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医療費控除は夫婦どっちが申告すると得?|家族合算の条件

医療費控除は、生計を一にする家族の医療費をまとめて1人で申告できます。共働きの夫婦ならどちらが申告してもよいのか、どちらが申告すると多く戻るのかは、所得税率と足切り額の両方で決まります。この記事では、合算できる家族の範囲、申告する人の選び方を実際の金額で比べ、分けて申告するときの注意点をまとめます。

家族の医療費は1人でまとめて申告できる

医療費控除の対象になるのは、自分の医療費に加えて「自己と生計を一にする配偶者その他の親族」のために支払った医療費です。家族全員の医療費を合計し、そのうちの1人が申告します。

  • 扶養に入っているかは関係ない:共働きで配偶者に自分の収入があっても、生計を一にしていれば合算できる
  • 同居でなくてもよい:単身赴任中の配偶者、進学で一人暮らしをしている子ども、仕送りで生活を支えている親など、常に生活費を送っていれば生計を一にしているとされる
  • 申告するのは支払った人:その医療費を実際に負担した人の控除になる。家計が1つの夫婦なら、家族分をまとめてどちらかが申告するのが一般的
  • 同じ医療費を2人で重ねて申告することはできない

「生計を一にする」は、同じ財布で生活しているかどうかで判断します。同じ家に住んでいても、生活費をまったく別に管理している親族は含まれません。

誰が申告すると多く戻るか

戻る額は「控除額 × 所得税率」の所得税と「控除額 × 10%」の住民税の合計です。住民税の10%は誰でも同じなので、基本は所得税率が高い人(年収が多い人)が申告すると得になります。ただし次の2つの例外があります。

  • 所得が200万円未満の家族は足切り額が10万円より小さいため、医療費が少ないときは控除額の差で逆転することがある
  • 所得税や住民税がかかっていない家族が申告しても、戻る税金はない

年収の組み合わせ別の比較

40歳未満の会社員の夫婦で、家族の医療費の合計を夫・妻のどちらかがまとめて申告した場合の戻る額(所得税の還付+住民税の減額)です。

夫・妻の年収医療費の合計夫が申告妻が申告
600万円・150万円8万円0円3,800円
600万円・150万円15万円10,105円10,800円
600万円・150万円30万円40,420円19,800円
500万円・100万円30万円40,420円0円
800万円・400万円30万円60,840円30,210円
400万円・400万円30万円30,210円30,210円

年収600万円と150万円の夫婦では、医療費15万円までは妻が申告したほうが多く戻ります。妻の足切り額は42,500円なので控除額が107,500円になり、夫(控除額5万円)より大きくなるためです。医療費30万円になると、妻は所得税がかかっておらず住民税の減額も19,800円で頭打ちになるので、税率10%の夫が申告したほうが2倍以上戻ります。

年収100万円の妻は所得税も住民税もかからないため、控除額がいくら大きくても戻る額は0円です。年収が同じ夫婦なら、どちらが申告しても同じ額になります。

夫婦で分けて申告するのは損になりやすい

夫が払った医療費は夫、妻が払った医療費は妻と、それぞれが自分の負担分を申告することもできます。ただし足切り額はそれぞれに10万円ずつかかるので、まとめたほうがほとんどの場合で得です。

ほかの所得控除との組み合わせにも注意します。住宅ローン控除で所得税がすでにゼロになっている人は、医療費控除をしても所得税の還付は増えないことがあります。ふるさと納税をしている人は、医療費控除で所得が減ると上限額も少し下がります(ふるさと納税とiDeCo・医療費控除)。

迷いやすい家族のケース

ケース合算できるか
共働きで扶養に入っていない配偶者できる(生計を一にしていれば)
一人暮らしの大学生の子どもに仕送りしているできる
別居の親に毎月仕送りしているできる(常に生活費を送っている場合)
同居しているが生活費が完全に別の親できない
結婚前に配偶者が支払った医療費できない(その時点では生計が別)
亡くなった家族の医療費を死亡後に支払った生計を一にしていた人が支払えばその人の控除になる

医療費控除は、その年の12月31日時点ではなく、医療費を支払ったときに生計を一にしていたかで判断します。結婚した年は、結婚後に支払った配偶者の医療費から合算できます。

ツールで申告する人を比べる

医療費控除 還付金計算の「誰が申告すると得か」タブでは、家族最大4人の年収と年齢、家族全員の医療費の合計を入れると、それぞれが申告した場合の控除額と戻る額を多い順に並べます。所得税がかからない家族が申告しても戻らないことや、足切り額の違いによる逆転もそのまま確認できます。

足切り額が下がる条件は医療費控除は10万円以下でも使える?、控除額から戻る税金の計算は医療費控除でいくら戻るかで解説しています。

よくある質問

共働きの夫婦で医療費控除はどちらが申告すべきですか?
基本は所得税率が高い(年収が多い)ほうが申告すると多く戻ります。ただし一方の所得が200万円未満で医療費が少ない場合は、足切り額が小さい低収入のほうが得になることがあります。所得税・住民税がかかっていない人が申告しても戻りません。
扶養に入っていない妻の医療費も夫の医療費控除に入れられますか?
入れられます。医療費控除で合算できるかどうかは、扶養に入っているかではなく、生計を一にしているかで判断します。共働きでも家計が同じなら合算できます。
別居している親の医療費を医療費控除に入れられますか?
常に生活費を仕送りしているなど生計を一にしていて、その医療費を自分が支払った場合は入れられます。親が自分の年金から払った医療費は、親自身の医療費控除になります。
夫婦で医療費を分けて申告してもいいですか?
それぞれが実際に支払った分を申告することはできますが、足切り額の10万円がそれぞれにかかるので、まとめて1人が申告するより戻る額が少なくなることがほとんどです。

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