SOSのモールス信号と送り方|ライト・音・笛で助けを呼ぶ方法
SOS は「・・・ --- ・・・」の、世界でいちばん知られたモールス信号です。ただ、いざというときに光や音で正しく送れる人は多くありません。この記事では、SOS の符号とリズム、懐中電灯やスマホのライトでの送り方、笛や物を叩く合図、山の遭難信号、SOS の由来と CQD・メーデーとの違い、実際に助けが必要なときに優先することまでをまとめます。
SOSは「短3・長3・短3」を続けて送る
SOS のモールス信号は、短点3つ・長点3つ・短点3つの「・・・ --- ・・・」です。音で表すと「トトト・ツーツーツー・トトト」、光なら「短く3回・長く3回・短く3回」の点滅になります。
厳密には、SOS は S・O・S の3文字ではなく、9つの符号を文字の区切りを入れずに続けて送る1つの遭難信号(・・・---・・・)として決められています。とはいえ、文字の間を少しあけて送っても SOS として十分に伝わります。大切なのは、短い・長いの違いがはっきりわかることと、何度も繰り返すことです。
| 要素 | 長さの比 | 人の手で送るときの目安 |
|---|---|---|
| 短点(・) | 1 | 約0.5秒 |
| 長点(-) | 3 | 約1.5秒 |
| 符号の中の間 | 1 | 約0.5秒 |
| 文字の間(S と O の間) | 3 | 約1.5秒 |
| SOS を繰り返す前の間 | 7以上 | 約3.5秒以上 |
長点は短点の3倍、と覚えておけば十分です。無線のように速く送る必要はなく、遠くの人や慣れていない人が見分けられるよう、ゆっくり大きなリズムで送るほうが確実です。
懐中電灯・スマホのライトで送る方法
夜の光の合図は、遠くからでもよく見えます。懐中電灯やスマホのライトで SOS を送るときは、次の順で行います。
- 1
相手のいる方向に向ける
船・ヘリコプター・対岸の建物など、見てほしい相手の方向にライトを向けます。周りに何もない方向に振り回すより、狙った方向に固定するほうが届きます。
- 2
スイッチではなく手で覆って点滅させる
スマホのライトはスイッチの反応が遅く、細かい点滅には向きません。ライトはつけたままにして、手のひらや服で覆ったり外したりすると、短い・長いを正確に作れます。
- 3
短く3回・長く3回・短く3回
約0.5秒の短い光を3回、約1.5秒の長い光を3回、また短い光を3回。終わったら数秒消して、同じ合図を繰り返します。
- 4
電池を節約しながら続ける
相手に気づかれるまで時間がかかることもあります。人や船の気配がしたときに集中して送り、それ以外は消しておくと電池がもちます。
昼間はライトより、鏡やスマホの画面で太陽の光を反射させるほうが遠くまで届きます。暗い場所で長く合図を見張るときは、目が暗さに慣れるまでの時間も考えておきましょう。目が慣れる仕組みは暗いところで目が慣れる仕組みで解説しています。
笛・物を叩く音で知らせる
建物に閉じ込められたときや、見通しの悪い場所では、光より音のほうが届きます。災害時に大声で叫び続けると体力を消耗し、粉じんを吸い込むおそれもあるため、防災用の笛や、硬いもので壁・柱・配管を叩く音で知らせるのが基本です。
- 笛:短く3回・長く3回・短く3回。息の長さで短点と長点を吹き分けます。
- 叩く音:叩く音は長さを変えにくいので、「3回叩く」を間をあけて繰り返すだけでも、人がいる合図として伝わります。
- 配管や鉄骨は音がよく伝わるので、近くにあれば叩く場所に選びます。
- 救助の人の声や物音が聞こえたときに合図を送ると、居場所を見つけてもらいやすくなります。
山の遭難信号は「1分間に6回」
ヨーロッパの山岳地帯から広まった「国際山岳遭難信号」(アルパイン・ディストレス・シグナル)という合図もあります。笛・ライト・手を振るなど、どの方法でも次のリズムで送ります。
| 合図 | リズム |
|---|---|
| 助けを求める | 1分間に6回(10秒ごとに1回)合図して、1分休む。これを繰り返す |
