ボーナスの手取り|賞与から引かれるものと計算方法
支給額が決まると気になるのが、実際に振り込まれる額です。賞与からも社会保険料と所得税は引かれますが、住民税は引かれません。この記事では、賞与から何がいくら引かれるのかを金額で示し、支給額ごとの手取りの目安と、上限のある保険料の扱いを整理します。
賞与から引かれるもの
賞与の明細に並ぶ控除は、毎月の給与より1つ少なくなります。住民税の行がないためです。
| 項目 | かかる金額 | 本人負担の率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 標準賞与額 | 4.955%(東京都) | 年度累計573万円まで |
| 介護保険 | 標準賞与額 | 0.795% | 40〜64歳のみ |
| 厚生年金 | 標準賞与額 | 9.15% | 1回につき150万円まで |
| 雇用保険 | 支給額そのもの | 0.55% | 上限なし |
| 所得税 | 社会保険料を引いた後の額 | 率は前月の給与で決まる | 年末調整で精算 |
| 住民税 | — | — | 賞与からは引かれない |
標準賞与額とは、支給額から1,000円未満を切り捨てた金額です。たとえば50万3,500円の賞与なら、社会保険料は50万3,000円に対してかかります。雇用保険だけは切り捨てずに支給額そのものにかかります。
支給額ごとの手取りの目安
年収500万円・40歳未満・東京都・扶養なしの人が受け取る場合の金額です。所得税は年間の税率(この条件では10%)で計算しています。
| 賞与の額面 | 社会保険料 | 所得税 | 手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 29,310円 | 17,427円 | 153,263円 | 76.6% |
| 30万円 | 43,965円 | 26,141円 | 229,894円 | 76.6% |
| 50万円 | 73,275円 | 43,568円 | 383,157円 | 76.6% |
| 80万円 | 117,240円 | 69,709円 | 613,051円 | 76.6% |
| 100万円 | 146,550円 | 87,137円 | 766,313円 | 76.6% |
賞与の手取りは額面のおよそ75〜80%で、毎月の給与と大きくは変わりません。ただし所得税の率はその人の年収で決まるため、年収800万円(税率20%)の人が50万円の賞与を受け取ると手取りは339,588円(67.9%)まで下がります。40〜64歳なら介護保険料3,975円が加わり、50万円の賞与で手取りは379,588円になります。
住民税が引かれない理由
住民税は前年の所得に対する年税額があらかじめ決まっていて、それを6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から引く仕組み(特別徴収)です。賞与月に上乗せして引く仕組みがないため、賞与の明細には住民税の行がありません。
一方、所得税は所得が発生したその場でかかる税なので、賞与にもその都度かかります。この違いが、賞与の手取り率が毎月の給与よりやや高く見える理由のひとつです。
なお、住民税の年税額には賞与を含めた年収全体が反映されています。賞与から引かれないというだけで、負担していないわけではありません。税の全体像は所得税と住民税の違いにまとめています。
保険料には上限がある
賞与にかかる社会保険料には、毎月の給与と同じように上限が設けられています。
- 厚生年金:1回の賞与につき標準賞与額150万円が上限です。200万円の賞与でも、厚生年金保険料は150万円分の137,250円で止まります。
- 健康保険・介護保険:4月1日から翌年3月31日までの年度累計で573万円が上限です。年間の賞与がこれを超える部分には保険料がかかりません。
- 雇用保険:上限はなく、支給額全体に0.55%がかかります。
この上限があるため、賞与が大きいほど手取り率は上がります。年収800万円(税率20%)の人なら、賞与50万円のときの手取り率は67.9%ですが、200万円なら69.7%です。額面が4倍でも保険料は3.4倍にしかならないためです。
同じ年収でも賞与の配分で手取りが変わる
年収が同じでも、月給と賞与の配分が変わると社会保険料が変わります。年収500万円を、賞与の年間合計だけ変えて計算したものです。
| 賞与の年間合計 | 月給(額面) | 社会保険料(年) | 年間の手取り |
|---|---|---|---|
| なし | 416,667円 | 721,460円 | 391万4,540円 |
| 50万円 | 375,000円 | 741,212円 | 389万8,788円 |
| 100万円 | 333,333円 | 744,034円 | 389万6,566円 |
| 150万円 | 291,667円 | 746,854円 | 389万4,146円 |
| 200万円 | 250,000円 | 749,676円 | 389万1,924円 |
差は年間2万円ほどで大きくはありませんが、賞与の割合が高いほうが手取りはわずかに少なくなります。月給が下がって標準報酬月額の等級が下がっても、賞与にかかる保険料でその分以上に取り戻されるためです。求人で「年収500万円(賞与込み)」と書かれている場合は、この程度の差があると考えておけば十分です。
ツールで賞与の手取りを計算する
- 1
「年収から手取り」タブで年収を入れる
賞与の所得税率は年収から決まるため、先に年収を入力しておきます。
- 2
「ボーナスの手取り」タブに切り替える
今回の支給額を入力すると、標準賞与額と保険料・所得税の内訳が表示されます。
- 3
内訳の行を確認する
健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・所得税が並び、住民税は「賞与からは引かれない」と表示されます。上限に達した場合もその旨が出ます。
年間の手取り全体は手取りの計算方法、保険料のもとになる等級の決まり方は社会保険料の計算方法で確認できます。
よくある質問
- ボーナス50万円の手取りはいくらですか?
- 年収500万円・40歳未満・東京都・扶養なしの条件で383,157円(手取り率76.6%)です。内訳は健康保険24,775円、厚生年金45,750円、雇用保険2,750円、所得税43,568円になります。40〜64歳は介護保険料3,975円が加わって379,588円、年収800万円で所得税率が20%になる人は339,588円です。
- ボーナスから住民税が引かれないのはなぜですか?
- 住民税は前年の所得に対する年税額を、6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から引く仕組みだからです。賞与月に上乗せする仕組みがありません。所得税は所得が生じたその場でかかるため賞与にもかかります。なお住民税の年税額には賞与を含む年収全体が反映されているので、負担が免除されているわけではありません。
- ボーナスの手取りは額面の何割ですか?
- おおむね75〜80%です。所得税の率がその人の年収で決まるため、年収500万円なら約76.6%、年収800万円なら約67.9%と差が出ます。社会保険料の負担率は年収にかかわらず約14.7%(40〜64歳は約15.5%)でほぼ一定なので、手取り率の差はほとんど所得税によるものです。
- ボーナスの社会保険料に上限はありますか?
- あります。厚生年金は1回の賞与につき標準賞与額150万円が上限で、本人負担は137,250円で止まります。健康保険・介護保険は年度(4月〜翌年3月)の累計573万円が上限です。雇用保険には上限がなく、支給額全体に0.55%がかかります。このため賞与が大きいほど手取り率は上がります。
- 明細の所得税がツールの計算と違うのはなぜですか?
- 賞与の源泉徴収は「前月の社会保険料控除後の給与」と扶養人数から率を決める専用の表を使うのに対し、ツールは年収から求めた税率で計算しているためです。毎月の給与の所得税も同じく概算なので、どちらも年末調整で精算されます。年間の合計としては一致します。
この記事で紹介したツール
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