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金属の比重一覧|鉄・ステンレス・アルミ・真鍮・銅・チタンの重さ比較

同じ寸法の部品でも、鉄で作るかアルミで作るかで重さは約3倍違います。重さを決めるのは比重です。この記事では、鉄・ステンレス(SUS304・SUS316・SUS430)・アルミ(A1100・A5052・A6063・A7075)・銅・真鍮・チタン・樹脂の比重一覧、同じ寸法で比べた重さの表、材質を替えるときに重さ以外で気をつけること、磁石や比重で材質を見分ける方法をまとめます。

比重とは?密度との違いと、重さの計算での使い方

比重は、ある物質の密度が水(4℃)の密度の何倍かを表す数字です。水の密度は 1g/cm³ なので、比重と g/cm³ で表した密度は同じ数字になります。鉄の比重 7.85 は「1cm³ あたり 7.85g」、言いかえれば「同じ体積の水の 7.85 倍重い」という意味です。

単位が kg/m³ の資料では、鉄は 7,850kg/m³ と書かれます。数字を 1000 で割れば比重になります。重さは比重に比例するので、形と寸法が同じなら「重さの比 = 比重の比」です。鉄の重さが分かっていれば、比重の比を掛けるだけでほかの材質の重さが出ます。

金属・樹脂の比重一覧と鉄に対する倍率

鋼材・金属の重量計算でよく使う材質の比重です。合金は成分で少し変わるため、ここでは代表的な値を載せています。

材質比重鉄に対する倍率主な用途
鉄・鋼(SS400・S45C・SPCC)7.851構造材・機械部品・鋼板
ステンレス SUS3047.93約 1.01最も一般的な 18-8 ステンレス
ステンレス SUS3167.98約 1.02海辺・薬品に強い
ステンレス SUS4307.70約 0.98磁石につく。厨房機器・内装
アルミ A1100(純アルミ)2.71約 0.35加工しやすい板・箔
アルミ A50522.68約 0.34アルミ板・縞板の定番
アルミ A60632.69約 0.34サッシ・アングル・パイプの押出材
アルミ A70752.80約 0.36超々ジュラルミン。高強度部品
銅 C11008.89約 1.13電線・バスバー・銅板
真鍮(黄銅)8.47約 1.08金具・バルブ・切削部品
チタン(純チタン 2種)4.51約 0.57化学装置・医療・アウトドア用品
鋳鉄(FC)7.25約 0.92マンホールのふた・機械のベッド
鉛11.34約 1.45おもり・放射線の遮へい
アクリル1.19約 0.15アクリル板・水槽
ポリカーボネート1.20約 0.15ポリカ板・波板
MC ナイロン1.16約 0.15滑りのよい機械部品

真鍮は銅と亜鉛の割合で比重が変わり、板によく使う C2801 は約 8.43、快削黄銅の C3604 は約 8.50 です。鋳鉄も種類によって 7.0〜7.3 ほどの幅があります。正確な重さが必要なときは、メーカーの資料の比重を使ってください。

同じ寸法で比べると何 kg 違う?材質別の重量比較表

よく使う3つの寸法で、材質ごとの 1m あたりの重さ(板は 3×6 の1枚)を並べました。鉄からアルミに替えると約 1/3、チタンなら約 6 割になります。

材質板 3.2mm 3×6 1枚FB-6×50(kg/m)丸棒 φ20(kg/m)□-50×50×2.3(kg/m)
鉄42.0kg2.3552.4663.338
SUS30442.4kg2.3792.4913.372
SUS43041.2kg2.312.4193.274
A505214.3kg0.8040.8421.14
A606314.4kg0.8070.8451.144
銅47.6kg2.6672.7933.78
真鍮45.3kg2.5412.6613.602
チタン24.1kg1.3531.4171.918
アクリル6.4kg0.3570.3740.506

ステンレスは「鉄より重い」と思われがちですが、SUS304 でも鉄の約 1% 増しで、運搬や架台の計画ではほぼ同じと考えて差し支えありません。逆に SUS430 は鉄よりわずかに軽くなります。

材質を替えるときは重さ以外に「たわみ」と「強さ」も見る

軽くしたいからといって、鉄の部材を同じ寸法のアルミに置き換えると、思わぬトラブルになることがあります。重さと一緒に確かめたいのは次の点です。

  • たわみやすさ:変形のしにくさを表す縦弾性係数(ヤング率)は、鉄が約 205GPa、アルミが約 70GPa です。同じ断面ならアルミは鉄の約 3 倍たわみます。重さが 1/3 になっても、たわみを同じにするには断面を大きくする必要があります。
  • 強さ:一般構造用の SS400 と、A5052 や A6063 では引張強さや耐力が違います。強度が必要な部材は、材質ごとの規格値で確かめます。
  • 異種金属の接触:アルミと鉄・ステンレスを水がかかる場所で直接つなぐと、電食でアルミが腐食しやすくなります。絶縁ワッシャーなどで分けます。
  • 熱による伸び:アルミは鉄の約 2 倍、温度で伸び縮みします。長い部材を鉄と組み合わせるときは、逃げを考えます。