| 気づいた側の応答 | 1分間に3回(20秒ごとに1回)合図して、1分休む |
SOS のモールス信号を知らない人にも「規則的に繰り返す合図」として気づいてもらえるのが利点です。登山の準備では、ライトと笛に加えて、水や行動食の量も見直しておきましょう。登山に必要な水の量でも、荷物の考え方を紹介しています。
SOSの由来と、CQD・メーデーとの違い
SOS は1906年にベルリンで開かれた国際無線電信会議で遭難信号として採用され、1908年から使われるようになりました。それまではマルコーニ社の無線局が使っていた「CQD」が遭難信号として広く使われていて、1912年のタイタニック号の遭難では、CQD と SOS の両方が送られています。
- SOS は「Save Our Souls」「Save Our Ship」の略だと言われることがありますが、これは後からつけられた説明です。実際には、短点と長点の並びが単純で覚えやすく、聞き間違えにくいことから選ばれました。
- メーデー(Mayday)は、無線電話(音声)で使う遭難信号です。フランス語の「m'aider(助けに来て)」が由来とされ、モールス信号の SOS と同じ役目を声で果たします。
- 船の遭難通信は、国際航海をする船では1999年に衛星などを使う GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的な制度)に完全に移り、モールス信号による遭難通信は役目を終えました。それでも SOS は、光や音でも送れる合図として今も広く知られています。
本当に助けが必要なときは、まず通報を
モールス信号の SOS は、電話がつながらない、声が届かないといった状況での最後の手段です。電話が使えるなら、まず通報してください。
- 火事・救急は119、事件・事故は110、海の事件・事故は118に通報します。
- スマホには、電源ボタンの操作などで緊急通報できる「緊急SOS」の機能があります。操作の方法は機種や設定によって違うので、ふだんから自分のスマホで確かめておきましょう。
SOSのリズムを音と光で練習する
モールス信号 変換・練習ツールに「SOS」と入れると、「・・・ --- ・・・」の音と、画面のライトの点滅で再生できます。速さを5WPM程度まで落とすと、人の手で送るときに近いゆっくりしたリズムになります。家族や子どもと一緒に、笛やライトでまねして送る練習に使ってみてください。
SOS 以外のアルファベットや数字の符号はモールス信号のアルファベット・数字一覧、カナの符号は和文モールス符号の五十音一覧で確認できます。
よくある質問
- SOS のモールス信号は?
- 「・・・ --- ・・・」(トトト・ツーツーツー・トトト)です。光なら短く3回・長く3回・短く3回の点滅で、本来は文字の区切りを入れずに続けて送ります。
- 懐中電灯で SOS を送るにはどうすればいいですか?
- ライトはつけたままにして、手で覆ったり外したりして点滅させると正確に送れます。短い光は約0.5秒、長い光はその3倍の約1.5秒が目安で、1回送ったら数秒消して繰り返します。
- SOS は何の略ですか?
- 何かの略ではありません。「Save Our Souls」などは後からつけられた説明で、実際には符号の並びが単純で覚えやすく、聞き間違えにくいことから遭難信号に選ばれました。
- 山で遭難したときの合図は?
- 国際山岳遭難信号では、笛やライトで1分間に6回(10秒ごと)合図して1分休み、これを繰り返します。気づいた側は1分間に3回合図して応えます。電話がつながるなら、まず110番や119番に通報してください。
- メーデーと SOS の違いは何ですか?
- どちらも遭難を知らせる信号ですが、SOS はモールス信号(電信や光・音)で、メーデーは無線電話の声で使います。
この記事で紹介したツール
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