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所得税と住民税の違い|給与から引かれる税金の計算方法

給与から引かれる税金は所得税と住民税の2つですが、かかる年も税率も控除額も違います。この記事では、2つの税の違いを整理したうえで、額面から課税所得を出して税額を計算するまでの流れを、年収500万円を例に金額で追います。

2つの税の違い

所得税は国に納める税、住民税は住んでいる自治体に納める税です。似た計算をしますが、次の点が違います。

所得税住民税
かかる年その年の所得前年の所得
納める時期毎月の給与から概算で引かれ、年末調整で精算翌年6月から翌々年5月まで12回
税率5%〜45%の7段階(超過累進)一律10%(所得割)+均等割5,000円
基礎控除最大95万円(令和7年・8年分)43万円
配偶者控除38万円33万円
一般の扶養控除38万円33万円

住民税のほうが控除額が小さいため、同じ収入でも課税の対象になる金額は住民税のほうが大きくなります。年収500万円の場合、所得税の課税所得は215万8,000円、住民税の課税所得は240万8,000円です。

額面から税額までの流れ

年収500万円(40歳未満・扶養なし・東京都)を例に、4段階で計算します。

  1. 1

    給与所得を出す

    額面500万円から給与所得控除144万円を引いて356万円。給与所得控除は収入に応じた式で決まり、令和7年分からは最低保障額が65万円に引き上げられました(年収190万円以下は一律65万円)。上限は195万円です。

  2. 2

    所得控除を引く

    社会保険料控除721,460円(実際に払った全額)と基礎控除を引きます。基礎控除は所得税が68万円(この所得水準の場合)、住民税は43万円です。

  3. 3

    課税所得を確定する

    1,000円未満を切り捨てて、所得税は215万8,000円、住民税は240万8,000円になります。

  4. 4

    税率をかける

    所得税は215万8,000円×10%−97,500円=118,300円に復興特別所得税2.1%を加えて120,700円(100円未満切り捨て)。住民税は240万8,000円×10%=240,800円から調整控除2,500円を引き、均等割5,000円を足して243,300円です。

所得税の速算表は、課税所得195万円以下が5%、330万円以下が10%(控除97,500円)、695万円以下が20%(控除427,500円)、900万円以下が23%、1800万円以下が33%と続きます。控除額を引くのは、下の段階の低い税率で計算した分を調整するためです。

年収ごとの税額と税率

同じ条件で年収を変えたときの税額です。所得税の税率が上がる位置と、住民税がほぼ一定の割合で増えていく様子が分かります。

年収所得税住民税税の合計所得税の税率
300万円34,800円115,800円150,600円5%
400万円65,400円175,700円241,100円5%
500万円120,700円243,300円364,000円10%
600万円186,300円307,500円493,800円10%
700万円284,700円375,700円660,400円20%
800万円443,000円453,200円896,200円20%
1000万円830,900円638,200円1,469,100円20%

年収600万円台までは住民税のほうが高く、700万円を超えるあたりで所得税が追い抜きます。所得税は累進なので年収の伸びより速く増え、住民税は一律10%なので比例して増えるという違いです。

住民税は1年遅れてやってくる

住民税は前年の所得に対してかかり、翌年6月から引かれ始めます。このずれが、手取りの実感と計算が合わない原因になります。

  • 新卒1年目:前年の所得がほとんどないため住民税は引かれません。2年目の6月から引かれ始め、同じ給料でも手取りが1万円以上減ります。
  • 昇給した翌年:所得税はその年から増えますが、住民税は翌年6月から増えます。昇給の実感が2段階で遅れて効いてきます。
  • 退職した年の翌年:収入がなくても前年分の住民税は納める必要があります。退職前に一括徴収されるか、自分で納付書で払うことになります。
  • 年の途中で入社:住民税は前年分なので、前職の所得に応じた額が引かれます。

手取り計算ツールは「同じ年収が続く」前提で住民税を含めています。社会人1年目の手取りを知りたい場合は、表示された住民税を差し引いて見てください。年収500万円なら年24万3,300円、月あたり約2万円の違いになります。

控除で税額はどれだけ減るか

所得控除は、税額そのものではなく課税の対象になる金額を減らします。したがって減る税額は「控除額×税率」で、税率が高い人ほど効果が大きくなります。年収600万円(所得税率10%)での実際の差です。

条件所得税住民税手取りの増加
独身・扶養なし186,300円307,500円
配偶者(収入なし)147,500円274,500円71,800円
配偶者+19〜22歳の子1人173,000円
iDeCo 月2.3万円(年27.6万円)158,100円279,900円55,800円

19〜22歳の子は特定扶養親族にあたり、控除額が所得税63万円・住民税45万円と一般の扶養(38万円・33万円)より大きく設定されています。一方、16歳未満の子は児童手当があるため扶養控除の対象外で、税額は変わりません。

ツールで税額の内訳を確認する

手取り計算ツールの「年収から手取り」タブでは、「税金の計算過程を見る」を開くと、給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除・課税所得・税率・税額が順番に金額で表示されます。所得税と住民税は別々の列で並ぶため、控除額の違いがそのまま見えます。

配偶者や扶養家族の人数、iDeCoや生命保険料控除の額を「条件を設定する」で入れれば、税額がいくら減るかを比べられます。社会保険料の計算は社会保険料の計算方法、手取り全体の出し方は手取りの計算方法を参照してください。

よくある質問

所得税と住民税の違いは何ですか?
所得税は国の税でその年の所得にかかり、税率は5%から45%の累進です。住民税は自治体の税で前年の所得にかかり、税率は一律10%+均等割5,000円です。基礎控除も所得税は最大95万円、住民税は43万円と差があり、同じ収入でも住民税のほうが課税対象の金額が大きくなります。
住民税はいつから引かれますか?
前年の所得に対する税額が、翌年6月から翌々年5月までの12回に分けて毎月の給与から引かれます。新卒1年目は前年の所得がないため引かれず、2年目の6月から引かれ始めます。年収500万円なら年額243,300円、月あたり約2万円なので、2年目に手取りが減ったように感じるのはこのためです。
年収500万円の所得税と住民税はいくらですか?
扶養家族なし・東京都の条件で、所得税120,700円、住民税243,300円の合計364,000円です。所得税の課税所得は215万8,000円で税率10%、住民税の課税所得は240万8,000円で所得割240,800円に均等割5,000円が加わります。社会保険料721,460円と合わせた控除の合計は1,085,460円です。
扶養家族が増えると税金はいくら減りますか?
年収600万円の人が収入のない配偶者を扶養すると、所得税が38,800円、住民税が33,000円減り、手取りは71,800円増えます。19〜22歳の子(特定扶養親族)がもう1人いれば、独身のときと比べて173,000円の差です。16歳未満の子は児童手当があるため扶養控除の対象外で、税額は変わりません。
iDeCoで税金はどれくらい減りますか?
掛金の全額が所得控除になるので、減る税額は「掛金×(所得税率+住民税10%)」です。年収600万円で月2万3千円(年27万6千円)を拠出すると、所得税が28,200円、住民税が27,600円減り、年間55,800円の手取り増になります。ツールの「その他の所得控除」に年間の掛金を入れると反映されます。

この記事で紹介したツール

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