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手取りの計算方法|額面から引かれる6つと年収別の早見表

求人票や内示で示されるのは額面の金額で、実際に振り込まれるのはそこから社会保険料と税金を引いた額です。この記事では、額面から何がいくら引かれるのかを6つに分けて示し、年収別の手取り早見表と、年収500万円を例にした計算の流れをまとめます。

額面から引かれる6つ

給与明細の控除欄に並ぶ項目は、会社員ならほぼ次の6つです。前半4つが社会保険料、後半2つが税金で、性格がまったく違います。

  • 健康保険料:医療費の自己負担を3割に抑えるための保険。会社と折半で、明細に載るのは半分です。
  • 介護保険料:40歳の誕生月から64歳まで上乗せされます。39歳以下と65歳以上は引かれません。
  • 厚生年金保険料:料率は18.3%で全国一律。折半なので本人負担は9.15%です。
  • 雇用保険料:失業給付や育児休業給付の財源。本人負担は0.55%(一般の事業・令和7年度)です。
  • 所得税:その年の所得にかかる国の税。毎月は概算で引かれ、年末調整で精算されます。
  • 住民税:前年の所得にかかる地方の税。6月から翌年5月の12回に分けて引かれます。

意外に思われますが、多くの人にとって負担が大きいのは税金ではなく社会保険料です。年収500万円(40歳未満・東京都・扶養なし・賞与なし)なら、社会保険料が721,460円、所得税と住民税を合わせても364,000円で、社会保険料のほうが倍近くあります。

年収別の手取り早見表

40歳未満・東京都(健康保険料率9.91%)・扶養家族なし・賞与なしの条件で計算した金額です。住民税は前年も同じ年収だった前提で含めています。

年収(額面)手取り(年間)手取りの月平均社会保険料所得税+住民税手取り率
200万円163万6,064円136,339円298,736円65,200円81.8%
300万円239万2,824円199,402円456,576円150,600円79.8%
400万円316万1,416円263,451円597,484円241,100円79.0%
500万円391万4,540円326,212円721,460円364,000円78.3%
600万円462万6,900円385,575円879,300円493,800円77.1%
700万円530万2,472円441,873円1,037,128円660,400円75.7%
800万円594万1,772円495,148円1,162,028円896,200円74.3%
1000万円726万8,688円605,724円1,262,212円1,469,100円72.7%
1500万円1022万9,064円852,422円1,551,336円3,219,600円68.2%

「手取りは額面の8割」という言い方は、年収400万円前後ではほぼ当てはまります。ただし年収が上がるほど所得税の税率が上がるため、800万円で74.3%、1500万円では68.2%まで下がります。逆に年収200万円台では8割を超えます。

年収500万円で計算の流れを追う

手取りは「額面 − 社会保険料 − 所得税 − 住民税」ですが、税金は社会保険料を引いたあとの金額にかかります。順番が決まっているので、上から順に追うのがいちばん確実です。

  1. 1

    社会保険料を出す(721,460円)

    健康保険243,780円、厚生年金450,180円、雇用保険27,500円。健康保険と厚生年金は標準報酬月額(この例では41万円)に料率をかけ、折半した額です。

  2. 2

    給与所得を出す(356万円)

    額面500万円から給与所得控除144万円(500万円×20%+44万円)を引きます。会社員にとっての必要経費にあたる控除です。

  3. 3

    所得税の課税所得を出す(215万8,000円)

    給与所得356万円から社会保険料721,460円と基礎控除68万円を引き、1,000円未満を切り捨てます。所得税額は215万8,000円×10%−97,500円=118,300円、これに復興特別所得税2.1%を足して120,700円です。

  4. 4

    住民税を出す(243,300円)

    住民税の基礎控除は43万円と所得税より低いため、課税所得は240万8,000円になります。所得割は10%で240,800円、そこから調整控除2,500円を引き、均等割5,000円を足した額です。

  5. 5

    差し引く(391万4,540円)

    500万円 − 721,460円 − 120,700円 − 243,300円 = 391万4,540円。12で割ると月あたり約32万6千円です。

所得税と住民税で基礎控除の額が違う点、社会保険料は全額が所得から引けるという点が、手計算でずれやすい箇所です。税額の細かい仕組みは所得税と住民税の違いにまとめています。

昇給しても全額は残らない

年収が上がると手取り率が下がるため、増えた額面がそのまま手取りになるわけではありません。増えた分のうち実際に残る割合を計算すると、次のようになります。

昇給額面の増加手取りの増加残る割合
300万円 → 330万円300,000円238,198円79.4%
500万円 → 550万円500,000円335,794円67.2%
800万円 → 880万円800,000円529,684円66.2%

