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勤務時間の計算方法|実働時間・休憩・残業の出し方と60進法のコツ

9:00から18:00まで働いて休憩1時間なら実働8時間。ここまでは暗算できても、出勤が8:45、退勤が19:20、休憩が45分と中途半端になると途端に間違えます。この記事では、実働時間の出し方と60進法でつまずかないコツ、所定労働時間と法定労働時間の違い、そこから残業時間がどう決まるのかを順番に整理します。

実働時間=拘束時間−休憩時間

勤務時間の計算は、どんなに複雑に見えても出発点は1つです。退勤時刻から出勤時刻を引いた「拘束時間」から、休憩時間を引く。残った時間が実際に働いた時間、つまり実働時間です。

  • 拘束時間:退勤時刻 − 出勤時刻。会社にいた時間の長さです。
  • 休憩時間:昼休みなど、労働から完全に解放されていた時間。
  • 実働時間:拘束時間 − 休憩時間。給与計算の対象になるのはこちらです。

例えば8:45出勤・19:20退勤・休憩45分なら、拘束時間は10時間35分、そこから45分を引いて実働9時間50分になります。8時間を超えた1時間50分が法定時間外労働です。手で計算するときにややこしいのは、分が60でくり上がる点だけです。

60進法と小数の行き来でつまずかない

時間の計算が面倒なのは、分が60でくり上がる60進法だからです。給与計算では「8.5時間 × 時給」のように小数で扱うため、2つの表記を行き来する必要があります。8時間30分を「8.30」と書いてしまうミスは、集計表でとても多い間違いです。

時刻表記小数表記
0時間15分0.25時間15分
0時間30分0.5時間30分
0時間45分0.75時間45分
1時間10分約1.17時間70分
7時間45分7.75時間465分
8時間30分8.5時間510分
9時間50分約9.83時間590分
  • 時刻表記 → 小数:分を60で割る。8時間30分なら 30 ÷ 60 = 0.5 で8.5時間。
  • 小数 → 時刻表記:小数部に60を掛ける。7.75時間なら 0.75 × 60 = 45分で7時間45分。
  • 計算しやすいのは「いったん全部を分に直す」方法。8:45と19:20なら 525分と1160分、差は635分=10時間35分です。

1:30+2:45のような時間同士の足し算も、分に直せば 90+165=255分=4時間15分と一発で出ます。表計算ソフトで時刻の書式のまま足すと24時間でリセットされてしまうことがあるため、合計が1日を超える月次集計では特に注意が必要です。

所定労働時間と法定労働時間の違い

「残業」と呼ばれる時間には2種類あります。この区別を知らないと、自分で計算した残業代と給与明細が合わない理由が分かりません。

呼び方意味割増
所定労働時間会社が就業規則で決めた1日の労働時間(例:7時間30分)
法定内残業所定を超えたが8時間以内の部分割増は不要(通常の時給)
法定時間外労働1日8時間・週40時間を超えた部分25%以上の割増

所定労働時間が7時間30分の会社で9時間働いた場合、7時間30分〜8時間の30分は法定内残業、8時間を超えた1時間が法定時間外労働です。法律上、割増が義務づけられているのは後者だけで、法定内残業に何%を付けるかは会社の就業規則しだいです(1.0倍、つまり通常の時給のみという会社が多数派です)。

1か月の勤務時間を集計する

月単位で見るときは、日ごとの実働時間を足すだけでは足りません。給与計算に必要なのは、次の4つの内訳です。

  • 所定内(法定内)の労働時間:通常の時給で支払われる部分。
  • 時間外労働の合計:25%割増。月60時間を超えた部分は50%割増になります。
  • 深夜労働の合計:22時〜翌5時に働いた時間。他の割増に25%が加算されます。
  • 法定休日労働の合計:35%割増。こちらには時間外の概念がありません。

月給制の場合、「1か月の平均所定労働時間」も押さえておくと便利です。年間の所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12 で求め、月給をこの数字で割ると割増計算の基礎になる時給が出ます。年間休日120日・1日8時間なら (365 − 120) × 8 ÷ 12 = 約163.3時間です。

