決まり字の変化とは|競技かるたで札が読まれると決まり字が短くなる仕組み
競技かるたでは、歌が読まれていくにつれて、残っている札の決まり字が短くなっていきます。「あさぼらけあ」が読まれれば「あさぼらけう」は「あさぼ」で取れるようになり、2枚しかない音の札は片方が出ると1字決まりになります。この記事では、決まり字が変わる仕組み、空札も数に入る理由、具体的な変化の例、試合の流れの中で決まり字がどれくらい短くなるかを、実際に計算した結果とともに解説します。
決まり字が変わるのは「比べる相手」が減るから
決まり字は、まだ読まれる可能性のある歌の中で、ほかの歌と区別できるまでの字数です。最初は100首すべてが比べる相手なので、「あさぼらけ」で始まる2首は6字目まで聞かないと決まりません。ところが片方がすでに読まれていれば、もう同じ歌が読まれることはないので、残った1首は「あさぼ」まで聞けば決まります。
競技かるたでは、1つの歌は1試合で1回しか読まれません。読まれた歌は比べる相手から外れていくので、試合が進むほど、残った札の決まり字は短くなっていきます。これを「決まり字の変化」と呼びます。
よくある変化のパターン
変化のしかたは、同じ音で始まる札が何枚残っているかで決まります。100首の状態から1首(または2首)が読まれたときの変化を計算すると、次のようになります。
| 読まれた札 | 変わる札 | 変化 |
|---|---|---|
| つく(筑波嶺の) | つき(月見れば) | 2字 → 1字「つ」 |
| しら(白露に) | しの(忍ぶれど) | 2字 → 1字「し」 |
| ゆら(由良の門を) | ゆふ(夕されば) | 2字 → 1字「ゆ」 |
| あきの(秋の田の) | あきか(秋風に) | 3字 → 2字「あき」 |
| いまこ(今来むと) | いまは(今はただ) | 3字 → 2字「いま」 |
| なげき(嘆きつつ) | なげけ(嘆けとて) | 3字 → 2字「なげ」 |
| きみがためは | きみがためを | 6字 → 2字「きみ」 |
| あさぼらけあ | あさぼらけう | 6字 → 3字「あさぼ」 |
| ちぎりき・ちぎりお の2首 | ちは(ちはやぶる) | 2字 → 1字「ち」 |
| あさぼらけ の2首 | あさぢ(浅茅生の) | 3字 → 2字「あさ」 |
反対に、読まれても何も変わらない札もあります。「あし(あしびきの)」が読まれても、「あ」で始まる札はまだ15枚あり、2字目が「し」の札はほかにないので、どの札の決まり字も短くなりません。「おほえ(大江山)」が読まれても、「おほけ」と「あふこ」は「おーけ」「おーこ」で2字目まで同じなので、3字決まりのままです。
試合の流れで見る決まり字の変化
実際の試合では、変化は積み重なっていきます。例として、次の順に6首が読まれたときの、まだ読まれていない札の決まり字の変化を計算しました。
| 読まれた順 | この時点で短くなっている札 | 残り札の内訳 |
|---|---|---|
| 1. むらさめの(む) | なし | 1字6・2字42・3字37・4字6・5字2・6字6 |
| 2. あさぼらけ ありあけの | あさぼらけう→あさぼ | 1字6・2字42・3字38・4字6・5字2・6字4 |
| 3. きみがため はるののに | 上に加えて きみがためを→きみ | 1字6・2字43・3字38・4字6・5字2・6字2 |
| 4. おほえやま | 変化なし(あさぼ・きみ のまま) | 1字6・2字43・3字37・4字6・5字2・6字2 |
| 5. よのなかよ | 上に加えて よのなかは→よの | 1字6・2字44・3字37・4字6・6字2 |
| 6. なにはがた | 上に加えて なにはえ→なには | 1字6・2字44・3字38・4字4・6字2 |
6首読まれただけで、6字決まりの札は「わたのはら」の2枚だけになり、5字決まりはなくなりました。読まれた札が増えるほど変化は増えていきます。100首をランダムな順に並べて3通り試したところ、50首読まれた時点で残り50首のうち1字決まりは8〜10枚、75首読まれた時点では残り25首のうち8〜14枚が1字決まりでした。試合の後半は、1字で取れる札がかなり多くなります。
決まり字の変化を身につける練習
- 1
友札と2枚札を先に頭に入れる
変化が起きるのは、同じ音で始まる札がある札です。友札の組と、「うつしもゆ」の2枚札を覚えておくと、どの札が読まれたときに何が変わるかを予想できます。
- 2
読まれた札を記録しながら聞く
練習試合や読み上げ音源に合わせて、読まれた歌を順に入れていきます。百人一首 決まり字 練習・一覧の「決まり字の変化」では、番号か上の句の頭(例: むらさめ)を入れるか、100首の一覧を押すと読まれた札に入り、残りの札の今の決まり字が計算されます。
- 3
短くなった札を声に出して確かめる
一覧で黄色の枠になった札が、最初より短くなった札です。「あさぼらけう は あさぼ」のように、新しい決まり字を口に出して覚え直します。
友札のどちらが読まれたかで残った札の決まり字が変わるので、友札の取り札を区別できることが前提になります。友札の一覧と取り札の対応は友札・大山札の見分け方、2枚札の語呂合わせは「むすめふさほせ」とうつしもゆで確認できます。
よくある質問
- 決まり字が変わるのはどんなときですか?
- 同じ音で始まる歌のどれかが読まれたときです。読まれた歌は同じ試合でもう読まれないので比べる相手から外れ、残った歌はより短い字数で区別できるようになります。同じ音で始まる歌がない札は、何が読まれても変わりません。
- 空札が読まれたときも決まり字は変わりますか?
- 変わります。空札は場に並んでいない札ですが、読まれた時点でその歌はもう読まれないので、同じ音で始まる札の決まり字は短くなります。決まり字の変化は、場にあるかどうかに関係なく読まれたすべての歌で考えます。
- 「あさぼらけあ」が読まれたら「あさぼらけう」は何字決まりですか?
- 「あさぼ」の3字決まりになります。「あさぢふの(浅茅生の)」がまだ残っていると、「あさ」までは同じなので3字目まで聞く必要があります。「あさぢふの」も読まれていれば「あさ」で取れますが、「あ」で始まる札はほかにもあるので1字にはなりません。
- 試合の終盤に1字決まりはどれくらいありますか?
- 読まれた札の順番によりますが、100首をランダムな順で3通り試したところ、50首読まれた時点で残り50首のうち8〜10枚、75首読まれた時点で残り25首のうち8〜14枚が1字決まりでした。最初の7枚より多くなります。
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