年収500万円から50万円昇給しても、手元に増えるのは約33万6千円です。転職の条件を比べるときは、額面の差ではなく手取りの差で見ないと判断を誤ります。年収が100万円違えば手取りの差はおよそ70万円前後、という感覚を持っておくと見積もりが早くなります。

同じ年収でも手取りが変わる条件

早見表はあくまで標準的な条件での数字です。次の4つは同じ年収でも手取りを動かします。

条件年収500万円での差
40歳になる(介護保険料)年39,108円/月3,259円の負担増
勤務先の都道府県(健康保険料率)沖縄県9.44%で392万3,596円、佐賀県10.78%で389万7,332円(差26,264円)
扶養家族がいる年収600万円で配偶者(収入なし)1人なら71,800円の手取り増
賞与の割合年収500万円のうち賞与が125万円なら、賞与なしより19,184円手取りが少ない

最後の「賞与の割合」は見落とされがちです。同じ年収でも、月給と賞与の配分が変わると社会保険料の計算のもとになる標準報酬月額が変わるため、手取りに差が出ます。詳しくはボーナスの手取りで扱っています。

健康保険組合に加入している会社では料率が協会けんぽと違い、会社の負担割合が折半より大きい(本人負担が軽い)こともあります。明細と突き合わせたい場合は、組合の料率を確認してください。

ツールで自分の条件を入れて計算する

手取り計算ツールは、年収・月収・ボーナス・年収の壁の4つのタブに分かれています。年収から調べるときの手順です。

  1. 1

    年収を入力する

    「500万」「5,000,000」のどちらの書き方でも読み取ります。賞与がある場合は年間合計と支給回数も入れてください。

  2. 2

    条件を設定する

    年齢(介護保険の有無)、勤務先の都道府県、配偶者・扶養家族の人数を選びます。iDeCoや生命保険料控除があれば「その他の所得控除」に年額を入れます。

  3. 3

    内訳と計算過程を確認する

    社会保険料・所得税・住民税の内訳が1円単位で表示されます。「税金の計算過程を見る」を開くと、給与所得控除から課税所得までの流れを金額で追えます。

  4. 4

    早見表で前後の年収と比べる

    年収200万円から1500万円までの手取りが並ぶので、昇給や転職で年収が変わったときの手取りを先に確認できます。

毎月の給与明細を検算したいときは「月収から手取り」タブに切り替えると、標準報酬月額の等級つきで控除額が出ます。社会保険料の決まり方は社会保険料の計算方法、扶養の範囲で働くかを考えているなら年収の壁で解説しています。

よくある質問

年収500万円の手取りはいくらですか?
40歳未満・東京都・扶養家族なし・賞与なしの条件で、年間391万4,540円(月あたり約32万6千円)です。内訳は社会保険料721,460円、所得税120,700円、住民税243,300円で、手取り率は78.3%になります。40歳以上なら介護保険料が年39,108円上乗せされ、扶養家族がいれば税金が減るので、条件を入れて計算してください。
手取りは額面の何割ですか?
会社員ではおよそ75〜80%です。年収200万円で81.8%、400万円で79.0%、500万円で78.3%、800万円で74.3%、1500万円で68.2%と、年収が上がるほど所得税の税率が上がって手取り率は下がります。「額面の8割」という目安が当てはまるのは、年収400万円前後までと考えておくとよいでしょう。
額面から手取りを計算する式を教えてください。
手取り=額面−社会保険料−所得税−住民税です。順番が重要で、まず社会保険料を求め、額面から給与所得控除を引いた給与所得から、社会保険料と基礎控除などを差し引いて課税所得を出し、そこに税率をかけます。所得税の基礎控除(最大95万円)と住民税の基礎控除(43万円)は額が違うため、課税所得も別々に計算します。
年収が100万円増えると手取りはいくら増えますか?
おおむね65〜70万円です。年収500万円から550万円への昇給では、額面50万円の増加に対して手取りは335,794円しか増えません(67.2%)。年収300万円台では79%ほど残りますが、税率が上がるほど残る割合は下がります。転職で年収が上がる場合も、この割合で見積もると実態に近くなります。
計算結果が給与明細と合わないのはなぜですか?
理由は主に3つあります。毎月の所得税は源泉徴収税額表による概算で、年末調整で精算されること。社会保険料のもとになる標準報酬月額は4〜6月の平均で決まるため、実際の月給とずれること。健康保険料率が健康保険組合ごとに違うことです。年間の合計ではほぼ一致するので、月単位の差はこの3つを疑ってください。

この記事で紹介したツール

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