ステンレスは錆びにくく重さも鉄と同じくらいですが、材料の単価が高く、切断や溶接にも手間がかかります。重さだけでなく、使う場所と予算を合わせて材質を選びましょう。

手元の金属の材質を見分ける方法|磁石・色・比重

端材や中古の部品の材質が分からないとき、重さを計算する前に材質の見当をつける方法です。

  • 磁石:鉄と SUS430 はよくつきます。SUS304・SUS316 は基本的につきませんが、曲げや絞りの加工をした部分は弱くつくことがあります。アルミ・銅・真鍮・チタンはつきません。
  • 色と重さ:アルミは白っぽく、持つとはっきり軽く感じます。銅は赤みのある色、真鍮は黄色っぽい金色です。チタンは灰色でアルミより重く鉄より軽い手ごたえです。
  • 比重を測る:キッチンスケールで空気中の重さ(A)を量り、糸で吊るして水に沈めたときの重さ(B)を量ると、比重 = A ÷ (A − B) で出ます。2.7 前後ならアルミ、7.8〜8.0 なら鉄かステンレス、8.4〜8.9 なら真鍮か銅が目安です。

海外の資料で重さがポンド(lb)で書かれているときは、1lb = 約 0.4536kg で換算します。換算の早見表はポンドとキロの換算にまとめています。

端材・スクラップの重さを寸法から見積もる

スクラップや端材の買い取り価格は、材質ごとの kg 単価 × 重さで決まるのが一般的です。秤がなくても、寸法と比重から重さの見当をつけられます。

  1. 1

    材質を分ける

    鉄・ステンレス・アルミ・銅・真鍮は単価が大きく違うので、混ぜずに分けて量ります。磁石で鉄とそれ以外をまず分けると早いです。

  2. 2

    形ごとに寸法から重さを出す

    板は 比重 × 板厚 × 面積、棒やパイプは kg/m × 長さ。A5052 の 2mm 板が 3×6 で 5枚なら、2.68 × 2 × 1.672 × 5 ≒ 44.8kg です。

  3. 3

    kg 単価を掛ける

    単価は相場や業者、品位(きれいさ)で変わるので、持ち込み先で確認した値を掛けます。

鉄板の重さは鉄板の重さ早見表、パイプは角パイプ・丸パイプの重量も参考にしてください。

材質を切り替えて同じ寸法の重さを並べる

鋼材・金属の重量計算ツールでは、鉄・SUS304・SUS316・SUS430・アルミ4種・銅・真鍮・チタン・鋳鉄・鉛・アクリル・ポリカーボネート・MC ナイロンから材質を選べ、一覧にない材料は比重を直接入力できます。「材質で比べる」タブでは、同じ形と寸法で材質ごとの重さを一覧にできるので、鉄からアルミやステンレスに替えたときの差がひと目で分かります。

形状ごとの断面積の出し方は鋼材の重量計算式、形鋼の重さはH形鋼・アングル・チャンネルの重量表で解説しています。

よくある質問

鉄・ステンレス・アルミの比重は?
鉄(SS400など)は7.85、ステンレスSUS304は7.93、SUS430は7.70、アルミA5052は2.68、A6063は2.69です。アルミは鉄の約1/3、ステンレスは鉄とほぼ同じ重さです。
比重と密度の違いは?
密度は1cm³あたりの質量(g/cm³)、比重は水の密度に対する倍率で単位はありません。水の密度が1g/cm³なので、数字は同じになります。鉄は密度7.85g/cm³、比重7.85です。
真鍮と銅の比重は?
銅(C1100)は約8.89、真鍮は約8.47です。真鍮は銅と亜鉛の割合で変わり、C2801は約8.43、快削黄銅C3604は約8.50です。どちらも鉄より約1割重くなります。
SUS304 は磁石につきますか?
基本的にはつきません。ただし、曲げや絞りなどの冷間加工をした部分は弱く磁石につくことがあります。SUS430は磁石によくつくので、磁石だけでSUS304かどうかを確実に判定するのは難しいです。
アルミは鉄の何分の1の重さですか?
同じ寸法なら約1/3です。A5052の比重2.68は鉄7.85の約0.34倍です。ただしアルミは鉄の約3倍たわみやすいため、同じ寸法で置き換えると強度や剛性が足りないことがあります。

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