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ふるさと納税とiDeCo・医療費控除・住宅ローン控除|上限額への影響

iDeCoや医療費控除で税金が減ると、ふるさと納税の上限額も下がります。一方で住宅ローン控除は、上限額の計算には基本的に影響しません。この記事では、ほかの控除と併用したときに上限がどれだけ変わるかを実際の金額で比べ、確定申告が必要になるケースの注意点や、転職・育休など年の途中で上限が変わる要因をまとめます。

上限が下がる控除と、下がらない控除

ふるさと納税の上限額は「住民税所得割額 × 20%」を起点に決まります。所得割額を減らす控除があれば上限も下がり、所得割額を計算したあとで差し引く控除なら上限はほとんど変わりません。

控除種類ふるさと納税の上限への影響
iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)所得控除下がる
医療費控除・セルフメディケーション税制所得控除下がる
生命保険料控除・地震保険料控除所得控除少し下がる(多くは年末調整で反映済み)
配偶者控除・扶養控除所得控除下がる
住宅ローン控除税額控除上限の計算には基本的に影響しない

所得控除は課税される所得を減らすので、住民税の所得割額も減り、その20%で決まる特例分の上限も小さくなります。住宅ローン控除は税額から差し引く税額控除で、特例分の上限の基準になる所得割額は住宅ローン控除を引く前の金額なので、上限額の計算そのものは変わりません。

iDeCoを始めると上限はどれだけ下がるか

40歳未満・独身の会社員(東京都の協会けんぽ)で、iDeCoの掛金の有無による上限額の違いです。

年収iDeCoなし月1.2万円(年14.4万円)月2.3万円(年27.6万円)
500万円61,000円58,000円54,000円
600万円77,000円—70,000円
700万円108,000円—100,000円

年収500万円で月2.3万円を拠出すると、上限は約7,000円下がります。ただしiDeCoの掛金は全額が所得控除になるので、所得税が120,700円から96,000円へ24,700円、住民税の所得割が238,300円から210,700円へ27,600円、合わせて年52,300円の税金が減ります。ふるさと納税の上限が下がるのは「寄付できる枠が小さくなる」だけで損をするわけではないため、iDeCoを優先してかまいません。

医療費控除は上限と手続きの両方に影響する

医療費控除は、1年間の医療費から10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5%)を引いた額が所得控除になります。年収500万円・独身で医療費が20万円なら医療費控除は10万円で、ふるさと納税の上限は61,731円から59,225円に下がり、目安は59,000円になります。

上限よりも気をつけたいのが手続きです。医療費控除は確定申告でしか受けられないので、ワンストップ特例を申請していても無効になります。確定申告書の寄附金控除に、その年のふるさと納税をすべて書いてください。詳しくはワンストップ特例と確定申告の違いで解説しています。

  • 医療費控除を受けるかどうかは年が明けないと決まらないことが多いので、秋以降は上限に余裕を持たせて寄付する
  • 出産の費用は健康保険の出産育児一時金を差し引いた額が医療費控除の対象になる
  • セルフメディケーション税制(市販薬の購入額 − 1万2,000円)と医療費控除はどちらか一方しか選べない

住宅ローン控除と併用するときの注意

住宅ローン控除は上限額の計算に影響しないため、ワンストップ特例を使う2年目以降は、ふるさと納税の上限をそのまま使えることがほとんどです。注意が必要なのは確定申告をする年です。

  • 住宅ローン控除の1年目は確定申告が必要なので、ワンストップ特例は使えず、ふるさと納税も確定申告で申告する
  • 確定申告で寄附金控除を入れると所得税が減り、所得税から引ききれなかった住宅ローン控除は住民税から差し引かれる
  • 住民税から差し引ける住宅ローン控除には上限がある(2022年以降に入居した場合、所得税の課税総所得金額等の5%で最大9万7,500円)。この上限を超えると、住宅ローン控除の一部が使われずに消える
  • 所得税が住宅ローン控除だけでほぼゼロになっている人は、ワンストップ特例を使える年はワンストップ特例にしたほうが、住宅ローン控除を取りこぼしにくい

ふるさと納税 上限額シミュレーターは住宅ローン控除を計算に含めていません。住宅ローン控除で所得税がほとんどかからない人や、確定申告の1年目の人は、上限ぎりぎりまで寄付せず余裕を持たせるのが安全です。

年の途中で上限が変わるケースとシミュレーターでの確かめ方

ふるさと納税の上限は、寄付した年の1月〜12月の所得で決まります。次のような年は、前年の源泉徴収票をもとにした上限より実際の上限が低くなりやすいので注意してください。

  • 転職・退職した年:退職前後で収入のない期間がある、転職先の賞与が少ないなど、年収が前年より下がりやすい
  • 育休・産休を取った年:育児休業給付金や出産手当金は非課税なので、給与が減ったぶんそのまま上限が下がる
  • 40歳になった年:介護保険料がかかり始める。年収500万円なら上限は61,000円から60,000円へ下がる
  • 副業や株の売却益で確定申告をする年:所得が増えて上限が上がる一方、ワンストップ特例は使えなくなる

シミュレーターの「上限額を調べる」タブでは、「その他の所得控除」にiDeCoの年間掛金や医療費控除の額を入れると、上限額がすぐに計算し直されます。年齢の切り替えで介護保険料の有無も反映できます。年末に源泉徴収票の見込みがわかったら、「源泉徴収票の金額を入れる」で社会保険料を入れ直すと、より正確な上限が分かります。年収・家族構成別の目安はふるさと納税の上限額 早見表、所得控除で税金がどれだけ減るかは所得税と住民税の計算方法も参考にしてください。

よくある質問

iDeCoをしているとふるさと納税の上限は下がりますか?
下がります。iDeCoの掛金は全額が所得控除になり、住民税の所得割が減るためです。年収500万円・独身で月2.3万円を拠出すると、上限の目安は61,000円から54,000円になります。ただしiDeCoによる節税は年52,300円あるので、iDeCoをやめる理由にはなりません。
住宅ローン控除があるとふるさと納税の上限は下がりますか?
上限額の計算には基本的に影響しません。上限の基準になる住民税所得割額は、住宅ローン控除を差し引く前の金額だからです。ただし確定申告をする年は、住宅ローン控除の一部が使われずに消えることがあるので、上限に余裕を持たせてください。
医療費控除とふるさと納税のワンストップ特例は併用できますか?
併用できません。医療費控除のために確定申告をするとワンストップ特例は無効になるので、確定申告書の寄附金控除にふるさと納税の寄付をすべて書いてください。控除される合計額はワンストップ特例の場合とほぼ同じです。
育休を取った年はふるさと納税の上限はどうなりますか?
大きく下がります。育児休業給付金は非課税で所得に含まれないため、給与が減った分だけ住民税の所得割が減るからです。育休に入った年は、その年に実際に受け取る給与の見込みで上限を計算し直してください。

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