覚えるときは「あさぼらけ、あり→よしの、うぢ→あらはれ」のように、6字目と取り札の頭を1つの流れで言えるようにします。「わたのはら」は「や(八十島)→ひとには」「こ(漕ぎ出でて)→くもゐ」です。

3字決まりの主な友札

3字決まりにも、2字目まで同じ組がたくさんあります。2枚1組のものを並べると次のとおりです。

2字目まで同じ音友札(決まり字)
はるはるす(春過ぎて)・はるの(春の夜の)
はなはなの(花の色は)・はなさ(花さそふ)
あきあきの(秋の田の)・あきか(秋風に)
あまあまの(天の原)・あまつ(天つ風)
ありありあ(有明の)・ありま(有馬山)
あらあらざ(あらざらむ)・あらし(嵐吹く)
あはあはれ(あはれとも)・あはぢ(淡路島)
かぜかぜを(風をいたみ)・かぜそ(風そよぐ)
わがわがい(わが庵は)・わがそ(わが袖は)
わすわすら(忘らるる)・わすれ(忘れじの)
みかみかの(みかの原)・みかき(みかきもり)
やまやまざ(山里は)・やまが(山川に)
ながながか(長からむ)・ながら(ながらへば)
なげなげき(嘆きつつ)・なげけ(嘆けとて)
ひとひとは(人はいさ)・ひとも(人もをし)
いまいまこ(今来むと)・いまは(今はただ)

このほか「おほえ(大江山)」「おほけ(おほけなく)」「あふこ(逢ふことの)」の3枚は、読み上げで「おーえ」「おーけ」「おーこ」となり、3枚で2字目まで同じ音です。字では「あふ」と「おほ」で違って見えるので、音で比べるのを忘れないようにしてください。

取り札(下の句)どうしが似ている組

友札は上の句が似た札ですが、取る側で迷いやすいのは下の句が似た札です。取り札はひらがなの下の句だけが書かれているので、次の組は札を見たときに取り違えやすくなります。

  • 「わがころもでに」(きみがためは)と「わがころもでは」(あきの):1字違い。どちらも末尾は「〜つつ」
  • 「みをつくしても」(わび)と「みをつくしてや」(なにはえ):6字目まで同じ
  • 「くもがくれにし よはのつきかな」(め)と「こひしかるべき よはのつきかな」(こころに):下の句の後半が同じ
  • 「うらみわび」の取り札「こひにくちなむ なこそをしけれ」と、「はるの」の取り札「かひなくたたむ なこそをしけれ」:後半が同じ
  • 「いづこもおなじ あきのゆふぐれ」(さ)と「きりたちのぼる あきのゆふぐれ」(む):後半が同じ

取り札は頭の数文字で見分けるのが基本です。後半が同じ組は、1行目の字の形で覚えておくと、並んだ札の中から探すときに迷いません。

友札の片方が読まれたら決まり字は短くなる

友札の片方が読まれると、残った札はもう最後の1字まで待つ必要がなくなります。ただし、どこまで短くなるかは、ほかに同じ音で始まる札が残っているかで変わります。

読まれた札残った札の決まり字そこで止まる理由
あさぼらけああさぼらけう → あさぼ「あさぢ」が残っているので「あさ」では決まらない
きみがためはきみがためを → きみ「きり」があるので「き」では決まらない
わたのはらやわたのはらこ → わた「わが」「わび」「わす」があるので「わ」では決まらない
よのなかよよのなかは → よの「よも」「よを」がある
なにはがなにはえ → なには「なにし」が残っているので3字目まで同じ
こころあこころに → ここ「この」「これ」「こひ」「こぬ」がある
ちぎりきちぎりお → ちぎ「ちは」がある

このように、友札の片方が出た瞬間に、もう片方の決まり字を頭の中で書き換えるのが競技かるたの基本です。読まれた札が増えたときの変わり方は決まり字の変化の仕組みで詳しく説明しています。百人一首 決まり字 練習・一覧の練習では、選択肢に友札を混ぜて出題するので、取り違えやすい組を重点的に確かめられます。

よくある質問

大山札とは何ですか?
6字決まりの札のことです。「あさぼらけ」「きみがため」「わたのはら」で始まる歌が2首ずつ、計6枚あります。初句の5字が同じなので、2句目の1字目を聞くまでどちらの札か決まりません。
友札とは何ですか?
決まり字の最後の1字の手前まで同じ音で始まり、最後の1字を聞くまで区別できない札どうしのことです。「はるす」と「はるの」、「なげき」と「なげけ」などがあります。1字決まりの札には友札がありません。
「あさぼらけ」の2枚はどう見分けますか?
6字目で見分けます。「あさぼらけ あ(有明の月と)」の取り札は「よしののさとに」、「あさぼらけ う(宇治の川霧)」の取り札は「あらはれわたる」です。「あり→よしの」「うぢ→あらはれ」と対にして覚えると取り違えません。
「きみがため」の2枚の取り札はどれですか?
「きみがため は(春の野に出でて)」が「わがころもでに ゆきはふりつつ」、「きみがため を(惜しからざりし)」が「ながくもがなと おもひけるかな」です。「わがころもでに」は「秋の田の」の取り札「わがころもでは」と1字違いなので注意してください。

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