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登山の水は何リットル?体重×時間×5で計算する持っていく量

日帰り登山の準備でいちばん迷うのが「水を何リットル持っていくか」です。少なすぎると脱水や足のつりにつながり、多すぎるとザックが重くなって余計に疲れます。この記事では、汗と呼吸で失う水分(脱水量)を「体重×歩く時間×5」で計算する方法、体重と時間別の早見表、飲む量を脱水量の7〜8割にする理由、予備の水の考え方、歩くペースや季節で量がどう変わるかを、実際の数字で解説します。

脱水量は「体重(kg)×歩く時間(h)×5」mlで見積もる

登山で必要な水の量は、まず「歩いているあいだに体から出ていく水分の量(脱水量)」を見積もるところから始めます。登山の運動生理学を研究している鹿屋体育大学の山本正嘉氏が示している目安が、脱水量(ml)=体重(kg)×行動時間(h)×5 という式です。汗だけでなく、息を吐くときに出ていく水分も含めた量です。

たとえば体重60kgの人が5時間歩くと、60×5×5=1,500mlです。体重が重い人ほど、歩く時間が長いほど、失う水分は比例して増えます。ここで使う「歩く時間」は、休憩を除いて実際に歩いている時間です。登山地図のコースタイムどおりに歩けるならコースタイムをそのまま、ゆっくり歩くなら少し長めに見積もります。

体重・歩く時間別の早見表

脱水量と、行動中に飲む量(脱水量の7〜8割)、飲む量の上限に予備の水500mlを足した「持っていく水」の目安を表にしました。持っていく水は50ml単位に丸めています。

体重歩く時間脱水量飲む量(7〜8割)持っていく水(予備500ml込み)
50kg3時間750ml525〜600ml1,100ml(500mlボトル3本)
50kg5時間1,250ml875〜1,000ml1,500ml(3本)
50kg8時間2,000ml1,400〜1,600ml2,100ml(5本)
60kg3時間900ml630〜720ml1,200ml(3本)
60kg5時間1,500ml1,050〜1,200ml1,700ml(4本)
60kg8時間2,400ml1,680〜1,920ml2,400ml(5本)
70kg3時間1,050ml735〜840ml1,350ml(3本)
70kg5時間1,750ml1,225〜1,400ml1,900ml(4本)
70kg8時間2,800ml1,960〜2,240ml2,750ml(6本)
80kg5時間2,000ml1,400〜1,600ml2,100ml(5本)

3時間程度の低山ハイキングなら1L強、5時間の日帰りなら1.5〜2L、8時間の長い日帰りなら2〜3Lがひとつの目安です。「日帰り登山なら水は1L」とよく言われますが、体重60kgで5時間歩くなら、飲む量だけで1Lを超えます。

飲む量を脱水量の7〜8割にする理由

失った水分を全部その場で取り戻す必要はありません。体には多少の水分の余裕があり、行動中は汗で失った量の7〜8割を補給すれば、体の働きに影響が出るほどの脱水は防げるとされています。残りは下山後の食事や飲み物で取り戻せば十分です。

  • 一度にたくさん飲むより、休憩のたびに200〜300mlずつ飲むほうが体に吸収されやすい
  • のどが渇いたと感じたときには、すでに水分が不足し始めている。渇く前に飲むのが基本
  • 汗で塩分も失うので、長いコースや暑い日はスポーツドリンクや塩あめを組み合わせる
  • 飲む量が7割を大きく下回ると、足のつり・頭痛・急なバテが起きやすくなる

休憩の間隔ごとに1回どれくらい飲めばいいかは、飲む量を休憩の回数で割れば出ます。体重60kg・5時間なら飲む量の上限は1,200mlで、60分ごとに休んで5回なら1回240ml、30分ごとに10回なら1回120mlです。食べる量とあわせた休憩の計画は行動食の記事で紹介しています。

予備の水と、ペース・季節で増やす量

計算した飲む量はあくまで「予定どおり歩けた場合」の量です。道に迷う、ケガをした仲間を待つ、思ったより暑いといった事態に備えて、予備の水を足しておきます。日帰りなら500ml前後が目安で、山頂でカップ麺やコーヒーを作るならその分も加えます。

歩くペース(体重60kg・コースタイム5時間)歩く時間脱水量持っていく水
速い(コースタイムの0.8倍)4時間1,200ml1,450ml
コースタイムどおり5時間1,500ml1,700ml
ゆっくり(1.2倍)6時間1,800ml1,950ml
かなりゆっくり(1.5倍)7時間30分2,250ml2,300ml

ゆっくり歩くと汗の量は減りそうに感じますが、歩く時間が長くなるぶん、1日の脱水量は増えます。初心者や子ども連れでコースタイムより時間がかかりそうなときは、自分のペースで計算し直してください。自分のペースの倍率の出し方はコースタイムの記事で解説しています。

水の重さとボトルの分け方

水は1Lでほぼ1kgです。持っていく水が1.7Lなら、それだけで1.7kgがザックに加わります。重くなるのを嫌って水を減らすより、ほかの荷物を見直すほうが安全です。

  1. 1

    500mlのボトルに分ける

    1本ずつ飲み切れば残りの量がひと目でわかり、「あと何本あるか」でペース配分を考えられます。

  2. 2

    1本は取り出しやすい場所に

    ザックのサイドポケットやハイドレーション(チューブで飲む水袋)を使うと、休憩以外でもこまめに飲めます。

  3. 3

    予備の1本はザックの奥に

    予備は「なかったもの」として扱い、計画どおりなら手をつけずに下山します。

  4. 4

    下山後に残った量を記録する

    毎回どれだけ余ったか・足りなかったかを残しておくと、次回から自分に合った量に近づけられます。

登山の水分・行動食計算ツールにコースタイム・距離・標高差と体重・ザックの重さを入れると、脱水量・飲む量・持っていく水を500mlボトルの本数まで一度に出せます。予備の量も変えられるので、季節やコースに合わせて調整してください。暑さ・寒さの見当をつけるための山頂の気温の出し方は山頂の気温の記事で解説しています。

よくある質問

日帰り登山の水は1Lで足りますか?
3時間ほどの低山なら足りることが多いですが、5時間以上歩くなら足りない可能性が高いです。体重60kgで5時間歩くと脱水量は約1,500mlで、飲む量の目安は1,050〜1,200mlになります。予備も含めると1.5〜2Lを持っていくと安心です。
登山中は1回にどれくらい水を飲めばいいですか?
飲む量(脱水量の7〜8割)を休憩の回数で割った量が目安です。体重60kg・5時間で60分ごとに休むなら1回約240mlです。のどが渇く前に、休憩のたびに少しずつ飲むのが基本です。
子どもの水の量はどう計算しますか?
同じ式で子どもの体重を入れて計算できます。ただし子どもは体温調節が大人ほど得意でなく、のどの渇きを言わないこともあるので、大人が声をかけてこまめに飲ませ、予備は多めに持ってください。
水とスポーツドリンクはどちらがいいですか?
短いコースなら水だけでも問題ありませんが、汗を多くかく夏や長いコースでは、塩分と糖分を補えるスポーツドリンクを一部に入れると足のつりやバテを防ぎやすくなります。水とスポーツドリンクを1本ずつ持つ人も多いです。
水が余ったら持っていきすぎですか?
予備の分が残るのは正常です。予備を除いた飲む分が大きく余ったなら、次回は少し減らしてもかまいません。逆に予備まで飲み切ったなら、次は量を増やすか、休憩ごとの飲み方を見直してください。

この記事で紹介したツール

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