年間休日年間所定労働日月平均所定労働時間(1日8時間)
105日260日約173.3時間
110日255日170時間
120日245日約163.3時間
125日240日160時間

この時給から残業代を出す手順は残業代の計算方法で詳しく扱っています。月の合計に端数が出たときの処理は勤怠の丸めルールを参照してください。

ツールで自動計算する

毎日の計算を手作業でやると、くり上がりのミスが必ず混ざります。勤務時間の計算ツールは、出勤・退勤・休憩を入れるだけで内訳まで分解して表示します。

  1. 1

    出勤・退勤・休憩を入力する

    「9:00」でも「900」でも「9時半」でも読み取ります。休憩は「60」なら60分、「1:00」や「1時間」でも同じ意味として扱います。

  2. 2

    実働時間を2つの表記で確認する

    「8時間30分」と「8.5時間」が同時に表示されます。給与計算に使うのは後者、勤怠表に書くのは前者、と使い分けられます。

  3. 3

    残業・深夜の内訳を見る

    8時間を超えた法定時間外と、22時〜翌5時に重なった深夜時間が自動で切り分けられます。残業が何時から始まったかも表示されます。

  4. 4

    1か月ぶんをまとめて貼り付ける

    「1か月の集計」タブに、タイムカードや表計算からコピーした行をそのまま貼り付けられます。「9/1 9:00 18:00 60」のような形式なら日付・出勤・退勤・休憩として読み取り、月の合計を出します。

「時間の足し算」タブを使えば、1:30+2:45+0:50のような60進法の計算もまとめてできます。作業ログの合計を出したいときは時間配分の計算、1日の使い方そのものを見直したいときはタイムブロッキングも合わせてどうぞ。

よくある質問

実働時間はどうやって計算しますか?
退勤時刻から出勤時刻を引いて拘束時間を出し、そこから休憩時間を引きます。8:45出勤・19:20退勤・休憩45分なら、拘束時間10時間35分から45分を引いて実働9時間50分です。計算に迷ったら、すべて分に直すのが確実です。この例なら 1160分 − 525分 − 45分 = 590分 で、60で割って9時間50分になります。
8時間30分は何時間ですか?小数ではどう書きますか?
8.5時間です。分を60で割ると小数の時間になります(30 ÷ 60 = 0.5)。給与計算では小数のほうを使うため、時給1,200円なら 8.5 × 1,200 = 10,200円という計算になります。「8.30」と書くのはよくある間違いで、8時間18分を意味してしまいます。15分は0.25、45分は0.75と覚えておくと暗算しやすくなります。
所定労働時間と法定労働時間はどう違いますか?
所定労働時間は会社が就業規則で決めた労働時間、法定労働時間は労働基準法32条が定める1日8時間・週40時間の上限です。所定が7時間30分の会社で8時間働いた場合、超過した30分は「法定内残業」で、法律上の割増は不要です。8時間を超えた部分が法定時間外労働となり、25%以上の割増賃金が必要になります。
日をまたぐ勤務の時間はどう数えますか?
22:00出勤・翌6:00退勤のような勤務は、退勤時刻に24時間を足して計算します。この例なら 30:00 − 22:00 = 8時間が拘束時間で、休憩1時間なら実働7時間です。労働基準法では、日をまたいで継続した勤務は始業日の労働として1日分にまとめて扱います。夜勤の割増の考え方は深夜手当の記事で詳しく説明しています。
月給から時給を計算するにはどうすればいいですか?
月給を「1か月の平均所定労働時間」で割ります。平均所定労働時間は、年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12 です。年間休日120日・1日8時間なら約163.3時間なので、月給28万円(割増の基礎に含まれる手当込み)なら 280,000 ÷ 163.3 = 約1,715円が時給です。この額に1.25を掛けた約2,144円が残業1時間あたりの単価になります。

この記事で紹介したツール

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