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「むすめふさほせ」とは|1字決まり7首の歌と、うつしもゆ・いちひきの覚え方

「むすめふさほせ」は、百人一首で1字目を聞いただけで取れる1字決まりの7枚を並べた覚え歌です。同じように、頭の音の札の枚数を「うつしもゆ」「いちひき」「はやよか」と覚えておくと、決まり字の長さや、札が読まれたあとに決まり字が短くなる札まで見通せるようになります。この記事では、1字決まり7首の上の句と取り札、枚数で分けた語呂合わせ、覚えたあとの使い方をまとめます。

1字決まり7首の歌と取り札

「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」は、その音で始まる歌が100首の中に1首しかない音です。読み手が最初の1字を読んだ時点で歌が決まるので、取り札(下の句)とセットで覚えておけば、1字目で手を出せます。

決まり字上の句取り札(下の句)作者
む村雨の 露もまだ干ぬ まきの葉にきりたちのぼる あきのゆふぐれ寂蓮法師(87番)
す住の江の 岸に寄る波 よるさへやゆめのかよひぢ ひとめよくらむ藤原敏行朝臣(18番)
めめぐり逢ひて 見しやそれとも 分かぬ間にくもがくれにし よはのつきかな紫式部(57番)
ふ吹くからに 秋の草木の しをるればむべやまかぜを あらしといふらむ文屋康秀(22番)
ささびしさに 宿を立ち出でて ながむればいづこもおなじ あきのゆふぐれ良暹法師(70番)
ほほととぎす 鳴きつる方を 眺むればただありあけの つきぞのこれる後徳大寺左大臣(81番)
せ瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川のわれてもすゑに あはむとぞおもふ崇徳院(77番)

7首の歌の意味をひとことで

決まり字と取り札だけを覚えるより、歌の情景を一緒に思い浮かべると、上の句と下の句が結び付きやすくなります。7首のおおよその意味は次のとおりです。

  • む(村雨の):にわか雨の露もまだ乾かない槇の葉に、霧が立ちのぼっていく秋の夕暮れの景色
  • す(住の江の):岸に寄る波の「よる」ではないが、夜の夢の中の通い路でさえ、あの人は人目を避けて来てくれないのだろうか
  • め(めぐり逢ひて):久しぶりに会えたのに、あなたかどうか見分けもつかないうちに帰ってしまった。雲に隠れた夜中の月のように
  • ふ(吹くからに):吹くとすぐに秋の草木がしおれるので、山から吹く風を「嵐(荒らし)」というのだろう。「山」と「風」で「嵐」になる字の遊びもある
  • さ(さびしさに):寂しさに家を出てあたりを眺めると、どこも同じように寂しい秋の夕暮れだった
  • ほ(ほととぎす):ほととぎすが鳴いた方を見ると、鳥の姿はなく、ただ明け方の月が空に残っている
  • せ(瀬をはやみ):流れが速く、岩にせき止められて分かれた急流がまた一つになるように、今は別れても、いつかまた会おう

頭の音の枚数で覚える語呂合わせ

「むすめふさほせ」は1枚しかない音の並びですが、同じ考え方で、2枚・3枚・4枚ある音もまとめて覚えられます。100首を頭の音の枚数で分けると次のとおりで、合計するとちょうど100枚になります。

枚数頭の音(覚え方)札の数
1枚ずつむ・す・め・ふ・さ・ほ・せ(むすめふさほせ)7
2枚ずつう・つ・し・も・ゆ(うつしもゆ)10
3枚ずつい・ち・ひ・き(いちひき)12
4枚ずつは・や・よ・か(はやよか)16
5枚み5
6枚ずつた・こ12
7枚ずつお・わ14
8枚な8
16枚あ16

「お」の7枚には「をぐらやま」と「あふことの」が入ります。どちらも読み上げで「お」の音から始まるためです。音で数える理由は決まり字一覧の「聞こえる音で数える」で説明しています。

「うつしもゆ」の2枚札は片方が読まれると1字決まりになる

枚数を覚えておくと役に立つのが、競技かるたの「決まり字の変化」です。2枚しかない音の札は、片方が読まれた時点で、残りの1枚はその音だけで決まる1字決まりになります。

頭の音2枚の決まり字片方が読まれたあと
ううら(恨みわび)・うか(憂かりける)残った札は「う」の1字決まり
つつく(筑波嶺の)・つき(月見れば)残った札は「つ」の1字決まり
ししら(白露に)・しの(忍ぶれど)残った札は「し」の1字決まり
ももろ(もろともに)・もも(ももしきや)残った札は「も」の1字決まり
ゆゆら(由良の門を)・ゆふ(夕されば)残った札は「ゆ」の1字決まり

「いちひき」の3枚札は、2枚が読まれれば同じように1字決まりになります。たとえば「ち」の札は「ちは」「ちぎりき」「ちぎりお」の3枚で、「ちぎり」の2首が読まれると「ちはやぶる」は「ち」で取れます。どの札がいつ短くなるかは決まり字の変化の仕組みで詳しく扱っています。

1字決まりを確実に取るための練習

  1. 1

    決まり字から取り札の頭を言えるようにする

    「む→きりたち」「す→ゆめのかよ」「め→くもがくれ」「ふ→むべやま」「さ→いづこも」「ほ→ただあり」「せ→われても」と、取り札の1行目を声に出して覚えます。

  2. 2

    取り札を見て決まり字を答える

    逆向きも練習します。札を見た瞬間に決まり字が浮かぶようになると、自陣の札の位置を覚えるときに迷いません。

  3. 3

    速さを測って反応を短くする

    百人一首 決まり字 練習・一覧の練習で「1字決まり」だけを出す札に選ぶと、7枚を4択・8択で繰り返せます。答えるまでの秒数が出るので、迷わず選べるようになったら2字決まりへ進みます。

1字決まりは数が少ないぶん、ほかの札と取り違えたときの損が大きい札でもあります。友札のない札なので、迷う理由は「取り札の頭を覚えていない」ことだけです。取り札の頭を声に出せるまで繰り返してから、次の段階に進んでください。

よくある質問

「むすめふさほせ」の意味は何ですか?
百人一首で1字決まりになる7枚の頭の音(む・す・め・ふ・さ・ほ・せ)を並べた覚え歌です。言葉としての意味はありません。どの音もその音で始まる歌が1首しかありません。
「うつしもゆ」とは何ですか?
頭の音が2枚ずつある札の音(う・つ・し・も・ゆ)を並べた覚え方です。それぞれ2字目で区別する2字決まりで、片方の札が読まれると残りの札は1字決まりに変わります。
「いちひき」「はやよか」は何の覚え方ですか?
「いちひき」は頭の音が3枚ずつある札(い・ち・ひ・き)、「はやよか」は4枚ずつある札(は・や・よ・か)の覚え方です。これに「み」5枚、「た・こ」6枚、「お・わ」7枚、「な」8枚、「あ」16枚を加えると100枚になります。
1字決まりの札はどう覚えるのが早いですか?
決まり字と取り札の1行目を対にして声に出すのが早道です。「む→きりたち」「さ→いづこも」のように覚え、取り札を見て決まり字を答える逆向きの練習も合わせると、7枚なら短期間で迷わなくなります。

この記事で紹介したツール

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